本記事のおすすめ・比較は、広告報酬の多寡ではなく、公表スペック・技術的根拠にもとづいて選定・評価しています。当サイトは実機のNASを保有していますが、本記事で挙げる外付けHDD/SSDの実機テストは行っていません。速度・耐久などの数値はメーカー公表値です。
「子どもの写真と動画でスマホもPCも限界。外付けHDDを買えばいいのは分かるけど、どれを選べばいいの?」
そしてもう一つ、NASを使っている人がいつか必ず気づく事実があります。NASが1台壊れたら、そこに集めた写真は全部消える——RAIDを組んでいても、です。この記事では、その両方に効く「外付けHDD/SSD(DAS=PCに直接つなぐストレージ)の選び方」をまとめます。値上がりが気になって来た方は、容量別の価格推移と、いま買うなら何TBかからどうぞ。
結論:使う場面で決める——写真の保管は据え置きHDD、持ち出しはSSD
- 写真・動画を安く貯めたい/NASのバックアップ先にしたい → 据え置き型の外付けHDD。迷ったら6TB(32,000円前後)。写真が中心で、いま使っている量が2TB前後までなら4TB(26,280円前後)で足ります。NASのバックアップ先ならNASの使用容量以上を選びます
- ⚠️外付けHDDは2026年8月の1か月で+33〜43%値上がりしました。10月1日も8月上旬の水準に戻っていません(容量別の値動き)。買い時としては悪い時期です
- 持ち歩く・動画編集の作業用ならポータブルSSD(2TBで53,500円前後・割高)。家族で共有するなら外付けではなくNASです
価格は外付けHDDが2026年10月1日、ポータブルSSDが2026年9月10日に確認した実売の目安です(変動します)。
この記事が答えること・答えないこと
| 疑問 | 答える記事 |
|---|---|
| 外付けHDDとNAS、どっちを買うべき? | 外付けHDDとNASの違いを比較 |
| NASの中に入れるHDDはどれ? | NAS用HDDのおすすめ |
| 写真・動画のバックアップ用の外付けHDD/SSDはどう選ぶ? | この記事 |
| NASのバックアップ先に外付けHDDを使いたい | この記事(+3-2-1ルール) |
1行で答えるなら、自分のPCにある写真を守りたいだけなら外付けHDD、家族で共有したいならNAS。この記事は「外付けを買うと決めた人が、どれを選ぶか」に絞っています。
買うものがもう決まっている人は、上の結論ボックスと次の「値上がりの章」だけで足ります(6TBのカードはその章の最後、4TBのカードは記事のいちばん下)。
外付けHDDは値上がりしている?2026年8月からの価格推移と、いま買うなら何TBか
値上がりしています。当サイトが同じ商品(バッファロー HD-SGDAシリーズ)を追いかけた記録では、8月の1か月(8月5日→9月1日)で+33〜43%上がり、10月1日時点でも8月5日比で+35〜47%高い位置です。
| 製品 | 2026年8月5日 | 9月1日 | 9月10日 | 10月1日 | 9月10日→10月1日 |
|---|---|---|---|---|---|
| HD-SGDA4U3-B(4TB) | 19,500円 | 27,500円 | 28,880円 | 26,280円 | -9.0% |
| HD-SGDA6U3-B(6TB) | 23,000円 | 32,980円 | 33,000円 | 32,000円 | -3.0% |
| HD-SGDA8U3-B(8TB) | 32,000円 | 42,700円 | 43,800円 | 46,980円 | +7.3% |
価格.comの掲載店と各ショップの在庫表示を当サイトが確認した代表値で、1店だけの最安値ではなく複数店がそろう価格を採っています。価格は当サイトの確認記録。製品仕様:バッファロー HD-SGDA4U3-B 製品ページ/HD-SGDA6U3-B 製品ページ/HD-SGDA8U3-B 製品ページ
8TBは9月10日の確認では量販店に「在庫ありません」が並び、10月1日に7店で在庫ありに戻ったばかりです(製品ページには「この商品は特定販売店向けです」の表示)。表示価格で買えるとは限らないので、販売ページの在庫表示を先に確認してください。
8月からの値上がりは、メーカーの希望小売価格の改定とは連動していません。バッファローが8月3日と10月1日に実施した価格改定の対象表に、家庭向けのHD-SGDAシリーズは載っていないためです。店頭の実勢価格が上がったもので、内蔵HDDを含む相場の流れはHDD値上がりはいつまで?にまとめています。
