NASを買うとき、いちばん迷うのがHDDの容量です。「4TBで足りる?」「8TBにしておくべき?」——少なすぎると2〜3年で入れ替えになり、多すぎればHDD代がそのまま余ります(NASそのものの基礎はNASとは?仕組みとできることへ)。

結論:用途別のおすすめ容量早見表(2ベイ・RAID 1/SHR前提)

やりたいこと 実効容量の目安 HDD構成
PCのバックアップが中心(写真は少なめ) 実効2TB 2TB×2本(※2TBは単価が最も割高。4TB×2本も比較を)
スマホ写真と書類が中心(動画はときどき) 実効4TB 4TB×2本
家族の写真+子どもの動画を長期で残す(一眼RAW・4K動画も趣味の範囲なら) 実効8TB 8TB×2本
4K動画を毎日のように撮る(家族合計1日15分以上)/テレビ録画やメディアサーバーも 実効12TB以上 12TB×2本、または4ベイ

迷ったら「写真中心は4TB×2本、動画も残すなら8TB×2本」が基準です(動画編集を仕事にしている方は実効16TB以上+4ベイ)。決めきれないときは1段上にしておくと後から困りません。容量が決まった方は、あとは型番を選ぶだけです(容量帯別の候補はNAS用HDDのおすすめランキングにまとめています)。

ただし上の「実効容量」は、HDDのラベル容量の合計ではありません8TB×2本=合計16TBでも、RAID 1で使えるのは約8TB。さらにOSの表示では約7.28TB、Synologyのシステム予約を引くと約7.0TB(いずれも当サイトの概算)になります(3段階の目減りの内訳)。

カタログの8TBはNASで何TB使えるか(実効容量の3段階の目減り)

HDDのパッケージに書かれた「8TB」は、NASに入れた瞬間から3段階で減っていきます。8TB×2本(ラベル合計16TB)をRAID 1で組んだ場合の内訳が下の表です。

段階 何が起きるか 8TB×2本の場合
ラベル容量 HDDの箱に書かれた数字 合計16TB
① RAIDの冗長分 RAID 1/SHR(2本)は片方が丸ごと予備 約8TB
② OSの表示単位 メーカーは10進、OSは2進で数える 約7.28TB
③ システム予約 ファイルシステムのメタデータと各ドライブのシステム領域 約7.0TB(Btrfsでの概算)

いちばん大きく削られるのは①のRAIDで、ここで半分になります。②と③は合計しても1割強なので、買う容量を決める段階では「RAID 1なら半分」だけ押さえておけば大きく外しません

段階①:RAID構成で減る(構成別の実効容量)

RAIDを組んだときに使える容量は、RAID 0=合計の100%、RAID 1/SHR(2本)=合計の50%、RAID 5=(N-1)台分、RAID 6=(N-2)台分です。ここでは容量計算の観点からRAIDを扱います(RAIDの仕組み自体や耐障害性・書き込み性能の違いは、RAIDレベルの比較SHRとRAIDの違いで解説しています)。2ベイNASを買う方は「RAID 1」の行だけ見ればOK(RAID 5/6は3〜4ベイ以上の人向けなので読み飛ばして大丈夫です)。

RAID構成 必要HDD台数 実効容量の目安 耐障害性
RAID 0(ストライピング) 2台以上 合計容量×100% なし(1台でも壊れたら全データ喪失)
RAID 1(ミラーリング) 2台 合計容量÷2 1台までの故障に耐える
RAID 5 3台以上 (N-1)台分(例:4TB×4→実効12TB) 1台までの故障に耐える
RAID 6 4台以上 (N-2)台分(例:4TB×4→実効8TB) 2台までの故障に耐える
SHR(Synology独自) 2台以上(1台でも構成可・その場合は冗長性なし) RAID 1/5相当・容量の違うHDDも混在OK 1台までの故障に耐える(2台以上のとき)

たとえば4TBのHDDを2台搭載した2ベイNASでRAID 1を組むと、実効容量は4TBになります。4ベイでRAID 5を組む場合は、4TB×4=16TBの合計から1台分(4TB)が冗長性に使われ、実効容量は約12TB。耐障害性と容量効率のバランスがよく、家庭用〜小規模オフィス用途で選ばれる構成です。

