更新日:2026年7月21日|カテゴリ:活用術(写真・メディア)

結論:NAS+Surveillance Stationで防犯カメラを24時間・長期録画

ネットワークカメラ(IPカメラ)の映像は、NASとSurveillance Station(Synology)やQVR(QNAP)を使えば、複数台を24時間連続録画・長期保存できます。SDカードや専用レコーダーより柔軟で容量も大きく、外出先からの確認も可能。成功のカギは連続稼働対応の大容量HDDです。

なぜ防犯カメラの保存先にNASが最適なのか

保存方法長所短所
カメラのSDカード手軽容量小・盗難で証拠も消える
専用レコーダー安定拡張性が低い・用途専用
クラウド録画遠隔安全月額が高い・台数で増額
NAS録画大容量・多台数・月額0円(電気代除く)・兼用可初期に機材が必要

NASなら写真バックアップやファイル共有と兼用しつつ、防犯カメラの長期保存も任せられます。

用意するもの

必要な機材

  • NAS本体(Synology DS225+ などSurveillance Station対応の+シリーズ機。旧DS224+は終売)
  • 大容量NAS用HDD(連続書き込みに強いWD Red Plus / IronWolf。8TB以上推奨)
  • 対応IPカメラ(ONVIF対応または公式対応機種)

この3点がそろえば、写真バックアップやファイル共有と兼用しながら防犯カメラの長期録画までこなせます。逆に言えば、まずNAS本体を1台決めてしまえば、HDDとカメラは後から用途に合わせて足していけるので、最初のハードルは「どの本体を選ぶか」だけです。

その本体選びで迷ったら、防犯カメラ録画に必要な処理性能とSurveillance Station標準2ライセンスを備えた定番機がこちら。2ベイでRAID 1を組めば、録画中にHDDが1台壊れても映像を失わずに済みます。

録画に必要な容量の目安

必要容量は「カメラ台数 × 画質 × 録画日数」で決まります。フルHD・1台・常時録画で1日あたり約20〜60GBが目安。3台を30日保存するなら数TB規模になるため、8TB以上の大容量HDDが安心です。

※台数・保存日数ごとの具体的な必要容量は、後述の「カメラ台数・保存日数別の容量シミュレーション」にまとめています。

Surveillance Stationのライセンス(先に確認)

具体的な設定手順は後半の「Surveillance Stationの初期設定手順(画面の流れ)」にまとめています。その前に、台数に直結するライセンスだけは先に押さえておきましょう。

ライセンスに注意
Synology Surveillance Stationは標準で2ライセンス(カメラ2台分)が付属し、3台目以降は「デバイスライセンス」の追加購入が必要です(標準ライセンス数は機種により異なります)。導入前に必要台数と、使う機種の標準ライセンス数を確認しましょう。

出典:Synology Knowledge Center「License|Surveillance Station」

おすすめHDD

防犯カメラ録画は24時間書き込み続けるため、NAS用・連続稼働対応のHDDを使ってください。デスクトップ用HDDは早期故障の恐れがあります。

長期保存や多台数なら、まず容量に余裕のある8TBクラスを選べば後から足りなくなりにくく安心です。後述の容量シミュレーションでも4台・30日保存で約4.8TB。8TBなら1台でこの規模をカバーでき、録画日数の延長にも耐えます。

対応IPカメラの選び方

Surveillance Stationは多くのメーカーのIPカメラに対応していますが、購入前にSynology公式の対応カメラリストまたはONVIF対応かを確認すると失敗しません。屋外設置なら防水・防塵規格(IP66など)、暗所監視なら赤外線(IRナイトビジョン)対応、人物確認を重視するなら200万画素(フルHD)以上が目安です。接続はWi-Fiより有線(PoE)の方が録画が安定し、電波干渉にも強くなります。

動体検知・スマホ通知で容量を節約

24時間の常時録画は容量を圧迫します。動体検知録画に切り替えると、動きがあった時だけ記録するため必要容量を大きく減らせます。さらにスマホアプリ「DS cam」に異常検知時のプッシュ通知を設定すれば、外出先でも侵入や来訪をすぐ把握できます。誤検知が多い場合は検知範囲(マスク)と感度を調整しましょう。玄関・駐車場など重要エリアだけ高画質+常時録画、それ以外は動体検知、と使い分けるのが賢い運用です。

