MacのTime MachineバックアップをNASで行う方法【Synology設定手順】
Macを使っていて「Time Machineのために外付けHDDをいつもつなぐのが面倒」と感じていませんか?SynologyのNASがあれば、ネットワーク越しに自動でTime Machineバックアップを取ることができます。
結論:SynologyでTime Machineを使うには、DSM側でAFP/SMBを有効化し、Time Machine専用の共有フォルダを作るだけです。設定は約15分で完了します。
この記事でわかること
- NASをTime Machine対応にするDSM側の設定手順
- Mac側のTime Machine設定手順
- バックアップ容量の目安と設定のコツ
- よくあるトラブルと対処法
NAS Time Machineのメリット・デメリット
| NAS(ネットワーク) | 外付けHDD(USB) | |
|---|---|---|
| ケーブル接続 | 不要(Wi-Fi/有線LAN) | 必要 |
| 自動バックアップ | ◎(常時接続で自動) | △(接続時のみ) |
| バックアップ速度 | △(有線1Gbps、Wi-Fiは遅め) | ◎(USB3.0) |
| 複数Macの同時バックアップ | ◎(フォルダ別に設定可) | ×(1台ずつ) |
| 初期コスト | 高い(NAS本体+HDD) | 安い(5,000円〜) |
すでにNASを持っている方なら、Time Machine用途を追加するだけなので追加コストはほぼゼロです。
事前確認:必要な環境
- Synology NAS(DSM 7.0以上推奨)
- Mac(macOS Monterey以降推奨)
- MacとNASが同じネットワーク(LAN/Wi-Fi)に接続されていること
- NASのHDDに十分な空き容量(Macのストレージの1.5〜2倍が目安)
設定手順(DSM側)
① Time Machine専用の共有フォルダを作る
- DSM管理画面にログイン
- 「コントロールパネル」→「共有フォルダ」→「作成」
- フォルダ名:「TimeMachine」(わかりやすい名前ならなんでも可)
- アクセス権:バックアップ用ユーザーに「読み取り/書き込み」を付与
- (推奨)容量クォータを設定:例えばMacのストレージが500GBなら750GB〜1TBを上限に設定
② SMBでTime Machineサポートを有効にする
- コントロールパネル →「ファイルサービス」→「SMB」タブ
- 「SMBサービスを有効にする」をオン
- 「詳細設定」→「Time Machine」タブ
- 先ほど作成した「TimeMachine」フォルダにチェックを入れる
- 「適用」をクリック
DSM 7.0以降はSMBプロトコルでTime Machineをサポートしています。古いDSMではAFP(Apple Filing Protocol)が必要でしたが、現在はSMBが推奨です。
設定手順(Mac側)
- Finderを開く →「移動」→「サーバへ接続」
smb://NASのIPアドレス(例:smb://192.168.1.100)を入力して「接続」- NASのユーザー名・パスワードでログイン
- 「TimeMachine」フォルダをマウント
- 「システム設定」→「一般」→「Time Machine」
- 「バックアップディスクを追加…」→ NASの「TimeMachine」フォルダを選択
- NASのパスワードを入力して「ディスクを使用」
設定が完了すると、最初のバックアップが自動的に開始されます。初回バックアップはMacのデータ量によって数時間〜半日かかることがあります。
バックアップ容量の目安
| Macのストレージ容量 | 推奨バックアップ容量(クォータ) |
|---|---|
| 256GB | 400GB〜500GB |
| 512GB | 750GB〜1TB |
| 1TB | 1.5TB〜2TB |
| 2TB | 3TB〜4TB |
Time Machineは過去のスナップショットを保持するため、Macの実際の使用量より多めの容量を確保しましょう。クォータを設定しておけば、Time Machine用フォルダがNAS全体を圧迫する心配がなくなります。
こんな人におすすめ
- Macbook Air / Proをメイン機として使っていて、自動バックアップを取りたい人
- 家族で複数のMacを使っていて、一括バックアップしたい人
- すでにSynology NASを持っていて、活用の幅を広げたい人
FAQ(よくある質問)
Q1. Wi-Fi経由でTime Machineバックアップは遅い?