出典:バッファロー 価格改定の対象型番一覧(8月3日実施分・PDF/10月1日実施分・PDF)
いま買うなら6TBです。通常型番の価格で比べると、1TBあたり5,333円で3容量のうちいちばん安く、4TBとの差額は5,720円です。写真が中心で使用量が2TB前後までなら4TB、8TBは最初から8TBぶんの容量が要る人だけです。
「悪い時期なら待つべき?」の分かれ目は、写真のコピーがほかにあるかどうかです。写真がいまPCやスマホ1台にしか入っていないなら、待たずに買うほうが安全です。待っているあいだにその1台が壊れれば、写真は戻りません。すでに2か所にコピーがあるなら急ぐ理由はありません(値下がりに向かうと言える材料は、当サイトの確認範囲ではまだありません)。
下のカードは6TBの販路限定版で、型番の末尾に「/NA」が付く HD-SGDA6U3-B/NA(メーカーの区分は HD-SGDA/N シリーズ)です。メーカーは通常型番と同じくCMR方式採用・NTFS出荷・みまもり合図対応と公表しています。楽天市場・Yahoo!ショッピングのボタンは通常型番 HD-SGDA6U3-B の検索結果に移動します。本記事の6TBの価格(32,000円前後)と1TBあたりの比較は、この通常型番の値です。当サイトの確認(2026年10月7日)では、/NA版は通常型番より2割ほど高い表示でした。価格を優先するなら楽天・Yahoo!で通常型番を比べてください。
使う場面で選ぶ:あなたに合うのはどれ?
| あなたの状況 | 選ぶもの | 目安の予算 |
|---|---|---|
| 写真・動画が増えてPC/スマホが限界 | 据え置き外付けHDD 6TB(写真中心なら4TB) | 26,280円〜32,000円 |
| NASが壊れたときの備えが欲しい | 据え置き外付けHDD(NAS使用量以上) | 同上 |
| 撮影現場・出先で使いたい/動画編集の作業ドライブ | ポータブルSSD 1〜2TB | 30,000円〜53,500円 |
| 家族の複数端末で共有したい | 外付けでは不可 → NAS | — |
写真・動画をまとめて安く貯めたい → 据え置き型の外付けHDD
いちばん多いのがこのケースです。ACアダプターで動く3.5インチHDDを内蔵したタイプで、容量あたりの単価がいまも安い部類です。1TBあたりで見ると4TBが6,570円、6TBが5,333円、8TBが5,872円です(容量の選び方は値上がりの章)。
PCの写真フォルダを丸ごとコピーしておくだけで、「PCが壊れたら全部消える」状態から抜け出せます。あなたの写真は、今日から二重になります。コピー先で迷子にならないフォルダの分け方は写真・動画の管理とフォルダ構成をご覧ください。
選ぶときに見るべきは1点だけ。記録方式がCMRであることです。安価なHDDにはSMR方式が混じっていて、大量のデータを一度に書き込むと途中から極端に遅くなることがあります(CMRとSMRの違いで詳しく解説)。本記事で価格を挙げるバッファローのHD-SGDAシリーズは、4TB・6TBともメーカーがCMR方式採用と公表しています(製品名は「外付けHDD Seagate Basic」ですが、内蔵ドライブのメーカーは公式の仕様表には書かれていません。販売各社の商品名にある「Seagate製ドライブ内蔵」は、公式仕様の記載ではない点にご注意ください)。
本記事は「メーカー自身がCMRと公表していること」を紹介の条件にしました。製品ページで記録方式を確認できなかった他社モデルは、安くても取り上げていません。
仕様の出典:バッファロー HD-SGDA4U3-B 製品ページ(CMR方式採用・NTFS出荷・みまもり合図対応・保証1年間。製品名は「USB3.2(Gen1)対応 外付けHDD Seagate Basic」)/HD-SGDA6U3-B 製品ページ(CMR方式採用・NTFS出荷・みまもり合図対応・保証1年間)
撮影現場や出先で使いたい/動画編集の作業ドライブ → ポータブルSSD
ノートPCと一緒に持ち歩く、ロケ先でカードから吸い出す、4K素材を直接編集する。こうした動かす・速く読む用途はSSDの領域です。駆動部がないので静かで、落下にも比較的強く、読み書きの速度も外付けHDDより大きく上がります(下で挙げるモデルの公表値は読み出し最大1,050MB/s)。
ただし、2026年はメモリ相場の高騰でSSDが非常に高いです。同じお金で買える容量を並べると差は明らかです。
