用語解説

RAIDとは?

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yamakashi

RAID(Redundant Array of Independent Disks:独立ディスクの冗長配列)について、基本から応用まで体系的にまとめて解説します。


🔷 RAIDとは?

RAIDは、複数のHDD/SSDを一体化し、**性能向上やデータ保護(冗長性)**を実現する技術です。主に以下の目的で使用されます:

  • ✅ データの安全性(冗長性)
  • ✅ 読み書きの高速化(パフォーマンス向上)
  • ✅ 大容量ストレージの構築

✅ RAIDの方式と比較表

RAIDレベルディスク数冗長性容量効率読込速度書込速度特徴
RAID 02以上❌ 無し100%◎ 高速◎ 高速ストライピング(速度特化)
RAID 12✅ 有り50%○ やや高速△ 遅いミラーリング(安全重視)
RAID 53以上✅ 有り約67〜94%◎ 高速△ 遅い(書込時パリティ計算)パリティ付き分散保存
RAID 64以上✅ 有り(2台まで故障可)約50〜88%○ やや高速△ 遅い二重パリティ
RAID 104以上(偶数)✅ 有り50%◎ 高速◎ 高速RAID0+1のハイブリッド
JBOD1以上❌ 無し100%× 遅い× 遅いただのディスク連結

✅ 各RAIDの詳細解説


▶ RAID 0:ストライピング

  • 特徴:データを複数ディスクに分散書き込み
  • メリット:読み書き共に高速、容量をフル活用
  • デメリット:1台でも故障すると全データ喪失
  • 用途:高速処理が必要なゲームPC、動画編集

▶ RAID 1:ミラーリング

  • 特徴:同じデータを2台に書き込む
  • メリット:片方のディスク故障でも運用継続可
  • デメリット:使用容量は半分、書き込み遅め
  • 用途:信頼性が最優先のサーバーやバックアップ

▶ RAID 5:分散パリティ

  • 特徴:データ+パリティを全ディスクに分散
  • メリット:冗長性と容量効率のバランス良
  • デメリット:書込時のパリティ演算がボトルネック、1台故障までOK
  • 用途:業務用ファイルサーバーなど(高信頼+効率)

▶ RAID 6:二重パリティ

  • 特徴:RAID5の強化版、2台までの障害に耐える
  • メリット:高信頼、復旧中のさらなる故障にも耐性あり
  • デメリット:パリティ計算が重く、最低4台必要
  • 用途:重要性の高いビジネス用途、大容量ストレージ

▶ RAID 10(1+0):ミラーリング+ストライピング

  • 特徴:RAID1でミラーを作り、それをRAID0で高速化
  • メリット:速度・信頼性の両立、復旧も早い
  • デメリット:使用容量は50%、最低4台必要
  • 用途:データベース、仮想化環境など高負荷用途

▶ JBOD:Just a Bunch Of Disks

  • 特徴:複数ディスクを1つの論理ディスクとして扱う(RAIDではない)
  • メリット:柔軟なディスク追加が可能
  • デメリット:冗長性なし、ディスク障害に非常に弱い
  • 用途:一時的な大容量保存用途など

✅ RAIDの分類

分類方法
ソフトウェアRAIDOSや専用ソフトで制御Linux mdadm、Windows Storage Spaces、Btrfs
ハードウェアRAIDRAIDカードなどの専用機器で制御サーバー・高性能NAS
ファームウェアRAID(FakeRAID)マザーボードのRAID機能一部のBIOS/UEFIが対応(信頼性に注意)

✅ RAID運用の注意点

  • RAIDはバックアップの代替にはならない(誤削除・ウイルスには無力)
  • リビルド(再構築)時は高リスク(RAID5/6では長時間・高負荷)
  • UPS(無停電電源)必須:書込中の停電はパリティ崩壊を招く
  • モニタリングツール(SMART監視、リビルド警告)を使うと◎

✅ まとめ:用途別おすすめRAID

用途推奨RAID理由
高速処理専用(キャッシュ用途など)RAID 0速度最優先(データ喪失OK)
データ保護が最優先(家庭NAS)RAID 1構成がシンプル、復旧も簡単
容量効率と安全性を両立(業務NAS)RAID 5高信頼・高効率
高可用性(高額データ/サービス)RAID 6 または RAID 102重耐障害・高性能
データより一時保存が目的JBOD簡単・コスト低

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