段階②:OSの表示は約7.28TBになる(10進と2進の違い)

HDDメーカーは容量を10進法で表記します。1TB=1,000,000,000,000バイトです。一方でWindowsやDSMなどのOSは2進法(1TiB=1,099,511,627,776バイト)で数えるため、同じ8TBのHDDがOS上では約7.28TBと表示されます。故障でも詐称でもなく、数え方の違いです。

出典:Seagate「Storage capacity measurement standards」(メーカーは10進表記で容量を表示すること、OSは2進で数えるため表示が小さくなることを説明した公式KB)。8TB→約7.28TBという換算値そのものは、この原理をもとにした当サイトの計算です(8,000,000,000,000 ÷ 1,099,511,627,776 = 7.2759…)。

段階③:システム領域の予約で減る(Synologyの場合)

Synology公式の「RAID 計算機」ページには、Btrfsでは容量の4%、ext4では2%をメタデータ用に予約すること、さらにRAID内の各ドライブが約10GBのシステム領域を予約することが注記されています。ここまで引くと、8TB×2本のRAID 1で実際に見えるのは約7.0TB前後になります。

出典:Synology「RAID 計算機」(メタデータ予約4%/2%、各ドライブ約10GBのシステム領域、対応RAIDタイプと単一ボリュームの最大容量は機種のデータシート参照、の注記)。「約7.0TB」は上記の注記をあてはめた当サイトの概算で、機種・ファイルシステム・RAIDタイプによって変わります。自分の構成での正確な数字は、上記のSynology公式RAID計算機で確認できます(機種と搭載HDDを選ぶだけです)。

結局いくつ? 2ベイNASで実際に使える容量

HDD構成(RAID 1/SHR) ラベル合計 ① RAID後 ② OS表示 ③ Btrfs予約後(概算)
2TB×2本 4TB 2TB 約1.82TB 約1.7TB
4TB×2本 8TB 4TB 約3.64TB 約3.5TB
8TB×2本 16TB 8TB 約7.28TB 約7.0TB
12TB×2本 24TB 12TB 約10.9TB 約10.5TB

同じ2ベイでもRAID 0(ストライピング)なら、8TB×2本でラベル合計16TB(OS表示では約14.6TB)を1つのボリュームとして使えますが、HDD1本の故障で全データを失います。家庭用途ではRAID 1(またはSHR)が推奨です。なお容量の違うHDD(例:4TB+8TB)を混ぜると、RAID 1では小さい方(4TB)に揃うため8TBの半分がムダになります。基本は同じ容量で揃えるのがおすすめです(SHRは3本以上の構成で混在のムダを減らせる仕組みで、2本ではRAID 1と実効容量は同じです)。


必要な容量を出す計算式

用途別の早見表で決まらないときは、いまの使用量から逆算します。

必要な実効容量 = いまの使用量 +(1年に増える量 × 使う年数)+ 余裕30%

たとえばいまPCとスマホに合計1.2TB入っていて、年に200GBずつ増える人が7年使う想定なら、1.2TB+1.4TB=2.6TB、余裕30%を足して約3.4TB。実効4TB=4TB×2本が答えになります。

年間の増加量が読めないときは、簡易版として「いまの使用量×2倍」を使ってください。データ量が3TBなら実効6TB以上、という考え方です。NASは5〜10年使う機器なので、2倍を下回る容量にすると容量不足が早く来ます。

いま使っている容量を調べる

Windowsは「設定→システム→ストレージ」、Macは「このMacについて→ストレージ」、スマホは「設定→ストレージ」で確認できます。すでにNASを使っていて空きを調べたい場合は、Synology DSMなら「ストレージマネージャー」のボリューム画面に使用量と空き容量が出ます。フォルダ単位でどこが容量を食っているかの洗い出し手順は、HDDが高くて買えないときの選択肢にまとめました。