| 容量 | 実売の目安 | 1TBあたり | |
|---|---|---|---|
| 据え置き外付けHDD | 4TB | 26,280円 | 6,570円 |
| ポータブルSSD | 2TB | 53,500円 | 26,750円 |
同じ金額で貯められる量がまるで違うので、「貯める」目的でSSDを買う理由は今のところありません。SSDを選ぶのは、持ち運ぶ・速度が仕事に直結する場合だけです。
上のSanDisk製は読み出し最大1,050MB/sをうたう2TBモデルで、メーカー保証は5年。ロケ先でカードから吸い出す待ち時間が短く、4K素材をこのSSDに置いたまま編集しても作業が止まりにくい——持ち出しと編集を1台で回す人には、この速度差が毎日の待ち時間として返ってきます。防滴・防塵と耐落下にも対応しますが、等級の表記は世代・仕向地で異なるため、購入前に販売ページの仕様欄で確認してください。
速度・保証・防水防塵等級の出典:サンディスク エクストリーム ポータブル SSD V2 サポート情報(SanDisk公式)(「読み取り最大 1050MB/s 書き込み最大1000MB/s」「5 年間限定保証」「IP55の防水と防塵」。同社の別ページではIP65表記も見られます)
HDDを何台もまとめて速く扱いたい → 多ベイのHDDケース(上級者向け)
3.5インチHDDを2〜4台入れられるUSB接続のケースもありますが、LAN内の共有も外出先アクセスもできず、ケース単体では他の端末のバックアップ先にもなりません。家庭で必要になる場面は限られます。中に入れるHDDはNAS用のCMRモデルを選び、値上がりしているHDDの相場を見ながら総額で見積もってください。
容量はどれくらい必要?写真何枚・動画何時間か計算する
「4TBって、結局どのくらい入るの?」に、計算式ごと答えます。
前提:スマホのJPEG写真1枚=5MB/一眼のRAW 1枚=25MB/4K動画1分=200〜400MB(記録方式で変わります)。メーカー表記の1TB=1兆バイトで計算。当サイトのNAS用HDD容量ガイドと同じ前提でそろえています。
| 容量 | スマホ写真 | 一眼のRAW | 4K動画 |
|---|---|---|---|
| 1TB | 約20万枚 | 約4万枚 | 約40〜80時間 |
| 4TB | 約80万枚 | 約16万枚 | 約160〜330時間 |
| 6TB | 約120万枚 | 約24万枚 | 約250〜500時間 |
| 8TB | 約160万枚 | 約32万枚 | 約330〜660時間 |
計算式:容量(バイト)÷1ファイルの容量。例:4TB÷5MB=4,000,000,000,000÷5,000,000=約80万枚。当サイトの試算であり、撮影機材・画質設定で実際の枚数は変わります。
NAS側のHDD容量(RAIDを組んだときの実効容量・家族構成別のシミュレーション)まで含めて決めたい方は、NASの容量は何TB必要?で詳しく計算しています。
数字だけ見ると4TBで十分すぎるように見えますが、2つの目減りがあります。
- 表示容量は少なく見える:4TBのHDDをPCにつなぐと、Windows上の表示は約3.6TBです(4兆バイト÷1024⁴の計算になるため)。故障でも不良品でもありません
- 満杯まで使わない:空きが極端に少ないHDDは書き込みが遅くなりやすいため、実用上は8割程度で買い足しを考えるのが安全です
この2つを見込むと、4TBの実用ラインは4兆バイトの8割=約3.2兆バイト(Windowsの表示では約2.9TB)で、スマホ写真なら約64万枚(3.2兆バイト÷5MB)です。いま使っている量が2TB前後までなら4TBで数年はもちます。動画も貯めるなら6TB(表示は約5.5TB・8割なら約4.4TB)で、買い足しの時期を数年先に送れます。
フォーマットと対応OS:Windows・Mac・NASで詰まらないために
同じHDDでも、フォーマット形式によって使える機器が変わります。買ってきたHDDがMacで書き込めない、NASにつないだら認識しない——詰まる原因は、たいていここです。
| 形式 | Windows | Mac | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| NTFS | 読み書き可 | 読み取りのみ(書き込み不可) | Windows専用の保管 |
| exFAT | 読み書き可 | 読み書き可 | WindowsとMacの併用 |