Wi-Fi 5(802.11ac)以上であれば実用的な速度が出ます。ただし初回バックアップはデータ量が多いため、できれば有線LAN接続で行うことを推奨します。2回目以降の差分バックアップはWi-Fiで問題ありません。
Q2. Macが2台ある場合は?
同じ共有フォルダを2台から指定するか、Mac別に別フォルダを作成してそれぞれクォータを設定するかのどちらかです。自動的に別スパースバンドルファイルとして保存されるため、1つのフォルダを共有しても問題ありません。
Q3. NASの電源を切るとTime Machineバックアップは止まる?
はい、NASがオフラインの間はバックアップできません。NASが再度オンラインになると次のバックアップタイミングで自動的に再開します。
Q4. Time Machineのバックアップからファイルを復元するには?
Finderで「TimeMachine」フォルダをマウントした状態で、Time Machineアプリを起動。タイムラインから復元したい時点を選んでファイルを選択し、「復元」ボタンを押します。
Q5. QNAPのNASでもTime Machineは使える?
使えます。QNAPのQTSにも「AFP/SMB」でTime Machineサポートがあります。設定画面の名称は異なりますが、手順はSynologyとほぼ同じです。
macOSバージョンによる挙動の違い
Time MachineをNASで運用する場合、macOSのバージョンによって対応プロトコルや初回バックアップ時の挙動が変わります。お使いのmacOSバージョンを確認しておくと、トラブル時の切り分けがスムーズです。
| macOSバージョン | 対応プロトコル | 備考 |
|---|---|---|
| macOS Big Sur (11)以降 | SMB推奨 | AFPは段階的に廃止 |
| macOS Monterey (12) | SMB | SMBが標準 |
| macOS Ventura (13) | SMB | SMB 3.x推奨 |
| macOS Sonoma (14) | SMB | SMB暗号化対応強化 |
| macOS Sequoia (15)以降 | SMB | SMB完全移行 |
AFPとSMB、どちらを選ぶべき?
かつてMacのファイル共有といえばAFP(Apple Filing Protocol)が定番でしたが、Apple自身がAFPを段階的に廃止しており、現在はSMBが標準プロトコルです。最新のmacOSとNASを使う場合は、迷わずSMB一択と考えて問題ありません。
- SMBのメリット:Apple公式推奨、暗号化対応、Windowsとも共通、最新NAS OSで最適化されている
- AFPのメリット:旧Macとの互換性、リソースフォークの完全保持(ただし最新環境では不要)
古いNASでSMBが正常に動かない場合のみ、AFPを併用検討する程度でよいでしょう。SynologyやQNAPの最新OSは、Time Machine向けのSMB対応を公式機能として明記しています。
Time Machineの容量制限を設定するメリット
Time MachineをNASで運用するときは、必ず「容量制限」を設定するのが鉄則です。制限なしのままだと、NASの空き容量を使い切るまでバックアップが膨張し続け、他のデータ領域を圧迫します。
一般的な目安は「Macの内蔵ストレージ容量の1.5〜2倍」です。たとえばMacのSSDが512GBなら、Time Machine用に1TB前後を割り当てるイメージです。Synology DSMやQNAP QTSのコントロールパネルから、Time Machine専用ユーザーごとに容量上限を設定できます。
- NAS管理画面でTime Machine専用のユーザーを作成
- そのユーザーのストレージクォータ(容量上限)を設定
- Time Machine共有フォルダへのアクセス権を割り当て
- Mac側でそのユーザーで認証してバックアップ開始
こうすることで、家族で1台のNASを共有していても、各自のTime Machine領域が独立して管理できます。
復元(リストア)の手順
Time Machineで取ったバックアップは、ファイル単位の復元から、Mac全体のフル復元まで対応しています。NAS上のバックアップから復元する一般的な手順は以下のとおりです。
