3.NAS活用ガイド

NASのフォルダ共有設定方法【Synology・QNAP対応】

yamakashi

最終更新日:2026年4月16日 カテゴリ:NAS活用ガイド

NASのフォルダ共有設定方法【Synology・QNAP対応】Windows・Macから接続する手順

「NASを買ったけど、どうやってパソコンから使うの?」と困っていませんか? NASはフォルダ共有(SMB)の設定さえすれば、Windows・Mac・スマホからまるで外付けドライブのように使えるようになります。

この記事の結論:NASのフォルダ共有はコントロールパネルで「共有フォルダを作成」→「SMBを有効化」→「PCからIPアドレスで接続」の3ステップで完了します。 SynologyとQNAPの両方を画面ごとに解説するので、初心者の方でも迷わず設定できます。


目次


1. NASのフォルダ共有とSMBの仕組み

NASを購入しただけでは、パソコンやスマホから直接アクセスすることができません。NASのストレージにアクセスするには、「共有フォルダ」を作成して、そのフォルダをネットワーク越しに公開する設定が必要です。

SMBとは?

SMB(Server Message Block)は、ネットワーク上でファイルやフォルダを共有するための通信プロトコル(取り決め)です。Windowsが標準で採用しており、MacやLinux・NASでも広くサポートされています。

SMBを使うことで、NAS上のフォルダが「ネットワークドライブ」としてパソコンに表示され、ローカルのフォルダと同じ感覚で使えるようになります。最近はSMB3が主流で、データの暗号化や転送速度の向上が図られています。

プロトコル主な用途対応OS
SMB(Samba)Windowsファイル共有、NAS接続Windows・Mac・Linux
AFPMacファイル共有(旧来)Mac(現在はSMB推奨)
NFSUnix/Linux間のファイル共有Linux・Mac
FTP/SFTPファイル転送(外部アクセス向け)全OS(専用クライアント必要)

家庭やSOHO環境でNASを使う場合、ほとんどのケースでSMBを使えばOKです。本記事でもSMBによる接続を中心に解説します。


2. 共有フォルダ設定の全体フロー

NASのフォルダ共有設定は、大きく分けて以下の流れで進みます。機種(SynologyかQNAPか)が違っても基本の流れは同じです。

ステップ作業内容設定場所
① NASのIPアドレスを確認ルーターやNASの管理画面でIPを調べるルーター管理画面 / NAS管理画面
② 共有フォルダを作成NASの管理画面で共有フォルダを作るNAS管理画面(DSM / QTS)
③ アクセス権限を設定どのユーザーがアクセスできるか決めるNAS管理画面
④ SMBを有効化SMBファイルサービスがオンになっているか確認NAS管理画面(ファイルサービス設定)
⑤ PCやスマホから接続エクスプローラー / Finder / アプリで接続Windows / Mac / スマホ

【画像:共有フォルダ設定の全体フロー図(NAS → PC → スマホの矢印つきフロー)】


3. Synology DSMでの共有フォルダ設定手順

SynologyのNASはDSM(DiskStation Manager)という管理画面を使います。ここではDSM 7系の手順を解説します。

3-1. 共有フォルダの作成

まずはNAS上に共有フォルダを作成します。

  1. ブラウザでDSM管理画面(http://NASのIPアドレス:5000)にアクセスし、管理者アカウントでログインします。
  2. デスクトップ画面(またはメインメニュー)から「コントロールパネル」を開きます。
  3. 共有フォルダ」をクリックします。
  4. 作成」→「共有フォルダを作成」をクリックします。
  5. 共有フォルダ名(例:documents)を入力し、保存先ボリュームを選択して「次へ」をクリックします。
  6. 暗号化が必要な場合は「フォルダを暗号化する」にチェックを入れます(家庭用では任意)。
  7. 設定内容を確認して「適用」をクリックします。

【画像:DSMの「共有フォルダの作成」ダイアログ画面】

3-2. アクセス権限の設定

共有フォルダを作成すると、アクセス権限の設定画面が自動的に表示されます。ここでユーザーごとのアクセス権(読み書き・読み取りのみ・アクセス拒否)を設定します。

  1. 共有フォルダ一覧から対象フォルダを選び、「編集」をクリックします。
  2. 権限」タブを開きます。
  3. ユーザーまたはグループの一覧が表示されるので、各ユーザーに対して権限を選択します。
    • 読み書き:ファイルの閲覧・作成・編集・削除が可能
    • 読み取りのみ:ファイルの閲覧のみ可能
    • アクセス拒否:アクセス不可
  4. 設定が完了したら「保存」をクリックします。