| APFS / HFS+ | 認識しない | 読み書き可 | Mac専用・Time Machine |
| ext4 | 標準では読めない | 標準では読めない | Linux/NASのバックアップ先 |
NTFSがmacOSで読み取り専用になること・exFATが両OSで読み書きできることの出典:Western Digital サポート「WindowsまたはmacOSで使用するためにドライブをフォーマットする手順」
市販の外付けHDDの多くはNTFSで出荷されます(本記事で挙げるバッファロー製もNTFS出荷)。そのままWindowsで使うなら何もしなくてOK。しかしMacとWindowsを行き来させたいなら、買ってすぐexFATに再フォーマットしてください。データを入れた後では消さないとやり直せません。
フォーマットの場所だけ覚えておけば十分です。Windowsは「PC」でドライブを右クリック →「フォーマット」、Macは「ディスクユーティリティ」→ 対象のドライブ →「消去」。
再フォーマットすると中のデータは消えます
すでにデータが入っているHDDを再フォーマットすると、中身はすべて消えます。作業の前に必ず別の場所へコピーを取り、自己責任で実施してください。フォーマットを変えるなら、新品のうちに済ませるのがいちばん安全です。
もう1点、exFATを選ぶときの注意があります。exFATは、NTFSのような更新記録(ジャーナル)を持たない設計です。書き込みの途中でケーブルを抜いたり停電したりすると、ファイルシステムごと読めなくなることがあります。exFATにするのはWindowsとMacを行き来させるためと割り切って、その1台を唯一のコピーにしない(PCかNASにも同じデータが残っている状態を保つ)ようにしてください。
Time Machineに使いたい場合
macOSのTime Machineは専用のフォーマット(APFS/HFS+)を要求します。exFATのままでは指定できません。Mac用のバックアップ先にするなら、その1台はMac専用と割り切る構成が安全です(NAS側でTime Machineを受ける方法はNASでTime Machineを参照)。
NASのバックアップ先に使う外付けHDDの選び方(Synology・QNAP)
NASを買った人ほど、外付けHDDを1台持っておくべきです。RAIDを組んでいても、それはHDD1台の故障に耐えるだけの仕組みで、本体の電源故障・誤削除・ランサムウェア・盗難・火災には無力です(RAIDはバックアップの代わりにならない)。
3-2-1ルール(コピー3つ・媒体2種類・1つは別の場所)でいえば、外付けHDDが担うのは「2」=別の媒体です。NASのUSBポートに挿して、Synologyなら「Hyper Backup」、QNAPなら「Hybrid Backup Sync」で自動バックアップを組めます。
NASバックアップ用に選ぶ3条件(容量・AC電源・CMR)
NASのバックアップ先に選ぶ外付けHDD・3条件
- 容量はNASの使用容量以上。NASが3TB使っているなら4TB以上、余裕を見るなら6TBを選びます。将来の増加分も足して考えてください
- 据え置き型(AC電源)を選ぶ。バスパワーのポータブルHDDはNASのUSBポートから安定して電力を取れないことがあり、長時間の書き込みが止まるリスクがあります
- CMR方式。バックアップは一度に大量のデータを書き込む処理なので、SMRの書き込み低下がそのまま所要時間に効きます
この3条件を満たすのが、本記事で価格を挙げているバッファローのHD-SGDAシリーズ(据え置き・AC電源・メーカーがCMR方式と公表)です。NASの使用量が3TB前後なら6TBのHD-SGDA6U3-B、2TB前後までなら4TBのHD-SGDA4U3-Bで足ります。
始め方は5手です。Synologyの場合、①外付けHDDをNASのUSBポートに挿す ②パッケージセンターで「Hyper Backup」を入れる ③バックアップ先に、挿したUSBのドライブを選ぶ ④複数バージョンで保存するか単一バージョンで保存するかを選ぶ ⑤対象の共有フォルダ(写真フォルダなど)とスケジュールを決める——の順に進みます。④とフォーマット(ext4かNTFSか)は、後述の「ext4かNTFSか」の章を読んでから決めてください。先に決めないと、PCから開けないバックアップができあがります。
手順の詳細:Synology ナレッジセンター「Hyper Backup を使用してデータをローカル共有フォルダまたは USB にバックアップする方法」