写真・動画・PCバックアップ別のデータ量の目安

用途 データの目安 必要容量の目安
スマホ写真の保存(家族3人・5年分) 写真1枚=約4〜8MB、年間3,000枚/人(=5年で45,000枚) 約180〜360GB
デジカメ写真(RAWデータ・5年分) 1枚=約25MB、年間5,000〜8,000枚 約600GB〜1TB
動画(スマホ4K・家族5年分) 1分=190MB(iPhone 4K/30 fps・実機表示)〜約300MB(Galaxy 4K・fps非公表) 約1.7〜2.7TB(家族合計1日5分で試算)
PCバックアップ(1台) PCの使用容量と同程度 500GB〜2TB
Time Machine(Mac 1台) Macストレージの2倍以上(Apple推奨) 500GB〜2TB
Blu-ray・DVDコレクション Blu-ray 1枚=25GB(1層)/50GB(2層)、DVD 1枚=4.7GB(1層)/8.5GB(2層) Blu-ray枚数×50GB + DVD枚数×8.5GB

出典:Apple サポート(Mac ユーザガイド)(バックアップディスクはMacのストレージ領域の2倍以上が理想、と記載されています)

スマホ4Kの1分あたり容量は、iPhone側は運営者の実機の「設定」→「カメラ」→「ビデオ撮影」に表示される目安値です(4K/30 fpsで190MB。2026年8月19日に当サイトが確認)。実機のスクリーンショットはスマホの写真・動画をNASに自動バックアップする方法に掲載しています。Galaxy側はSamsung UK「How much phone memory & storage do I need?」の「Recording in 4K will use around 300MB of storage for every 1 minute of filming.」です(このページにフレームレートの明記はありません)。必要容量は「家族合計で1日5分撮る=年1,825分」を5年ぶんとした当サイトの試算で、撮る量が倍になれば必要容量も倍になります。機材ごとの差はNASでの写真・動画管理にまとめました。

合算してみよう:家族3人・写真も動画もPCバックアップも全部やる場合

  • スマホ写真(3人・5年分):約270GB(45,000枚×6MB)
  • 子どもの4K動画(5年分・家族合計1日5分):約1.7TB(iPhone 4K/30の190MB/分)〜約2.7TB(Galaxy 4Kの約300MB/分)→ ここでは多いほうの約2.7TBで計算
  • PC2台のバックアップ:約1TB

→ 合計 約4TB。これを「×2倍」で将来に備えると実効8TB前後=8TB×2本が安心ラインです。

400GB・4TB・10TBはどれくらい? 写真枚数と動画時間の換算早見表

「10TBと言われてもピンとこない」という方向けに、容量を写真枚数・動画時間に換算した早見表です。

容量 スマホ写真(1枚5MB) 一眼RAW(1枚25MB) スマホ4K動画(190MB/分) Blu-ray(1枚50GB)
400GB 約8万枚 約1万6,000枚 約35時間 約8枚
500GB 約10万枚 約2万枚 約44時間 約10枚
1TB 約20万枚 約4万枚 約88時間 約20枚
2TB 約40万枚 約8万枚 約175時間 約40枚
4TB 約80万枚 約16万枚 約351時間 約80枚
6TB 約120万枚 約24万枚 約526時間 約120枚
8TB 約160万枚 約32万枚 約702時間 約160枚
10TB 約200万枚 約40万枚 約877時間 約200枚

試算の前提:1TB=1,000GB=1,000,000MB(10進表記)で計算しています。スマホ写真は1枚5MB、一眼RAWは1枚25MBの概算(上の「写真・動画・PCバックアップ別のデータ量の目安」で写真の幅を4〜8MBとしているのは機種・撮影モードの差で、当サイト共通の代表値は5MBです。機種別の公式値から逆算した精密版はRAW・4K動画の必要容量をメーカー公式値から逆算するにあります)。4K動画の190MB/分は、運営者のiPhoneの「設定」→「カメラ」→「ビデオ撮影」の表示値(4K/30 fps・2026年8月19日に当サイトが確認)。Blu-rayは2層ディスクの50GBで換算しました。この表はHDDのラベル容量そのものの換算で、RAID・OS表示・システム予約を引く前の数字です。実際に入る量を知りたいときは、上の「2ベイNASで実際に使える容量」の行に読み替えてください(例:8TB×2本を買っても、見るのは16TB行ではなく8TB行。そこからさらに1割強を引いた量が実際の目安です)。

