本記事のおすすめ・ランキング・比較は、広告報酬の多寡ではなく、公表スペック・技術的根拠にもとづいて選定・評価しています。

結論:NASにSSDは用途しだい。写真・動画の保管ならHDD RAID 1で足ります

  • 意味がない場面:写真・動画の保管とバックアップが主目的なら、1GbEのLANで約112MB/sが上限になり、SSDの速度は出口で頭打ちです。容量単価はHDDの4倍以上(約8.1円 対 約35円/GB)です。
  • 意味がある場面:駆動音をなくしたい・小さなファイルへの同時アクセスが多い・容量が2TB以下で収まるのどれかに当てはまるならSSDが候補です。ランダムIOPSの差(HDD 約100〜300 対 NVMe SSD 約60万〜100万)が待ち時間に出ます。
  • 2026年9月時点の現実解:キャッシュ用SSD(WD Red SN700 500GB・35,047円)がNAS用HDD 4TB 1本(32,500円)より高い状態です。土台はHDD RAID 1(4TB×2で約65,000円)にし、速度不足は先にネットワーク側を疑ってください。

本記事は「速度・耐久性のスペック比較」と、そこからHDDとSSDのどちらを選ぶかを決める手順(→ 第10章「3つの質問で決める」)をまとめています。2026年のSSD価格高騰・在庫とキャッシュの是非はNAS用SSDの選び方、おすすめHDDはNAS用HDDのおすすめへ。価格と在庫は2026年8月31日〜9月10日に確認した値です(Synology SNV3410のみ7月25日。各表に確認日を記載)。

1. NASにSSDは意味ない?HDDとの本質的な違い

写真・動画の保管とバックアップが主目的なら、SSDにする意味は小さくなります。1GbEのLANでは約112MB/sが上限になり、SSDの速度は出口で頭打ちになるうえ、容量単価は下の表のとおりHDDの4倍以上だからです。

意味があるのは、駆動音をなくしたい・小さなファイルへの同時アクセスが多い・必要な容量が2TB以下で収まる、のどれかに当てはまる場合です(ドライブが0dBでも、NAS本体のファン音は残ります)。写真の一覧生成やデータベースのようにIOPSが効く処理は、下の表のランダム性能の差がそのまま待ち時間に出ます。

項目HDD(CMR)SATA SSDNVMe SSD
シーケンシャルRead180-240MB/s550MB/s3,500-7,400MB/s
シーケンシャルWrite180-240MB/s520MB/s2,500-6,900MB/s
4K ランダム Read IOPS約100〜300
(目安)
約90,000約600,000-1,000,000
4K ランダム Write IOPS約150約85,000約500,000-1,000,000
アクセス遅延約5ms約0.1ms約0.02ms
容量あたり単価(2026年8月31日〜9月1日確認)約8.1円/GB
(4TB 32,500円)
4TBクラスは在庫なし
(第4章)
約35円/GB
(990 PRO 1TB 34,980円)
消費電力5-10W2-3W4-7W
騒音20-30dB0dB0dB
最大容量24TB8TB8TB
寿命指標MTBF 100万時間TBW 1,000-2,400TBTBW 500-2,000TB

2. NASはHDDとSSDどっち?SSDのデメリット4つ

速度だけを見ればSSDが圧倒的です。それでも家庭用NASの土台にHDDを勧めるのは、速度以外の4点でSSDが不利になるためです。

  1. 容量単価が高い:GB単価はHDD(WD Red Plus 4TB)が約8.1円、NVMe SSD(Samsung 990 PRO 1TB)が約35円です(第1章の表)。同じ金額で手に入る容量は4倍以上違います。
  2. 書き込み寿命(TBW)がある:SSDには書き込める総量の上限があります。NASは24時間稼働のぶん書き込みが積み重なり、監視カメラの録画のような連続書き込みでは消費がさらに早く進みます。TBWの目安は、NAS向け設計のWD Red SN700が500GBで1,000TB、PC向けのSamsung 990 PROが1TBで600TB(第4章の表)。PC用SSDをメインボリュームに流用すると、想定より早く上限へ近づきます。
  3. 故障したときの復旧が難しい:HDDは物理障害でも専門業者による復旧を試せる余地があります(成功が保証されるものではなく、費用も高額です)。一方SSDは、データがウェアレベリングで複数のNANDに分散配置されるため、コントローラが壊れると外部から救い出す手段が限られます。どちらを選んでも、RAIDは故障対策であってバックアップの代わりにはなりません。
  4. 大容量モデルが少なく、在庫も薄い:最大容量はHDD 24TBに対してSSDは8TB(第1章)。さらに2026年9月1日にツクモ公式通販で確認した「2.5インチSATA 4TB」は、掲載21製品のうち在庫ありが1製品だけでした(第4章)。8TBを超える容量を1台に積むならHDDしか選べません。