さらに「1(別の場所)」まで作るなら
外付けHDDをNASの隣に置いたままだと、火災や盗難では両方まとめて失われます。3-2-1の「1」を満たすには次のどちらかです。
- 外付けHDDを2台用意して交互に入れ替え、片方は実家や職場など別の場所に保管する(月1回の入れ替えでも効果は大きい)
- クラウドバックアップを併用する(NASのクラウドバックアップで費用を比較しています)
2台目のHDDかクラウドかは、データの量と「消えたら困る度合い」次第です。写真が2TBに収まるうちはクラウドの月額のほうが安いこともあり、動画が混ざって容量が増え続けるなら外付けの買い切りが数年単位では安くなることがあります。金額はプラン(長期保管向けか、すぐ取り出せる一般向けか)で大きく変わるので、リンク先の月額表と自分の容量を突き合わせてください。
NASの外付けバックアップはext4かNTFSか——トレードオフの整理
Synology NASは、USB外付けドライブの ext4・ext3・FAT32・NTFS・Btrfs・exFAT・HFS+ を読み書きできます。一方、DSMからフォーマットできるのはext4・FAT32・exFATの3つです(exFATはパッケージセンターで「exFAT Access」の導入が必要)。
出典:Synology DSM テクニカルスペック(外部デバイス)
ここで扱うのは「USBでつなぐ外付け1台をどの形式にするか」です。NAS本体に入れるHDDのボリューム形式(ext4かBtrfsか)は別の判断になるので、そちらはext4とBtrfsの違いをご覧ください。
| 選択 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ext4 | DSMからそのままフォーマットでき、NAS運用で扱いやすい | Windows PCに直挿ししても中身が読めない。復旧時もNASかLinuxが必要 |
| NTFS / exFAT | NASが完全に壊れても、ファイルがそのままの形で入っていればPCに挿して取り出せる | NAS側の扱いはext4より不利になる場合がある |
ext4を選ぶと、NASの故障に備えるバックアップなのに取り出しにNASが要ることになります。NASの復旧を前提にするならext4、最悪PC単体で吸い出したいならNTFS/exFAT。自分以外の家族が取り出す可能性があるなら、当サイトはNTFS/exFATを推します。
NTFSはDSM側でフォーマットできませんが、市販の外付けHDDの多くはNTFSで出荷されるので、買ってきたHDDをそのままNASのUSBポートに挿すだけで使えます。exFATにしたい場合だけ、DSMで「exFAT Access」を入れてからフォーマットします。
取り出せるかどうかは、どのバックアップ方式を選ぶかでも決まります。
Hyper Backupの「複数バージョン」バックアップは、PCに挿しても写真フォルダとしては開けません
外付けをNTFSやexFATにしても同じです。複数バージョンのバックアップは.hbkというSynology独自の形式で保存され、Hyper Backup/Hyper Backup Explorer/Hyper Backup Vaultでのみ読み取れるとメーカーが明記しています。複数バージョンで運用するなら、復旧に使うPCへ「Hyper Backup Explorer」(Windows・macOS・Ubuntu・Fedora向けにSynologyが配布)を用意しておくことを、運用を始める前に決めておいてください。
PCに挿すだけで写真フォルダとして開ける状態にしたいなら、単一バージョンを選びます。単一バージョンについてSynologyは「データはオリジナルのフォーマットおよびフォルダ構造で保存されます。これにより異なるデバイスで簡単にファイルを取得して見ることができます」と説明しています。外付けをNTFS/exFATにしておく意味が生きるのは、この単一バージョンを選んだときです。
そのかわり単一バージョンは最新の1世代だけを残し、暗号化と圧縮も使えません。世代をさかのぼりたいなら複数バージョン+Hyper Backup Explorer、家族の誰でもPCから取り出せることを優先するなら単一バージョン——フォーマットとバックアップ方式は、この2択とセットで先に決めてください。