家族3人で年間9,000枚(3,000枚/人)撮るとしても、4TBなら計算上は約90年分に相当します。実際は動画やバックアップも同居するため、写真枚数だけで容量を決めないのが安全です。

用途別おすすめHDD構成(2ベイNAS)

ここまでの計算をふまえた、2ベイNASでの具体的な構成です(NAS本体そのものの選び方は家庭用NASのおすすめランキングを参照)。

写真・スマホデータ中心の家庭利用(4TB×2本)

推奨:4TB × 2本(SHR/RAID 1)→ 実効容量約4TB

家族3〜4人の5〜10年分の写真・動画を余裕を持って保存できます。一人暮らし・カップル世帯で、スマホ写真とPCバックアップが中心という場合もこの構成で足ります。Seagate IronWolf 4TBは1本あたり実売約31,980〜39,980円(2026年8月時点。NAS向けHDDは生成AI・データセンター需要で値上がり傾向)です。

▼ この構成(実効4TB=4TB×2本)に入れる1本:Seagate IronWolf 4TB(CMR・24時間稼働対応・データ復旧サービス3年付)— 同容量を2本そろえるのが基本です。価格・在庫はリンク先でご確認ください

回転数・キャッシュ・ワークロードレーティング・互換性リストなど、容量以外の選定ポイントはNAS用HDDのおすすめランキングにまとめています。

一眼RAW・4K動画も趣味の範囲で撮る(8TB×2本)

推奨:8TB × 2本(SHR/RAID 1)→ 実効容量約8TB

一眼カメラ趣味の方はこれが基準線です。子どもの動画を長期保存する子育て世帯も、写真だけなら実効4TBで足りますが、動画の成長記録まで残すなら実効8TB以上を見ておくと入れ替えが遠のきます。

カメラ本体の4Kはスマホと桁が変わります。fpsをそろえて比べると、4K/30どうしでiPhoneの190MB/分に対してCanon EOS R6 Mark IIは860MB/分(IPB標準・120Mbps)=約4.5倍、4K/60どうしでiPhoneの400MB/分に対して1,647MB/分=約4.1倍です。RAWの枚数と4K動画の分数から逆算する詳しい設計はRAW・4K動画の必要容量をメーカー公式値から逆算するにまとめました。

カメラ本体の値はキヤノン「EOS R6 Mark II 記録可能枚数・ファイルサイズ」のCanon Log/HDR PQ OFF時の公式値、iPhoneの4K/30=190MB・4K/60=400MBは運営者のiPhoneの「設定」→「カメラ」→「ビデオ撮影」の表示値です(いずれも2026年8月19日に当サイトが確認)。フレームレートの違う値どうしを比べても倍率の意味がないため、そろえた組でのみ比較しています

Seagate IronWolf 8TB(現行はST8000VN002。先代の7200rpmモデルST8000VN004は国内で実質終売)は1本あたり実売約55,800円(2026年8月時点。NAS向けHDDは生成AI・データセンター需要で値上がり傾向。価格.com等の実勢を元にした目安で、変動します)です。同じ8TB帯のWD Red Plus 8TB(WD80EFPX)も選択肢です。

▼ 写真に加えて動画も長期で残すなら基準線は8TB×2本。この容量帯の1本:WD Red Plus 8TB(WD80EFPX・CMR・メーカー保証3年)— IronWolf 8TBとどちらを選んでも実効容量は同じ8TBです。価格・在庫はリンク先でご確認ください

4K動画を毎日のように撮る・テレビ録画やメディアサーバーも(12TB×2本)

推奨:12TB × 2本(SHR/RAID 1)→ 実効容量約12TB(OS表示では約10.9TB、Btrfs予約後の概算で約10.5TB)