どちらにするかは、第10章「3つの質問で決める」に上から順に答えて決めてください。

3. 主要NAS用HDD ベンチマーク(2026年版)

比較の前提:本記事の数値は Synology DS925+(AMD Ryzen V1500B・2.5GbE)クラスでの利用を想定し、各メーカーの公表スペックと各所レビューの傾向を基準に整理した目安値です(当サイトがCrystalDiskMark等で実測した値ではありません。当サイトの実測は第5章シナリオBの「HDD + 2.5GbE」の行だけです)。
※各メーカー公表値に近い数値です。実環境では±10%程度の差が出る場合があります。HDD価格はRed Plus 8TB・IronWolf 8TBが2026年9月10日、N300 4TB・HAT3300 4TBが9月1日、Red Plus 4TB・IronWolf 4TBが8月31日、SSDの価格・在庫は9月1日の確認です。
モデル容量回転数Seq ReadSeq WriteRnd 4K Read価格GB単価
WD Red Plus WD40EFZZ4TB5,400rpm約180MB/s—約0.8MB/s32,500円8.13円
WD Red Plus WD80EFPX8TB5,640rpm約215MB/s—約1.2MB/s50,800円6.35円
Seagate IronWolf ST4000VN0064TB5,400rpm約202MB/s約195MB/s約0.8MB/s32,000円8.00円
Toshiba N300 4TB(箱入りN300A04)4TB7,200rpm約228MB/s約220MB/s約1.1MB/s40,000円10.00円
Synology HAT3300-4T4TB5,400rpm約202MB/s約195MB/s約0.8MB/s43,136円10.78円
WD Red Pro WD4005FFBX4TB7,200rpm約267MB/s—約1.3MB/s未確認—

WD Red Plusの4TBは、定番だったWD40EFPX(キャッシュ256MB)が価格.com掲載0店=当サイトが確認した範囲で在庫が見つからず、いま買えるのは同シリーズのWD40EFZZ(キャッシュ128MB・CMR)です。WD40EFZZ/WD80EFPXとWD Red Pro WD4005FFBXの書き込み欄は、公表値の裏づけを確認できていないため「—」としています。読み出しはWD Red Plus データシート(2025年9月版・PDF)の内部転送レート(4TB最大180MB/s・8TB最大215MB/s)と、WD Red Pro データシート(2025年1月版・PDF)のWD4005FFBX列(最大267MB/s・公表音響はアイドル29dBA/シーク36dBA)の公表値です。WD4005FFBXの価格は在庫のある販売店の実売を確認できず「未確認」。東芝N300 4TBは、安かったバルク流通品HDWG740UZSVCが在庫切れになり、中身が同じ箱入り版N300A04-HDWG740UZSVC(40,000〜44,800円・8店)へ価格の基準を移しました(4TBは型番でキャッシュが変わり、HDWG440=256MB/HDWG740=512MB)。記事内の価格の確認日は、最も古いもので2026年8月31日です。

IronWolf 8TBは、先代の7200rpmモデル「ST8000VN004」が国内で実質終売となり、現行の流通品は5400rpm・キャッシュ256MB・CMR・保証3年の後継「ST8000VN002」です(価格.com製品仕様)。ST8000VN002の転送速度は公表スペック・実測とも確認できていないため、先代の目安値を流用せず、上の速度表には載せていません(価格は52,880円・GB単価は約6.61円)。

💡 HDDランキング
・速度上位:WD Red Pro 4TB(WD公表の内部転送レート最大267MB/s・7200rpm。ただし公表音響はアイドル29dBA・シーク36dBAで、5400rpmのRed Plus〔24dB/27dB〕より明確に大きい)
・GB単価(8TB帯):WD Red Plus 8TBが約6.35円で、IronWolf 8TB ST8000VN002の約6.61円より安い(いずれも2026年9月10日確認・差は0.26円/GB)
・静音:4TBクラスは公表値でほぼ横並び(WD Red Plus WD40EFZZ=アイドル24dB・シーク27dB/IronWolf ST4000VN006=23dB・27dB)。静音性で型番を選ぶ意味は小さい
・8TB家庭推奨:WD Red Plus 8TB(215MB/s・長期安定性)

