更新日:2026年8月15日|カテゴリ:活用術(写真・メディア)

本記事で並べる選択肢は、広告報酬の有無ではなく「2026年8月15日時点でDTCP-IPが正規に使えるか」「新品として買えるか」を基準に選びました。①〜③の番号は優劣ではなく、汎用NAS→録画専用機の順に並べたものです。当サイトが商品広告(もしもアフィリエイト)を掲載しているのは、本文中のバッファロー LinkStation LS720D(第5章の①)と、記事末のブルーレイディスク(BD-R)の2つだけです。②③には個別の商品リンクを置いていません(記事冒頭の枠は楽天の自動レコメンド表示です)。①〜③のいずれも当サイトは実機を保有しておらず、記載はメーカー公式の記述にもとづきます

結論:消えたのは「海外製NASに録画機能を後付けする道」。国内メーカーの対応機は残っています

  • Synology・QNAP・ASUSTOR向けの有料アプリ sMedio DTCP MOVEが2026年4月末〜5月初旬に販売終了しました(GreenBee公式)。すでに購入済みなら販売終了後も引き続き使えますが、新機能の追加やアプリの更新は原則行われません
  • Synologyで使っている人がいま確認すべきはHDDの交換です。公式は、提供終了後にHDD交換でパッケージの再インストールが必要になった場合はパッケージセンターからインストールできない、と案内しています。返金はなく、データ移行サービスもありません
  • しかもsMedio DTCP MOVEでNASへ貯めた録画は、他の機器へムーブして取り出せません。GreenBee公式のFAQが「著作権保護された番組に関しては、NASから他の録画機器へ番組をムーブすることはできません。」と明記しています(第2章)。これから買う機種は、いまある録画の引っ越し先にはなりません
  • 「NASに録画を残す道が全部消えた」わけではありません。2026年8月15日時点で新品を買えるのは2機種です——バッファロー LinkStation LS720D(DTCP-IP標準搭載・8TB 98,700円前後)と、I-O DATA RECBOX HVL-RS8(61,500円前後)
  • I-O DATA LAN DISK A + 有償ライセンス(1,019円)はすでに本体を持っている人のための道です。ライセンスの販売は続いていますが、適用できる本体は生産終了・在庫限りが大半です
  • とはいえ残った側も痩せています。RECBOXは2026年7月15日にHVL-RS2・RS3が生産終了、RS4・RS6は在庫限り、RS12・RS16は受注生産です(I-O DATA公式ラインアップ表)
  • これから受け皿を用意するなら、追加ソフトの購入が要らないDTCP-IP標準搭載機を選ぶのがいちばん事故が少ない選択です。録画を長く残したい人ほど、汎用NASに機能を足すのではなく最初から専用機を選ぶ——それが2026年の現実的な結論になりました

「NASを買えば、レコーダーの録画も引っ越しできる」——そう考えて機種を探している人と、「すでにSynologyへダビングして貯めてある」という人とでは、この記事で読むべき場所が違います。

  • これから買う人 → 第5章「sMedio DTCP MOVEの代替になるDTCP-IP対応NAS」(残っている道)
  • すでにSynologyへ貯めてある人 → 第2章「Synologyで貯めていた人の実害」(HDD交換の話)

先に、当サイトにとって都合の悪いことから書きます。当サイトが普段おすすめしているSynology・QNAP・ASUSTORのNASは、テレビ録画の保存先として新たに選ぶことが2026年時点でできなくなりました。その道を細く残していた有料アプリが、今年なくなったからです(QNAP・ASUSTORの現況は第1章で詳しく書きます。UGREENなど他の海外メーカーについても、DTCP-IP対応を公式に明記した機種を当サイトでは確認できていません)。

DTCP-IPとは「著作権保護のかかった録画番組を家庭内LANでやり取りするための規格」で、対応した機器どうしでないと録画は移せません。今年消えたのは、海外製NASをこの「対応した機器」にするための有料アプリです。

1. 何が終わったのか——sMedio DTCP MOVE 販売終了

2026年4月、GreenBee株式会社(旧・株式会社sMedio)が「sMedio DTCP MOVE」の販売終了を告知しました。海外メーカーのNASに後付けして、レコーダーの録画番組を受け取れるようにする有料アプリです。