①ファイル単位で復元する場合
- メニューバーのTime Machineアイコンから「Time Machineに入る」を選択
- 過去のバックアップ画面に切り替わるので、復元したい日時のスナップショットを選ぶ
- 復元したいファイル・フォルダを選択して「復元」ボタンをクリック
②Mac全体をフル復元する場合(システム入れ替え時など)
- 新しいMac(または初期化したMac)を起動し、初回セットアップウィザードに進む
- 「Macを移行する」または「移行アシスタント」を選択
- 移行元として「Time Machineバックアップから」を選び、NAS上のバックアップを指定
- NASにログインして該当ユーザーのバックアップを選択
- 復元するデータの種類(アプリ・ユーザーアカウント・設定)を選んで実行
NAS経由のフル復元は、データ量によっては数時間〜半日以上かかる場合があります。可能であれば有線LAN接続で実行すると、Wi-Fi経由よりも大幅に高速化できます。
トラブルシューティング
バックアップが完了しない・遅すぎる
初回バックアップは大量のデータをコピーするため、有線LAN接続でも数時間〜1日以上かかることがあります。Wi-Fi接続では数日かかるケースもあるため、初回のみ有線LANで実施することを強くおすすめします。2回目以降は差分バックアップになるため、所要時間は大幅に短縮されます。
「バックアップディスクが見つかりません」エラー
NASのIPアドレスが変わった、ネットワーク接続が切れている、共有フォルダのアクセス権が変更されたなどが考えられます。Mac側でTime Machine設定からバックアップディスクを再選択することで解決するケースが多いです。
「バックアップを検証できません」と表示される
バックアップイメージに何らかの不整合が発生した場合に表示される警告です。一度Time Machineをオフにし、新しいバックアップを開始することで解決する場合が多くあります。古いバックアップは念のため別の場所に退避してから削除しましょう。
Time Machine運用のよくある質問(FAQ)
Q. NASだけにバックアップしておけば安心?
A. NASは便利ですが、火災・盗難・落雷などでNAS本体が失われるリスクもあります。可能であれば、NASでのTime Machineに加えて、外付けSSDなど物理的に別の場所にも定期的にバックアップを取る「3-2-1ルール」(3つのコピー、2種類の媒体、1つは別の場所に)の考え方が安心です。
Q. 複数のMacを1台のNASにバックアップできる?
A. 可能です。NAS側でMacごとにユーザーを分け、それぞれに容量クォータを設定することで、家族で1台のNASを共有できます。ご家族で複数台のMacをお使いの場合に特に便利な構成です。
Q. NASを買い替えたとき、過去のバックアップは引き継げる?
A. Time Machineのスパースバンドルファイルを新しいNASにコピーすれば、原則としてそのまま使い続けられます。ただし環境によっては再設定が必要な場合もあるため、過去バックアップを残したまま新しいバックアップ先を追加する方法が安全です。
Q. バックアップ頻度は変更できる?
A. 標準のTime Machineは1時間ごとに自動バックアップしますが、サードパーティのユーティリティ(TimeMachineEditorなど)を使えば、1日1回・特定時間帯のみなどに変更可能です。NASの稼働時間に合わせて調整したい場合に便利です。
Q. バックアップの暗号化は必要?
A. 大切な個人データを含むバックアップは暗号化を推奨します。Time Machineの設定で「バックアップを暗号化」にチェックを入れると、強力なAES暗号化で保護されます。NAS側でもSMB暗号化を有効化することで、ネットワーク経由の通信も保護できます。
まとめ:NAS×Time Machineで「自動・大容量・複数台対応」のバックアップ環境
外付けHDDでのTime Machineと比べ、NASによるバックアップは「自動・大容量・複数台対応・遠隔配置可能」と多くのメリットがあります。SMBプロトコルでmacOS最新版にも公式対応しており、家族全員のMacを1台のNASでまとめて守ることができます。バックアップは大切な「保険」です。NAS導入を機に、ぜひTime Machineの設定も見直してみてください。