4. 主要NAS用SSD ベンチマーク(2026年版)

⚠ 2026年のSSD価格・在庫は例外的な状況です

NANDフラッシュの高騰で、下表のSSDは価格が大きく上昇し、在庫切れの製品も出ています。スペック(速度・TBW)は各社公表値ですが、価格・在庫はWD Red SN700・Samsung 990 PROとも2026年9月1日、Synology SNV3410が2026年7月25日時点の確認結果に置き換えました。裏取りできなかったものは数値を書かず「未確認」としています。事情と対処法はNAS用SSDの選び方で詳しく解説しています。

SATA SSD(2.5インチ)は「買えるかどうか」の段階

スペック自体は健在です(4TBクラスで Seq Read 約560MB/s・Write 約510〜530MB/s・ランダム4K 約95,000〜98,000 IOPS・TBW 1,000〜2,400TB)。ただし2026年9月1日にツクモ公式通販で確認したところ、「2.5インチSATA 4TB」の掲載21製品のうち在庫ありは1製品だけで、Crucial MX500・BX500、Samsung 870 QVO・870 EVO、WD Blue SA510・WD Red SA500はいずれも在庫なしでした。定番だったCrucial MX500は、Micronがコンシューマ向けCrucialブランドからの撤退を発表し、2026年2月で出荷を終了しています(Tom's Hardware)。実勢価格と呼べる水準を確認できないため、本記事ではSATA SSDの価格・GB単価を出していません(在庫切れ品の表示価格で単価を比べても、読者が買えない金額の比較になるためです)。

NVMe M.2 SSD(キャッシュ・ストレージ用)

モデル容量Seq ReadSeq WriteRnd 4K IOPSTBW価格・在庫(確認日)
WD Red SN700250GB3,100MB/s1,600MB/s—500TB掲載1店のみ・実勢を確認できず(9/1)
WD Red SN700500GB3,430MB/s2,600MB/s420,0001,000TB35,047円・実質1店(9/1)
WD Red SN7001TB3,430MB/s3,000MB/s515,0002,000TB実勢を確認できず(9/1・マケプレ出品のみ)
Synology SNV3410800GB3,100MB/s1,000MB/s400,0001,022TB未確認(400GBモデルは88,800〜90,101円・7/25)
Samsung 990 PRO1TB7,450MB/s6,900MB/s1,200,000600TB34,980円・7店同値(9/1)
Samsung 990 PRO2TB7,450MB/s6,900MB/s1,400,0001,200TB未確認

本表の「Rnd 4K IOPS」はいずれもランダムReadの公称値です。たとえばSynology SNV3410 800GBは公式データシートでランダムRead 400,000 IOPS/ランダムWrite 70,000 IOPSと公表されており、上表にはRead側の400,000を記載しています。書込中心の用途ではWrite側の値も併せて確認してください。

⚠ NAS内のNVMe速度はNAS側のPCIe世代・CPU性能で頭打ち
Samsung 990 PROは単体で7,450MB/s出ますが、Synology DS425+(PCIe 3.0)では約3,500MB/sで頭打ち。UGREEN NASync DXP4800 Plus(PCIe 3.0)も同様。NAS側の仕様確認が重要です。
⚠ キャッシュSSDは在庫が細い状態です(9月1日確認)
NAS向けに高TBW設計されたWD Red SN700は長らく定番ですが、500GBは実質1店で35,047円、1TBと250GBはマーケットプレイス出品しか掲載がなく実勢価格を確認できていません。買える500GBでも、キャッシュ1枚がNAS用HDD 4TB 1本(32,500円)より高い状況です。サムネイルの待ち時間対策なら、まず2.5GbE化などネットワーク側の見直しを先に試すほうが費用対効果は高くなります(判断材料はNAS用SSDの選び方)。

▼参考掲載:本文で触れたWD Red SN700(キャッシュ用SSD)です。250GBは掲載1店・500GBも実質1店と在庫が不安定なため、相場が落ち着いてからの候補としてご覧ください(2026年9月1日確認)。

5. 実用シナリオ別の速度の傾向(公称スペックからの比較)