出典:Synology Hyper Backup テクニカルスペック(「複数のバージョンのバックアップ タスクのバックアップ ファイルは、Synologyを使用するバックアップ形式 (.hbk) として格納され、Hyper Backup、Hyper Backup Explorer、およびHyper Backup Vaultでのみ読み取ることができます」)/Synology ナレッジセンター「ディスティネーション|Hyper Backup」(単一バージョン:「データはオリジナルのフォーマットおよびフォルダ構造で保存されます」「ファイルの1つの最新バージョンのみを保存するため、古いバックアップ データは上書きされます」「データの暗号化と圧縮は利用できません」)/Hyper Backup 機能ページ(Hyper Backup ExplorerのWindows・macOS・Ubuntu・Fedora対応)
買う前に知っておきたい落とし穴
外付けHDDは複数端末で「共有」できません
外付けHDD/SSDはUSBでつないだその1台のPC専用です。スマホから直接見る、家族の別のPCから開く、外出先からアクセスする——これらは外付け単体では成立しません。「家族全員の写真を1か所に集めたい」が目的なら、最初からNASを選ぶほうが遠回りになりません。
購入前に知っておくと損をしない点を、もう2つ挙げます。
- RAIDはバックアップではない:多ベイケースでRAID 1を組んでも、誤削除やランサムウェアはそのままコピー先にも反映されます(RAIDは必要か)
- このシリーズは特定販売店向けで、在庫は時期によって動きます:バッファローのHD-SGDAシリーズは、4TB・6TB・8TBのどの製品ページにも「この商品は特定販売店向けです」というメーカー表示があります。2026年10月1日時点の価格.comでは4TB・6TBとも18店の掲載があります(8TBの在庫は値上がりの章を参照)
執筆時点では、4TB・6TBとも普通に買えます
品切れに当たったら、①同じHD-SGDAシリーズの別容量に振り替える ②他社製でも販売ページに「CMR」または内蔵ドライブの型番が明記されているものを選ぶ——の順で探してください。この順なら、記録方式が確認できるという選定基準を保てます。
出典:バッファロー製品ページ(いずれも「この商品は特定販売店向けです」の記載を当サイトで確認):HD-SGDA4U3-B/HD-SGDA6U3-B/HD-SGDA8U3-B/HD-SGDA6U3-B/NA(販路限定の型番・CMR方式採用・NTFS出荷・みまもり合図対応を2026年10月1日に確認)
価格の目安(執筆時点の実売)
| 製品・タイプ | 容量 | 実売の目安 | 1TBあたり |
|---|---|---|---|
| 据え置き外付けHDD(HD-SGDA4U3-B) | 4TB | 26,280円 | 6,570円 |
| 据え置き外付けHDD(HD-SGDA6U3-B) | 6TB | 32,000円 | 5,333円 |
| 据え置き外付けHDD(HD-SGDA8U3-B・在庫は要確認) | 8TB | 46,980円 | 5,872円 |
| ポータブルSSD(SanDisk E61系) | 1TB | 30,000円 | 30,000円 |
| ポータブルSSD(SanDisk E61系) | 2TB | 53,500円 | 26,750円 |
価格は外付けHDDが2026年10月1日、ポータブルSSDが2026年9月10日に、価格比較サイト・量販店・メーカー公式で確認した目安です。HDD/SSDの相場は数週間単位で動きますので、購入直前に各販売ページで最新価格を確認してください。4TBは在庫ありの7店が26,280円前後でそろう値を採っており、最安の24,150円は1店だけの提示です。6TBは最安の1店が29,800円、量販店は33,980円の横並びで、その間で在庫のある店の値を採っています。
4TBを選ぶなら(HD-SGDA4U3-B)
4TBのHD-SGDA4U3-Bのカードは、この記事のいちばん下に置いています。6TBのカードは値上がりの章の「いま買うなら6TB」の直後です。
接続はUSB 3.2 Gen1で、出荷時のフォーマットはNTFS。Windowsで使うなら、箱から出して挿すだけ——フォーマット作業をしないまま、今日のうちに写真フォルダのコピーを始められます(Mac併用なら前述のexFAT化が必要です)。故障予測を知らせる「みまもり合図」に対応しているので、壊れてから慌てるのではなく、壊れる前に写真を移す時間を作れるのが保管用として効いてきます。テレビ・レコーダーの録画用にも使えます(対応機種はメーカーの対応検索で確認)。保証期間は1年間です。