【画像:DSMの共有フォルダ権限設定画面(ユーザーごとに読み書き・読み取り・拒否を選択)】

ポイント:家庭内だけで使う場合は、管理者アカウントに「読み書き」権限を与えれば十分です。複数人が使う場合はユーザーを作成して個別に設定しましょう。

3-3. SMBの有効化確認

SMBが無効になっているとPCから接続できません。必ず確認しておきましょう。

  1. コントロールパネルを開き、「ファイルサービス」をクリックします。
  2. SMB」タブを開きます。
  3. SMBサービスを有効にする」にチェックが入っていることを確認します。チェックがない場合は入れて「適用」をクリックします。
  4. 同画面の下部に表示される「コンピューター名」(例:\\DISKSTATION)をメモしておくと接続時に便利です。

【画像:DSMのファイルサービス→SMBタブ(「SMBサービスを有効にする」チェックボックスが見える画面)】


4. QNAP QTSでの共有フォルダ設定手順

QNAPのNASはQTS(QNAPオペレーティングシステム)を使います。最新のQTS 5系での手順を解説します。

4-1. 共有フォルダの作成

  1. ブラウザでQTS管理画面(http://NASのIPアドレス:8080)にアクセスし、管理者アカウントでログインします。
  2. コントロールパネル」→「権限設定」→「共有フォルダ」を開きます。
  3. 作成」ボタンをクリックします。
  4. 以下の項目を入力・選択します。
    • フォルダ名:任意の名前(例:family
    • ディスクボリューム:保存先のボリュームを選択
    • コメント:任意(説明を記入)
  5. 作成」をクリックして完了です。

【画像:QTSの「共有フォルダ作成」ダイアログ画面】

4-2. アクセス権限の設定

  1. 共有フォルダ一覧から対象フォルダを選択し、「アクセス権限の編集」をクリックします。
  2. ローカルユーザーまたはグループの一覧が表示されます。各ユーザーに対して以下から権限を選びます。
    • 読み書き(RW):フルアクセス
    • 読み取りのみ(RO):閲覧のみ
    • 拒否(Deny):アクセス不可
  3. 設定が完了したら「OK」をクリックします。

4-3. SMB/Windowsファイルサービスの確認

  1. コントロールパネル」→「ネットワークサービス」→「Win/Mac/NFS/WebDAV」を開きます。
  2. Windows」タブを選択します。
  3. Microsoftネットワークファイルとフォルダの共有を有効にする」にチェックが入っていることを確認します。
  4. チェックがない場合はオンにして「適用」をクリックします。

【画像:QTSの「Win/Mac/NFS」設定画面(Microsoftネットワーク共有の有効化チェックボックス)】


5. Windowsからの接続方法(エクスプローラーでネットワークドライブ設定)

Windowsからの接続には、エクスプローラーを使った「ネットワークドライブのマウント」が最も便利です。一度設定すると、次回以降は自動的にNASのフォルダが表示されます。

方法1:アドレスバーから直接アクセス

  1. エクスプローラーを開きます(Windowsキー + E)。
  2. アドレスバーに \\NASのIPアドレス(例:\\192.168.1.100)と入力してEnterキーを押します。
  3. ユーザー名とパスワードの入力画面が出たら、NASの管理者アカウントを入力します。
  4. 共有フォルダの一覧が表示されたら接続成功です。

【画像:Windowsエクスプローラーのアドレスバーに\\IPアドレスを入力している画面】

方法2:ネットワークドライブとしてマウント(推奨)

毎回アドレスを入力しなくて済むよう、ドライブレターを割り当てる方法です。

  1. エクスプローラーを開き、左側のツリーで「PC」を右クリックします。
  2. ネットワークドライブの割り当て」をクリックします。
  3. ドライブ」欄でドライブレター(例:Z:)を選択します。
  4. フォルダー」欄に \\NASのIPアドレス\共有フォルダ名(例:\\192.168.1.100\documents)を入力します。
  5. サインイン時に再接続する」にチェックを入れると、PC起動時に自動接続されます。
  6. 別の資格情報を使用して接続する」にチェックを入れて「完了」をクリックします。
  7. NASのユーザー名とパスワードを入力して「OK」をクリックします。