カメラ台数・保存日数別の容量シミュレーション

必要なHDD容量は「台数 × 画質(ビットレート)× 保存日数」で決まります。フルHD・常時録画・1台あたり1日約40GBを目安にすると、次のようになります(H.264・中ビットレートの概算)。

台数7日保存30日保存90日保存
1台約0.3TB約1.2TB約3.6TB
2台約0.6TB約2.4TB約7.2TB
4台約1.2TB約4.8TB約14TB

4台を長期保存するなら8TB×2台(RAID 1なら実効8TB)や4ベイ機での大容量構成が現実的です。動体検知録画にすれば、上記の半分以下に抑えられることも多いです。

画質設定と容量・画質のバランス

容量を左右する最大の要素は解像度・フレームレート・ビットレートです。証拠性を重視するなら高画質、長期保存を優先するなら控えめに設定します。

おすすめ設定の考え方
顔やナンバーの識別が必要な玄関・駐車場 → フルHD以上・15fps前後
動きの把握だけでよい通路・庭 → HD・5〜10fps+動体検知
・フレームレートは防犯用途なら10〜15fpsで十分(30fpsは容量を倍使う)

録画データはどこに保存される?バックアップの考え方

Surveillance Stationの録画データは、NAS上に自動作成される専用の共有フォルダ(既定では surveillance)に保存されます。保存先のボリュームはカメラ設定の「録画」→「保存先」で指定でき、容量に余裕のあるボリュームを選ぶのが基本です。

保存期間を「30日」などに設定すると、上限を超えた古い録画から自動で消えるローテーション方式で動作します。ディスク満杯で録画が止まる事故を防げるので、容量シミュレーションで決めた日数を必ず入力しておきましょう。

重要な映像は二重に守る

事件・事故の証拠になり得る映像は、NASの標準機能「Hyper Backup」で外付けHDDや別のNASへ定期コピーしておくと安心です。ローテーションで自動削除される前に必要な期間だけ別ボリュームへ退避する運用なら、本体HDDの故障やいたずらによる消失にも備えられます。

8TBクラスのHDD1台は、フルHD・1台・常時録画で約半年分、4台・30日保存でも十分にまかなえる容量です。余裕を持った容量から始めれば、録画日数を延ばしたくなっても買い足さずに対応できます。

録画前に知っておきたいプライバシーと法律

防犯カメラ設置の注意点
防犯カメラは便利な反面、他人のプライバシー・肖像権に配慮が必要です。
・撮影範囲は自分の敷地内を基本にし、隣家の窓や室内、公道の通行人を不必要に写さない
・「防犯カメラ作動中」のステッカー等で撮影を告知すると、トラブル防止と防犯抑止の両面で効果的
・録画データは目的外利用・むやみな公開をしない(SNS投稿は特に注意)
・集合住宅や店舗では、管理規約・従業員への周知などの配慮も必要

「自宅の防犯」という正当な目的の範囲で、他人の権利に配慮して運用することが大切です。(公的な指針は経済産業省・総務省「カメラ画像利活用ガイドブックver3.0」や、個人情報保護委員会の解説等も参考になります)

Surveillance Stationの便利機能

  • タイムライン再生:時間軸から見たい瞬間にすぐジャンプ
  • スマートサーチ:指定エリアに動きがあった場面だけを抽出
  • E-Map:間取り図上にカメラ位置を配置して直感的に管理
  • アクションルール:検知時にライト点灯・通知などを自動実行

QNAP(QVR)や屋外設置の補足

QNAP NASでも「QVR」シリーズで同様の録画が可能です。屋外にカメラを設置する場合は、防水・防塵(IP66など)対応と、ケーブルの劣化対策(PoE+防水処理)を忘れずに。直射日光や軒下の温度上昇はカメラ・NASともに大敵なので、NAS本体の設置場所にも気を配りましょう。

導入から運用までの全体ステップ

初めてでも迷わないよう、全体の流れを整理します。

  1. 必要台数と保存日数を決める
  2. 容量を計算してNASとHDDを用意
  3. Surveillance Stationをインストール
  4. カメラを登録し録画方式を設定
  5. スマホ通知と保存期間を調整
  6. 定期的に録画とディスク残量を確認

この順で進めれば、過不足のない見守り環境が作れます。ランニングコストはNASとカメラの電気代が中心で、クラウド録画のような月額課金が無いのも大きな利点です。

Surveillance Stationの初期設定手順(画面の流れ)