買ったあとに毎月出ていくお金がないのも、外付けHDDの見落とされがちな強みです。メーカー公表の最大消費電力は18Wなので、1日1時間だけつなぐ使い方なら電気代は年200円ほど(18W×1時間×365日÷1000×31円/kWh。消費電力が上限に張り付いたと仮定した計算なので、実際はこれより下です)。24時間動かすNASや、毎月払うクラウドとは、ここが決定的に違います。
消費電力の出典:バッファロー HD-SGDA4U3-B 製品ページ(最大消費電力18W)。電力量料金は全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh(税込・2022年7月22日改定)で計算した目安で、実測値ではありません。
本命は6TB|4TBとの差額5,720円で容量が2TB増える(HD-SGDA6U3-B)
この記事がいちばんすすめているのは6TBのHD-SGDA6U3-Bです。同じHD-SGDAシリーズの容量違いで、メーカーはこちらもCMR方式採用・NTFS出荷・みまもり合図対応・保証1年間と公表しています。動画も貯める家庭なら、買い足しの時期を数年先に送れるのがこのモデルです。
8TBと比べると、6TBは1TBあたり539円安く、初期費用も14,980円低く済みます。8TBを選ぶのは、8TBぶんの容量が最初から要ると分かっている場合です。
6TBのカード(販路限定版の HD-SGDA6U3-B/NA)と、型番・価格の注意は値上がりの章の「いま買うなら6TB」の直後に置いています。
買ったあとの手順:写真を二重にする3ステップ
外付けHDDは、買っただけでは1枚も守ってくれません。やることは3つだけです。
- つないでフォーマットを確認する(Windowsだけで使うならNTFSのまま使います/Mac併用なら、データを入れる前にexFATにします)
- 写真フォルダを丸ごとコピーする(初回はまとめて。年ごとのフォルダ単位でコピーしておくと、あとから差分を追いやすくなります)
- 月に1回、追加分だけコピーする(差分だけなら数分。カレンダーに繰り返しの予定を入れておくのが続けるコツです)
「追加分だけ」の具体的なやり方は、年ごとのフォルダを丸ごとコピーするのがいちばん簡単です。ただし、この操作はWindowsとMacで挙動が違います。
Windowsの場合は、2026年に撮った写真なら 2026 フォルダだけを外付けにドラッグします。同じ名前のファイルをどうするか聞かれるので、「スキップする」(同じ名前のファイルはコピーしない)を選べば、増えたぶんだけがコピーされます。写真を1枚ずつ選ぶ必要はありません。
Macの場合は「スキップ」がありません。Appleのサポートページでは、同じ名前のフォルダを結合する方法として「Optionキーを押したまま、一方のフォルダが含まれている場所に同じ名前の他方のフォルダをドラッグします。表示されるダイアログで『結合』をクリックします」と案内されています。さらに「『結合』オプションが表示されるのは、一方のフォルダに、もう一方のフォルダにはない項目が含まれている場合のみです。同じ名前でバージョンが異なるファイルがフォルダに含まれている場合のオプションは、『中止』または『置き換え』のみです」とも書かれています。
Macで「置き換え」を選ばないでください
Macで選べるのは「結合」「中止」「置き換え」で、Windowsのような「スキップ」はありません。「置き換え」を選んだときにコピー先のフォルダがどうなるかは、当サイトではMac実機で確認できていません(コピー元にしか無い状態へ置き換わる可能性があります)。PC側で写真を整理・削除した人がここで「置き換え」を選ぶと、外付け側にしか残っていない写真を失いかねません。MacではOptionキーを押しながらドラッグして「結合」を選ぶか、Mac標準のTime Machineのような専用のバックアップ機能に任せてください(NASでTime Machineを受ける方法)。同じ名前で中身が違うファイルが混じっていると「結合」は表示されません。そのときは「中止」を選び、その年のフォルダを 2026_backup のような別の名前にして丸ごとコピーしてください。
出典:Apple サポート「Macでファイルをフォルダに整理する」(同じ名前のフォルダを結合する手順・「結合」が表示される条件)
コピーが終わったら、コピー元とコピー先でその年のフォルダのファイル数を突き合わせてください。数が合わなければコピー漏れです。件数の一致は中身まで無事だという保証ではないので、大事なフォルダは合計サイズ(バイト数)も見比べます。