この章は各構成の公称スペックと処理の性質からの定性比較で、当サイトの独自測定ではありません(数値を出しているのはシナリオBの「容量 ÷ 実効速度」の計算だけです)。環境(CPU・LAN・データ量・アプリ)によって結果は大きく変わります。全SSD構成・SSDキャッシュ構成の在庫と価格は第4章のとおりで、ここでは速度の傾向の比較としてご覧ください。

シナリオA:写真のサムネイル生成・一覧表示

構成初回サムネイル生成の時間一覧スクロールの体感
HDD単体(WD Red Plus 4TB)△(4構成の中では最も長い)やや待ちが出やすい
HDD + NVMe SSDキャッシュ○(HDD単体より短くなる)待ちが減る
全SATA SSD(Samsung 870 EVO)○待ちが減る
全NVMe SSD(990 PRO)◎(4構成の中では最も短い)待ちを感じにくい

HDD単体 → SSDキャッシュ併用 → 全NVMeの順に速くなるのは、この処理が小さなファイルへのランダム読み込みの繰り返しで、シーケンシャル速度よりIOPSの差(第1章の表でHDD 約100〜300 対 SATA SSD 約9万・NVMe SSD 約60万〜100万)が効くためです。所要時間そのものは写真の枚数・画像サイズ・NAS側のCPU・使うアプリ(Synology Photos/Immich など)で大きく変わるため、当サイトは実測値を持っていません。デコードと索引づくりを伴う処理なので「容量 ÷ 転送速度」では見積もれません。

シナリオB:1GBファイルコピー(PC→NAS)

構成+LAN実効速度所要時間
HDD + 1GbE約112MB/s約9秒
HDD + 2.5GbE約140〜150MB/s
(当サイト実測)
約7秒
SATA SSD + 2.5GbE約296MB/s
(2.5GbEが上限)
約3秒
NVMe SSD + 10GbE約1,100MB/s約1秒

シナリオBの所要時間は「1GB ÷ 実効速度」で計算した概算です。実効速度は、LANのリンク速度からプロトコル分を除いた実効の目安(1GbE 約112MB/s・2.5GbE 約296MB/s〔iperf3実測相当〕・10GbE 約1,100MB/s)と、各ストレージの公称シーケンシャル速度のうち低いほうを上限として置いています。ただしHDD+2.5GbEの行だけは当サイトの実測値(書込139.7/読出148.5MB/s → 2.5GbE化の実測)を使い、1GB÷148.5MB/s≒6.7秒・1GB÷139.7MB/s≒7.2秒から約7秒としています。ほかの行は読者が同じ式で確かめられる範囲の値で、当サイトの実測ではありません。

シナリオC:Plex 4K動画ストリーミング

構成ダイレクトプレイ(変換なしの再生)ハードウェアトランスコード
HDD + DS223j (ARM)○(変換不要な形式なら再生できる)×(対応するiGPUを搭載せず、CPUによる変換のみ)
HDD + DS225+ (Celeron J4125)○×(Quick Sync内蔵だがDSM標準では効かない)※
HDD + DXP2800 (Intel N100)○◎(Quick Sync対応iGPUが有効)
HDD + SSDキャッシュ + DXP2800○◎(キャッシュを足しても変換能力は変わらない)

この表を分けているのはCPUの世代とハードウェアトランスコードの可否で、再生の本数ではありません。同時に何本さばけるかは動画のビットレート・解像度・クライアント側の対応コーデック・ネットワークで変わり、当サイトは実測値を持っていません。DXP2800は当サイトの保有機ですが、トランスコードを常用しての検証はしておらず、◎はIntel N100のQuick Sync対応にもとづく分類です。

※DS225+のトランスコード欄:CPU(Celeron J4125)自体はQuick Syncを内蔵しますが、2025年世代のSynologyはグラフィックドライバ対応が外されており、Plex・Jellyfin・EmbyでのハードウェアトランスコードがDSMの標準状態では効きません(DS425+も同じ事情、DS925+はAMD Ryzen V1500BでQuick Sync非搭載)。写真管理・ファイル共有・Docker・純正アプリには影響しません。ハードウェア変換が目的ならDXP2800(Intel N100)やQNAP TS-264が候補です(Plex・Jellyfin・Embyの比較)。

6. コストパフォーマンス分析

ストレージ種類容量単価MB/s単価IOPS単価寿命TBW単価
WD Red Plus 8TB6.35円/GB236円/MB/s約169円/IOPS(第1章の目安レンジの上限=約300 IOPSで計算)TBW制限なし(MTBF基準)
Samsung 990 PRO 1TB約35.0円/GB約4.7円/MB/s約0.03円/IOPS約58.3円/TBW