実際の設定は、DSMの画面に沿って進めれば30分ほどで完了します。代表的な流れは次のとおりです。

  1. インストール:DSMの「パッケージセンター」で「Surveillance Station」を検索してインストール。完了したら、メインメニューからSurveillance Stationを開きます。
  2. カメラの追加:「IPカメラ」→「追加」を選ぶと、同一ネットワーク内のONVIF対応カメラを自動検出。一覧に出てこない場合は、カメラのIPアドレス・ユーザー名・パスワードを手動で入力します。
  3. 録画方式の選択:「連続録画」「動体検知録画」「スケジュール録画」から選択。容量を節約したい家庭用途では、夜間は連続・日中は動体検知という組み合わせが定番です。
  4. 保存期間とローテーションの設定:「保存期間を○日に制限」にすると、古い録画から自動削除され、容量あふれの心配がなくなります。容量シミュレーションで決めた日数をここに入力しましょう。
  5. スマホアプリで確認:DS camアプリにQuickConnect IDでログインすれば、外出先からライブ映像と録画の再生が可能。動体検知のプッシュ通知もここで有効にします。

設定後は、録画が実際に保存されているかを最初の1週間は毎日確認してください。タイムラインに映像が並んでいて、ディスク残量が想定どおり減っていれば正常です。

カメラ選びでよくある3つの失敗

  • ONVIF非対応のカメラを買ってしまう:スマホ専用アプリでしか使えないカメラはSurveillance Stationに登録できません。購入前に必ず「ONVIF対応」の記載を確認しましょう。
  • 電源の確保を考えていなかった:屋外設置では電源コンセントが近くにないことが多く、配線工事が必要になる場合があります。LANケーブル1本で電源も供給できるPoE対応カメラ+PoEハブなら配線がシンプルになります。
  • Wi-Fi接続で映像が途切れる:壁や距離の影響でWi-Fiが不安定だと、肝心な瞬間の録画が欠けることがあります。防犯目的なら有線(PoE)接続が確実です。

運用開始後のメンテナンス

防犯カメラ録画は「設定して終わり」ではなく、止まっていないことの確認が何より大切です。月1回、次の3点をチェックする習慣をつけましょう。

  • 録画の連続性:タイムラインを1か月分スクロールし、録画が欠けている時間帯がないか確認します。特定の時間だけ欠けるならカメラの再起動やWi-Fi環境を疑います。
  • ディスク残量と健康状態:ストレージマネージャでHDDの状態が「正常」であること、残量がローテーション設定どおりに推移していることを確認します。24時間書き込み続ける用途なので、S.M.A.R.T.テストも月1回実行しておくと安心です。
  • レンズの汚れと画角のずれ:屋外カメラはクモの巣・ホコリ・雨跡で夜間映像が劣化しがちです。映像を見て白くぼやけていたらレンズを清掃しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 普通のWebカメラは使えますか?
A. Surveillance Stationはネットワークカメラ(IPカメラ)が対象です。USB接続のWebカメラは基本的に使えません。
Q. 何台まで録画できますか?
A. NASの性能とライセンス次第です。家庭用2ベイ機なら数台規模が現実的。多い場合は上位機種を選びましょう。
Q. 防犯カメラ3台を30日間保存するとHDDは何TB必要ですか?
A. フルHD・常時録画なら約3.6TBが目安です。余裕を見て8TB以上を選ぶと安心で、動体検知録画なら半分以下に抑えられることも多いです。
Q. Surveillance Stationのライセンスは何台分付いていますか?
A. 標準で2ライセンス(カメラ2台分)が付属し、3台目以降はデバイスライセンスの追加購入が必要です(標準数は機種により異なります)。
Q. 外出先からスマホで確認できますか?
A. できます。スマホアプリ「DS cam」にQuickConnect IDでログインすれば、ライブ映像の視聴・録画の再生・動体検知のプッシュ通知の受け取りが可能です。

まとめ

NAS+Surveillance Stationなら、防犯カメラ映像を大容量・長期・月額0円(電気代除く)で保存できます。成功のカギは連続稼働対応の大容量HDD。台数とライセンスを確認して、安心の見守り環境を作りましょう。

外出先からの遠隔アクセスを使うなら、NASのセキュリティ設定を先に固めておくと安全です。これから機材をそろえる方は、Surveillance Station対応で人気の入門機Synology DS223jもチェックしてみてください。

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