NASを使っているなら、この3ステップはHyper Backupなどで自動化できます。ただし自動でも、月に一度は「最後に成功した日時」を確認してください。止まっていることに気づかないのが、いちばん危ない状態です。
寿命と買い替えサイン:壊れる前提で考える
HDDは消耗品です。「壊れたら買い替える」ではなく、壊れる前に2つ目を用意しておくのが、写真を守るいちばん確実な方法になります。
一般的な交換の目安は3〜5年。大規模なHDD運用統計として公開されているBackblazeのDrive Statsでも、稼働年数が長くなるほど年間故障率(AFR)が上がる傾向が示されています。
出典:Backblaze Drive Stats(HDD故障率の公開データ) ※データセンターでの24時間連続稼働・内蔵ドライブの統計です。必要なときだけ通電する家庭の外付けHDDとは条件が異なるため、年数はあくまで目安として読んでください。
次のサインが出たら、修理を考える前にまずデータのコピーを取ってください。
- カチカチ・カリカリと規則的な異音がする、回転音が普段と違う
- 認識したりしなかったりする、接続し直すと直る
- コピーが以前より極端に遅い、途中で止まる
- 特定のファイルだけ開けない・エラーが出る
- OSやNASからS.M.A.R.Tの警告が出る(HDD故障の予兆とS.M.A.R.Tで読み方を解説)
外付けHDDは中の状態が見えにくい
USBケースに入っていると、機器によってはS.M.A.R.T情報が読めません。予兆を数値で追えない可能性があるぶん、「異音がしたら即コピー」の判断が重要になります。バッファローの「みまもり合図」のように、メーカー独自の故障予測に対応した機種を選ぶのは有効な保険です。
メーカー保証(前述の機種は1年)は本体を交換してくれますが、消えたデータは戻りません。だからこそ「保証が長い機種を選ぶ」より「同じデータを2か所に置く」ほうが、写真を守る効果はずっと大きいのです。
よくある質問(FAQ)
まとめ:写真は「2か所に置く」が正解
この記事の要点
- 写真・動画を貯めるなら据え置き型の外付けHDD。迷ったら6TB、写真中心で2TB前後までなら4TB。⚠️2026年8月に+33〜43%値上がりし、10月1日も8月上旬の水準に戻っていません。SSDは持ち運び・作業用に限ります
- NASを持っているなら外付けHDDを1台。RAIDでは防げない故障・誤削除・盗難・火災に備える3-2-1ルールの「2」です。PCから直接開きたいならNTFS+Hyper Backupの単一バージョン
- フォーマットは用途で、寿命は3〜5年。Windows専用ならNTFS、Mac併用ならexFAT。壊れる前提で2か所にコピーし、保証で戻るのは本体だけです
外付けHDDでできるのは「もう1つのコピーを持つ」ことです。それだけで、写真が消える原因のかなりの部分は防げます。今日やることは1つ——写真フォルダを、いま手元にある空きストレージへ丸ごとコピーしてください。買うのは、そのあとでも間に合います。
そのうえで、家族全員の写真を1か所に集めたいなら次に読むのは外付けHDDとNASの違いです。方針が決まったら、NASとは?初心者向けガイドとスマホ写真のNAS自動バックアップへ進んでください。
参考・出典
- バッファロー:HD-SGDA4U3-B 製品ページ/HD-SGDA6U3-B 製品ページ/HD-SGDA8U3-B 製品ページ
- Western Digital サポート:WindowsまたはmacOSで使用するためにドライブをフォーマットする手順
- Synology:DSM テクニカルスペック(外部デバイス・対応ファイルシステム)/Hyper Backup テクニカルスペック(.hbk形式)/Hyper Backup 機能ページ/ナレッジセンター「ディスティネーション|Hyper Backup」(複数バージョンと単一バージョンの違い)
- Synology ナレッジセンター:Hyper Backup を使用してデータをローカル共有フォルダまたは USB にバックアップする方法
- Apple サポート:Macでファイルをフォルダに整理する(同じ名前のフォルダの結合)
- SanDisk:エクストリーム ポータブル SSD V2 サポート情報(速度・保証・IP等級)
- Backblaze:Drive Stats(HDD故障率データ)