単価は「確認時点の価格 ÷ 公称スペック」で算出した参考値です(Red Plus 8TB=50,800円・2026年9月10日確認、990 PRO 1TB=34,980円・9月1日確認)。SATA SSD 4TBとWD Red SN700 1TBは、実勢価格と呼べる水準を確認できないため単価を出していません(在庫切れ品の表示価格で割ると、読者が買えない金額の比較になります)。

💡 価格対性能で見たベスト
・容量・GB単価:WD Red Plus 8TB(SSDとの差はNAND高騰で2025年よりさらに開いた)
・速度・MB/s単価:NVMe SSD(HDDの10倍以上の効率)
・ランダムアクセス:NVMeが圧倒的(IOPSベースでHDDの数千倍以上)
・寿命・TBW単価:WD Red Plus(MTBF 100万時間)

7. 用途別最適構成の推奨

用途推奨構成実売合計
家族写真・動画バックアップ(4TB)WD Red Plus 4TB×2 RAID 1約65,000円
家族+高速閲覧WD Red Plus 4TB×2 RAID 1 + 2.5GbE化
(SSDキャッシュは価格高騰のため見送り)
約65,000円+LAN機器代
大容量・長期保存(8TB)WD Red Plus 8TB×2 RAID 1約101,600円
動画編集ワークSATA SSD 4TB×2 RAID 1在庫なし(総額は出せず)
高負荷データベースSamsung 990 PRO 1TB×2 RAID 169,960円(34,980円×2)
Plex・Immich家族サーバーIronWolf 8TB×2 + 990 PRO 1TB×2キャッシュ約175,720円

価格はHDDが2026年8月31日〜9月10日、SSDが9月1日確認の目安です。SSDを含む構成は在庫・価格の変動が大きいため、購入前に販売ページをご確認ください。

あなたの構成が決まったら:上の表で最も出番が多いのが、家庭用の土台になるWD Red Plus 4TBです。まず2台をRAID 1で組めば、家族の写真・動画をまとめて預けられる4TBが手に入ります。キャッシュSSDの買い足しは、在庫と価格が落ち着いてからで遅くありません。

8. 意外と見落とされる「持続書込性能」

⚠ コンシューマーSSDの落とし穴
Samsung 990 PROは単発テストで7,000MB/s出ますが、SLCキャッシュ満了後(約150GB連続書込後)1,500MB/sまで低下します。家庭用なら問題ありませんが、数百GB〜TB級の連続書込をする動画編集用途ではエンタープライズSSD(Kingston DC600Mや法人向けNVMe)が安心。

9. 購入時の注意ポイント

  • HDDはCMR方式のNAS専用を選ぶ:SMRはRAID再構築で極端に遅くなる
  • 届いたHDDは使い始める前に検査する:初期不良交換は当サイト確認で最短「到着から7日」。2本同時に買って構いません(同時に届けば期限内に2本とも検査できます)。手順は初期不良チェックへ
  • SSDはTBWの多いNAS向け設計を選ぶ:WD Red SN700・Synology SNV3410など(在庫と価格は上記のとおり不安定なので、購入前に販売ページで確認)
  • 並行輸入品は保証対象外の可能性、正規代理店品を推奨
  • Synologyの2025年モデルは3.5インチHDD・2.5インチSATA SSDの制限がDSM 7.3で解除済み。ただしM.2 NVMeのプール・キャッシュは今も互換性リスト(HCL)掲載品が必要(→ Synologyの純正HDD縛りの現状)
大容量を1本で積むなら:Seagate IronWolf ST8000VN002(8TB・5400rpm・CMR・保証3年)が候補です。ただし8月後半に値上がりし(9月に一部反落してGB単価約6.61円・9月10日確認)、GB単価はWD Red Plus 8TB(約6.35円・同日確認)より高いままです。