【画像:Windowsの「ネットワークドライブの割り当て」ダイアログ画面】

設定完了後、エクスプローラーの「PC」に割り当てたドライブ(例:「documents (Z:)」)が表示されます。これをダブルクリックするだけでNASのフォルダにアクセスできます。


6. Macからの接続方法(Finderの「サーバーに接続」手順)

MacはFinderの「サーバーに接続」機能でNASに接続できます。SMBを使った接続方法を解説します。

Finderからの接続手順

  1. Finderのメニューバーから「移動」→「サーバーへ接続」をクリックします(またはショートカット ⌘ + K)。
  2. 「サーバーアドレス」欄に smb://NASのIPアドレス(例:smb://192.168.1.100)と入力します。
  3. 接続」ボタンをクリックします。
  4. 「登録ユーザー」を選択し、NASのユーザー名とパスワードを入力します。「パスワードを登録」にチェックを入れると、次回以降の入力が不要になります。
  5. マウントしたい共有フォルダを選択して「OK」をクリックします。
  6. FinderのサイドバーとデスクトップにNASのフォルダが表示されれば完了です。

【画像:Macの「サーバーへ接続」ダイアログ(smb://のアドレス入力欄)】

Mac再起動時に自動接続させるには

  1. システム設定」→「一般」→「ログイン項目と機能拡張」を開きます。
  2. 「ログイン時に開く」の「+」ボタンをクリックします。
  3. サイドバーに表示されているNASのドライブを選択して「追加」をクリックします。

【画像:Mac「システム設定」のログイン項目にNASが追加されている画面】


7. スマホ(iPhone・Android)からの接続方法

スマホからNASに接続する方法は2通りあります。①メーカー公式アプリを使う方法、②スマホのOS標準機能やサードパーティアプリを使う方法です。

iPhoneからの接続

方法1:iOS「ファイル」アプリ(iOS 13以降・SMB対応)

  1. iPhoneの「ファイル」アプリを開きます。
  2. 画面右上の「(その他)」→「サーバーに接続」をタップします。
  3. サーバーアドレスに smb://NASのIPアドレス(例:smb://192.168.1.100)を入力します。
  4. 接続」をタップし、ユーザー名とパスワードを入力します。
  5. 共有フォルダが一覧表示されたら接続成功です。

【画像:iPhoneの「ファイル」アプリ「サーバーに接続」画面】

方法2:サードパーティアプリ(Owlfiles / DS file)

アプリ名対応NAS特徴価格
DS file(Synology公式)Synology専用Synologyとの連携が最も安定。写真・動画の閲覧も快適無料
Qfile(QNAP公式)QNAP専用QNAPとの連携が最も安定。QuickConnectでリモートアクセスも可能無料
Owlfiles全NAS(SMB対応)SMB・FTP・WebDAV等に対応する汎用ファイルマネージャー無料(Pro版あり)

Androidからの接続

方法1:「ファイル」アプリ(機種依存あり)

AndroidはメーカーによってプリインストールされているファイルアプリがSMBに対応している場合があります(Samsung・Xiaomiなど)。「ネットワーク」または「ネットワークストレージ」の項目からNASのIPアドレスを入力して接続できます。

方法2:サードパーティアプリ(ES ファイルエクスプローラー / Solid Explorer)

アプリ名特徴価格
Solid ExplorerSMB2/3対応、動作が安定している人気のファイルマネージャー有料(約550円)
FX File ExplorerSMBに対応した無料ファイルマネージャー。広告なし版も有り無料(Plus版あり)
Qfile(QNAP公式)QNAP NAS専用のAndroidアプリ無料

8. よくあるトラブルと対処法

トラブル1:NASのIPアドレスがわからない

対処法:ルーターの管理画面(通常は192.168.1.1または192.168.0.1)にアクセスし、接続デバイス一覧からNASのIPアドレスを確認します。SynologyはSynology Assistant、QNAPはQfinder ProというPCアプリでも自動検索できます。