告知の該当箇所を引用します。

このたび、諸般の事情により、NAS用DTCPコンテンツ転送ソフトウェア「sMedio DTCP MOVE」の販売を終了させていただくこととなりました。現在本ソフトを販売中の各NASメーカー様からの販売も順次停止させていただいております。

販売終了日:2026年4月末~5月初旬 (各NASメーカー様ごとに順次)

既にご購入済みのお客様へ:販売終了後も、引き続き本製品をご利用いただけます。ただし、今後新たな機能の追加やアプリケーションの更新は原則として行われません。

同じ告知には、セキュリティに関する案内も併記されています。

あわせて、本製品においてセキュリティ上の問題が確認されたため、該当箇所を修正するアップデートを提供いたします。既にご購入済みのお客様におかれましては、最新版へのアップデートをお願いいたします。

出典:GreenBee株式会社「sMedio DTCP MOVE 販売終了のお知らせ」製品ページ(対応メーカー一覧)(2026年8月15日確認)

読み取れる事実を整理します。

項目 公式が書いていること
販売終了日 2026年4月末〜5月初旬(各NASメーカーごとに順次)
理由 「諸般の事情により」=具体的な理由は非公表
購入済みユーザー 引き続き利用可。ただし新機能追加・アプリ更新は原則なし
セキュリティ 問題が確認され、修正アップデートを提供。最新版への更新を案内
対応していたメーカー Asustor・QNAP・Synology(製品ページの対応機種一覧)

⚠️ セキュリティの案内と販売終了は同じ告知に並んでいますが、公式は両者を因果関係として説明していません。「脆弱性が原因で販売終了した」と書くのは推測なので、当サイトはそう書きません。また脆弱性の内容(CVE番号・深刻度・影響範囲)も公表されていないため、「危険だから使うな」とも言えません。言えるのは「最新版へのアップデートが案内されている」までです。

なお、QNAP・ASUSTORの現況については正直に書きます。GreenBeeは「各NASメーカー様からの販売も順次停止」と告知しています。しかしQNAP公式の紹介ページは2026年8月15日時点で存在し、販売終了の記載はありません。ただし価格・購入方法の表示はなく、互換性は外部ページへ誘導する内容です。両社のアプリストアで現在も購入できるかどうかは、実機を持たない当サイトでは確認できていません。

2. Synologyで貯めていた人の実害——HDDを交換したら入れ直せない

いま録画をSynology NASに貯めている人にとって、この記事でいちばん重要なのはここです。Synologyの告知から引用します。

対象モデルにてご利用いただいておりますパッケージ「sMedio DTCP MOVE」についてGreenBee株式会社によるサポート終了に伴い、Synologyは2026年5月7日より販売を終了し、DSMの次期メジャーバージョンよりサポートを正式に終了いたします。

DSMの次期メジャーアップデートをもって、本パッケージはPackage Centerから削除され、ダウンロードできなくなります。

そして、いちばん効くのがこの案内です。

パッケージセンターの提供終了後、以下のような場合に再びパッケージセンターからインストール(購入ボタンのクリック)出来ませんのでご注意ください。

  • ハードディスク交換により「sMedio DTCP MOVE」パッケージの再インストールが必要な場合
  • 「sMedio DTCP MOVE」パッケージをアンインストールした場合

パッケージセンターでの提供終了に伴う「sMedio DTCP MOVE」の返金は致しません。

「sMedio DTCP MOVE」にて保存されたデータについて、弊社では「データの移行サービス」などを提供しておりません。

出典:Synology「『sMedio DTCP MOVE』サポート終了のお知らせ」(2026年8月15日確認)

箇条書きの1つ目が効きます。NASのHDDは消耗品で、交換が前提の部品です。当サイトはHDDの故障サインの記事で「S.M.A.R.T.に異常が出たら早めに交換」と書いてきました。ところがDTCP-IPのパッケージだけは、その当たり前のメンテナンスをした時点で入れ直せなくなる可能性があります。

録画データには3-2-1バックアップが効きません

当サイトは3-2-1ルール(3つのコピー・2種類の媒体・1つは別の場所)を繰り返し勧めています。しかし著作権保護のかかった録画番組は、そもそもコピー回数に上限があり、自由に複製できません。機器の寿命よりデータの寿命が先に尽きる構造になっているのが、放送録画の保存の難しさです。写真や自作の動画とは、扱いを分けて考えてください(RAIDはバックアップではない)。