上の8TB×2本で足りなくなるのは、家族合計で1日15分以上の4K撮影を5年続ける場合です(190MB/分×年5,475分×5年=約5.2TB。ここにPCバックアップと写真が乗ると8TBに届きます)。テレビ録画やメディアサーバーを同居させる予定があるなら、Blu-ray換算で1枚50GB=12TBでも約240枚ぶんなので、この層から選んでください。

動画編集を仕事にしている方や8K素材を扱う方は、実効16TB以上と4ベイでの拡張余地を前提に考えてください(4ベイNASのおすすめ)。

PCバックアップがメイン用途(2TB×2本)

推奨:2TB × 2本(SHR/RAID 1)→ 実効容量約2TB

PCのシステムバックアップ中心なら、容量としては2TBで足ります。ただし2026年は容量あたりの単価で2TBがもっとも割高な帯になっており、単価の面では有利な選択ではありません。2TBにこだわる理由がなければ、4TB以上も候補に入れて比較することをおすすめします(容量帯ごとの単価差はHDD値上がりの相場と容量別の単価にまとめています)。

NASのバックアップ先に必要な容量は?(本体の実効容量とは別に考える)

見落としやすいのがここです。NAS本体のRAIDはバックアップではありません。RAID 1はHDD1本の故障に耐える仕組みで、誤削除・ランサムウェア・落雷・水害からはデータを守れません。バックアップの世界標準である3-2-1ルール(コピー3つ・メディア2種類・うち1つは別の場所)に従うなら、NAS本体とは別に、もう1つ受け皿の容量が必要です。

必要なのは「NASの実効容量」ではなく「NASに実際に入っているデータ量」以上です。実効8TBのNASに3TBしか入っていなければ、バックアップ先は4TBの外付けHDD1台で足ります。ここを実効容量と同じ8TBで考えると、買わなくていいHDDを買うことになります。

容量が足りなくなったときの増設パターン

NASの容量が足りなくなったとき、主に次の3つの選択肢があります。

  1. 空きベイにHDDを追加する:4ベイのNASで2台しか使っていない場合、3台目・4台目を追加することで容量を増やせます。SHRやRAID 5なら追加後にボリュームを拡張できます。
  2. HDDを大容量に交換する:すでに全ベイ使用中の場合は、1台ずつ大容量HDDに交換することで段階的に容量アップが可能です(SHR・RAID 1で対応)。
  3. 拡張ユニットを追加する:Synologyの上位モデルなどでは、専用の拡張ユニット(DXシリーズなど)を接続して、ベイ数自体を増やす方法もあります。

このように後から足せるので、最初から限界まで大きいHDDを積むより、拡張できる構成を選んでおくと、必要になった分だけ買い足せます。増設の前には必ず全データの別バックアップを取り、メーカー公式マニュアルの手順に沿って作業しましょう。

なお、買い足す前にいまNASに入っているデータの棚卸しで足りることもあります。Synology公式ツールでの洗い出し・外付けへの一時退避・買う日の決め方はHDDが高くて買えないときの選択肢にまとめました。

大容量HDDへの交換手順(SHR / RAID 1)

SHR(Synology Hybrid RAID)やRAID 1なら、HDDを1本ずつ大容量のものに交換することでデータを消さずに拡張できます。

  1. 1本目のHDDを大容量HDDに交換→リビルド完了まで待つ(目安は4TBで12〜24時間・8TBで24〜36時間(当サイト未実測)。使用率とNAS本体の性能で変わります。詳しくはRAIDレベルの比較のQ6へ)
  2. 2本目のHDDを大容量HDDに交換→リビルド完了まで待つ
  3. DSMのストレージマネージャーで、対象のストレージプール/ボリュームを拡張する

例:4TB×2本 → 8TB×2本に入れ替えれば、実効容量が4TB → 8TBに拡張できます。リビルド中はもう1本が故障するとデータを失う状態なので、着手前のバックアップは必須です。

よくある質問(FAQ)

Q1. HDDは大きければ大きいほど安心?

必要以上に大きいと初期コストが上がり、使い切れないまま交換時期を迎えることもあります。「現在の使用量×2倍」を基本の目安に、動画が多い・長期運用前提なら3倍程度まで広げる、と考えるとバランスが取れます。

Q2. RAID 1にすると容量は本当に半分になる?