トラブル2:エクスプローラーにNASが表示されない

対処法:以下の点を確認してください。

  • NASとPCが同じWi-Fiネットワーク(同一サブネット)に接続されているか
  • WindowsのSMBクライアントが有効か(「コントロールパネル」→「プログラムと機能」→「Windowsの機能の有効化または無効化」→「SMB 1.0/CIFSクライアント」のチェックを確認)
  • NAS側のSMBサービスが有効になっているか
  • Windowsファイアウォールがブロックしていないか

トラブル3:ユーザー名・パスワードが通らない

対処法:NASのユーザーアカウント(DSMまたはQTSで作成したもの)を使ってください。Windowsのアカウントとは別のパスワードが設定されている場合があります。また、NASのアカウントがその共有フォルダへのアクセス権を持っているか確認してください。

トラブル4:転送速度が遅い

対処法:Wi-Fi接続の場合は有線LAN(LANケーブル)に切り替えると劇的に速くなることがあります。また、SMBバージョンを最新(SMB3)に設定することも有効です。DSMの場合はファイルサービス→SMBの設定で最小SMBプロトコルを確認できます。

トラブル5:Macから接続できない

対処法:アドレスの先頭が smb:// になっているか確認してください(\\はMac非対応)。また、macOS Venturaより前のバージョンではSMB1への接続は無効化されているため、NAS側がSMB2以上を有効にしている必要があります。


9. FAQ

Q1. SMBとNFSはどちらを使えばいいですか?

A. 家庭やSOHO環境でWindows・Mac・スマホからアクセスするならSMBで十分です。NFSはLinuxサーバー間でのファイル共有に適しており、設定も複雑です。まずSMBを使ってみましょう。

Q2. 共有フォルダはいくつでも作れますか?

A. はい、NASのストレージ容量が許す限り複数の共有フォルダを作成できます。「家族全員用」「仕事用」「バックアップ用」など用途別にフォルダを分けて、アクセス権限をユーザーごとに設定することをおすすめします。

Q3. 外出先からもNASに接続できますか?

A. 可能です。SynologyはQuickConnect、QNAPはmyQNAPcloudというクラウド経由でのリモートアクセス機能を提供しています。ただし、自宅のWi-Fi外からのSMB直接接続はセキュリティリスクがあるため、VPNやメーカー公式のリモートアクセス機能を使うことをおすすめします。

Q4. NASのIPアドレスが変わると接続できなくなりますか?

A. そのとおりです。IPアドレスが変わると、エクスプローラーやFinderに設定した接続先も変更が必要になります。これを防ぐには、ルーターの設定でNASに固定IPアドレス(MACアドレス固定)を割り当てるか、NAS側で静的IPを設定するのがおすすめです。

Q5. NASのユーザーとWindowsのユーザーは別々に管理するのですか?

A. はい、NASのユーザーアカウント(DSMやQTSで作成)とWindowsのアカウントは別物です。NASに接続するときは、NASで設定したユーザー名・パスワードを使ってください。会社のActive Directory環境では統合管理も可能ですが、家庭用途では別管理が一般的です。


10. まとめ

NASのフォルダ共有設定は、慣れてしまえば10〜15分程度で完了します。最後に手順をおさらいしましょう。

機器・OS設定のポイント
Synology DSMコントロールパネル → 共有フォルダ作成 → 権限設定 → SMBを有効化
QNAP QTSコントロールパネル → 共有フォルダ作成 → 権限設定 → Win共有を有効化
Windowsエクスプローラーで \\IPアドレス → ネットワークドライブに割り当て
MacFinder → 移動 → サーバーへ接続(smb://IPアドレス)
iPhoneファイルアプリ → サーバーに接続 / DS file / Owlfiles
AndroidSolid Explorer / FX File Explorer / Qfile

設定でつまずいた場合は、まず「NASとPCが同じネットワークにいるか」「SMBが有効か」「ユーザー権限があるか」の3点を確認してみてください。それでも解決しない場合は下記の関連記事も参考にしてみましょう。


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絶対保存領域の継承者
自宅やオフィスでのNAS活用をもっと身近に、わかりやすく伝えることを目指して「ありがとNAS」を運営しています。IT企業でサーバー・ストレージの導入や運用を経験し、現在は趣味と実務を活かして記事を執筆。初心者でも安心してNASを使いこなせるよう、最新機種レビューからトラブル解決まで実際に検証した情報を発信しています。
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