10. HDDかSSDか、3つの質問で決める

ここまでの数値を、購入前の3つの質問に落とし込みます。

  1. 保存したいデータは2TBを超えますか? → 超えるならHDD。容量単価はHDD 約8.1円/GB 対 NVMe 約35円/GB(第1章)で、SATA SSDの4TBクラスはそもそも在庫がありません(第4章)。
  2. NASを寝室・リビングなど音が気になる場所に置きますか? → 置くならSSDも候補。ただしHDDの騒音は公表値で20〜30dB、4TBクラスは型番間でほぼ横並びなので、先に設置場所の工夫で下げられないか試すほうが安く済みます。
  3. 4K動画編集など速度が最優先の用途ですか? → 最優先ならSSD(またはSSDキャッシュ対応のPlus系NASでハイブリッド構成)。それ以外はHDDで十分です。1GbE LANでは112MB/sでどのHDDも頭打ちになるため、速度の不満はまずネットワーク側を疑うほうが費用対効果が高くなります(2.5GbE化の実測)。

3問とも「いいえ」寄りなら、HDD 2台のRAID 1(SHR)が家庭用の定番構成です。予算優先なら DS223j、長く使うなら DS225+ のような2ベイ機に、NAS用HDDのおすすめから4TB CMRを2本入れる形になります。どちらを選んでも、RAIDは故障対策であってバックアップの代わりにはなりません。

11. よくある質問(FAQ)

Q1. HDD速度はそんなに気にすべき?
A. 1GbE LANなら112MB/sでどのHDDも頭打ちになります。2.5GbE以上の環境で初めてHDD速度差が体感できるようになります。1GbE環境ではHDDの速度より騒音・省電力・容量単価を重視しましょう。
Q2. SSDキャッシュは書込キャッシュと読込キャッシュどちらを選ぶ?
A. 技術的には読込キャッシュ(1枚構成)が無難です。書込キャッシュは障害時のデータ消失を防ぐため2枚構成が前提で、費用が倍かかります。2026年9月時点はキャッシュ用SSD 1枚がNAS用HDD 4TB 1本より高いため、キャッシュを足す前に2.5GbE化やLANケーブルの見直しを先に試すことをおすすめします(設定自体はDSMの「ストレージマネージャー」から可能)。
Q3. RAIDで速度は向上する?
A. 条件付きでYes。RAID0(ストライピング)は読み書き2倍(ただし冗長性なし)。RAID 1は読みのみ1.3-1.5倍で書きは等倍。家庭用は冗長性重視でRAID 1が最適です。
Q4. 全SSDのオールフラッシュNASってアリ?
A. メリット自体は健在です(駆動音がほぼ無い・消費電力を抑えやすい・RAID再構築が速い)。ただし2026年9月時点では組めません。第4章のとおり2.5インチSATA 4TBはほぼ在庫がなく、総額を提示できる状態にありません。静音を優先するなら、HDDの型番選びではなく(4TBクラスは公表値でほぼ横並び)、防振マットと設置場所の見直しから検討してください。
Q5. HDDのベンチマーク速度と実使用速度は同じ?
A. ベンチマークは内周→外周で約30%差が出ます。HDDは外周部が高速なため、パーティション前半にデータが集中すると公表値に近い速度、中盤以降は約15%低下します。SSDは位置による速度差は基本的に無し。
Q6. NASにSSDを入れる意味はありますか?「意味ない」と言われるのはなぜ?
A. 用途で分かれます。写真・動画の保管が主目的なら、1GbEでは約112MB/sで頭打ちになり、容量単価もHDDの4倍以上なので、HDD RAID 1で足ります。静音・2TB以下の小容量・小さなファイルへの同時アクセスが多い用途ならSSDを選ぶ意味があります(第1章)。
Q7. NASはHDDとSSDどっちを選べばいいですか?
A. 2TBを超える容量を保管するならHDDです。GB単価は約8.1円対約35円で、2026年9月1日時点ではSATA SSDの4TBクラスに在庫がほぼありません(第4章)。寝室に置く・NASで直接動画編集をするならSSDが候補です(第1章・第10章)。

まとめ:2026年9月のNASストレージはHDD RAID 1が現実的な選択肢

この記事の要点

  • シーケンシャルはSSDが15倍、ランダムIOPSは数千倍以上の差
  • 容量単価はHDDが優位。NAND高騰で2025年より差が開いた
  • 家庭用の土台はHDD RAID 1。SSDキャッシュもオールフラッシュ(SATA 4TB×2)も、9月1日時点は在庫の壁で見送りが無難
  • SSDが不利になるのは容量単価・TBW・復旧・在庫の4点(第2章)。速度以外はHDDに分がある
  • 2.5GbE以上のLAN環境で初めてHDD性能差が見える。3つの質問(第10章)で自分の側を決める