はい、半分になります。2本のHDDにまったく同じデータを書き込むため、8TB×2本でも使えるのは約8TBです。さらにOSの表示単位とシステム領域の予約で約7.0TBまで下がります(内訳は3段階の目減り)。容量効率を優先してRAID 0にすると1本の故障で全データを失うため、家庭用ではRAID 1/SHRが基本です。

Q3. バックアップ先の外付けHDDは何TBにすればいい?

NASの実効容量ではなく、NASに実際に入っているデータ量以上を選びます。実効8TBのNASに3TB入っているなら4TBの外付けで足ります。データが増える前提なら、いまの使用量の1.5〜2倍を目安にしてください。選び方はNASのバックアップ先に使う外付けHDD/SSDの選び方へ。

Q4. NASのHDDはどのメーカーがいい?

NAS向けとして定評があるのはSeagate IronWolfとWD Red Plusです。どちらも24時間稼働・振動対策・長時間ワークロードへの耐性を公式仕様で明記しています。具体的なモデル比較はNAS用HDDのおすすめランキングをご覧ください。

Q5. CMRとSMRはどちらを選ぶべき?

NAS用途では基本的にCMR(従来記録方式)を選びましょう。SMR(瓦記録方式)はNASの連続書き込みに弱く、速度低下や故障リスクが高まる傾向があります。型番での見分け方はCMRとSMRの違いと見分け方で解説しています。

Q6. 容量の異なるHDDを混在させてもいいですか?

一般的なRAID(RAID 1/5/6)では、すべてのHDDが「最も小さい容量」に揃えられるため、混在のメリットが少なくなります。一方、Synology独自のSHRでは、容量の異なるHDDを比較的柔軟に組み合わせられる仕様になっています。詳しくはSynology公式「Synology Hybrid RAID(SHR)とは」をご確認ください。

Q7. 大容量HDD1台より、小容量HDD複数台のほうがいい?

価格効率という点では、2026年9月時点は8TB帯のHDDがGB単価で有利です(12TBは9月の値上がりで単価の優位が消えました)。ただし複数台で組むRAIDは耐障害性が高まる一方、消費電力やNAS本体のベイ数の制約も考慮が必要です。一般的には「2ベイなら大容量HDD2台」「4ベイ以上なら中容量HDD複数台」というバランスが選ばれることが多いです。容量帯ごとの単価差は8TBが容量あたり単価の底になった理由と相場の推移をご確認ください。

Q8. クラウドストレージと比べてどちらが容量効率がいい?

分岐点はおおむね2TBです。2TBに収まるうちは初期費用ゼロのクラウドのほうが5年スパンでも安く、2TBを超えるとNASが有利になります(試算はNASとクラウドの徹底比較を参照。料金はサービス・時期により変動します)。

まとめ:ラベル容量ではなく「実効容量」で決める

NASの容量は、写真中心なら実効4TB、家族の動画も長期保存するなら実効8TB(一眼RAW・4K動画が趣味の範囲でもここ)、4K動画を毎日のように撮る・テレビ録画も同居させるなら実効12TB以上が目安です。そのうえで押さえるべきは、8TB×2本を買っても使えるのは約8TB(OS表示では約7.28TB、Synologyのシステム予約後は約7.0TB。いずれも当サイトの概算)という点。ラベル容量の合計で計画すると、想定の半分以下しか入らないことになります。

必要量が読めないときは「いまの使用量+年間増加×使う年数+余裕30%」、または簡易版の「いまの使用量×2倍」で出し、後からHDDを交換・追加できる構成を選んでおけば、5〜10年スパンでも容量不足になりにくくなります。価格は変動するため、購入時は各メーカー・販売店の最新情報を必ずご確認ください

▼ 冒頭の早見表の基準線のうち「写真中心=実効4TB(=4TB×2本)」に当てはまる方の1本:WD Red Plus 4TB(WD40EFZZ・CMR・WDがNAS用途を明記)— 2ベイなら同じものを2本そろえます。動画も長期で残すなら本文中ほどの8TBへ。価格・在庫はリンク先でご確認ください