いま動いている機器が明日止まるという話ではありません。公式が書いているのは「再インストールできない」までで、稼働中の環境がいつまで使えるかは誰も明言していません。それでも、次にHDDを交換するときが分岐点になることは、告知から読み取れます。

いま貯まっている録画は、他の機器へ移せるのか(30秒で判定)

  1. 手元の録画が、いますぐ消えるわけではありません。稼働中の環境ではこれまでどおり再生できます(公式が案内しているのは「再インストールできない」までです)
  2. ただし、他のDTCP-IP機器へムーブして取り出すことはできません。GreenBee公式の製品ページにあるFAQは、「NASから他の録画機器へ番組をムーブすることはできますか?」という問いに「著作権保護された番組に関しては、NASから他の録画機器へ番組をムーブすることはできません。」と答えています(コピーフリーの番組は移せると書かれていますが、地上デジタル放送の番組には通常コピー制御がかかっています)
  3. つまりsMedio DTCP MOVEを入れたNASは、最初から録画の「最終保管庫」だったということです。新しい機種を買っても、いま貯まっている録画の引っ越し先にはなりません。これから録る番組の受け皿として選ぶことになります

出典:GreenBee株式会社「sMedio DTCP MOVE」製品ページ内のFAQ(2026年8月15日確認)

正直に書くと、これは当サイトにとって都合の悪い事実です。「いま貯めた録画を救うために買い替える」という理由が成立しないからです。

では、すでに貯まっている分はどうなるのか。取り出す手段がない以上、いまの機器が動いているあいだに見てしまうしかありません——HDDの故障や交換が来た時点でそこまで、という前提で扱ってください(第6章)。

そのうえで、これから録る番組をどこで受けるかだけは、機器が元気なうちに決めておく価値があります。その受け皿の候補は第5章にまとめました。

⚠️ 「DSMの次期メジャーバージョン」が具体的にどのバージョンを指すかは、公式に明記されていません。現行のDSM 7.4系ですでに削除されているかどうかも、当サイトでは確認できていません。

3. 実は2020年から始まっていた——6年かけて塞がれた退路

「今年いきなり終わった」わけではありません。Synology向けのもう1つのDTCP-IPパッケージ、デジオンのDiXiM Media Server(Synology DiskStation DS218j向け)は、すでに2020年に終わっています。

時期 何が起きたか
2020年11月30日 デジオンが提供終了を告知
2020年12月30日 パッケージセンターでの提供終了。以降「再インストールは出来なくなります」
2021年6月30日 18:00 ユーザーサポート終了
2026年4月末〜5月初旬 sMedio DTCP MOVE販売終了
2026年5月7日 Synologyが販売終了。DSMの次期メジャーバージョンでパッケージセンターから削除

DiXiMのときも返金はなく、インストール済みならDSM 6→7へ更新後も使えるものの、更新後の新規インストールはできないという同じ形でした。Synology公式のEOLページも「パッケージの将来的な互換性は保証されません」と書いています。

出典:デジオン「Synology NAS用 DiXiM Media Server 提供終了のお知らせ」Synology「DiXiM Media Server」告知Synology EOL告知(TVMosaic・DVBLink・DiXiM Media Server)(2026年8月15日確認)

つまり6年かけて、選択肢が1つずつ消えていったというのが正確な経緯です。そして残った1本が2026年に抜けました。

4. なぜsMedio DTCP MOVEの代替アプリが出てこないのか——DTCP-IPはソフトでは解決できない

ここが読者にとっていちばん納得しづらいところだと思います。「アプリが1つ終わっただけなら、別のアプリを入れればいいのでは?」——結論から言うと、それはユーザー側の努力ではどうにもならない領域です。

DTCP-IPは「対応ソフトを入れれば動く」仕組みではなく、機器がライセンス機関から資格をもらう仕組みだからです。映像情報メディア学会誌の解説から引用します。

DTCP(Digital Transmission Content Protection)は,DTLA(Digital Transmission Licensing Administrator, http://www.dtcp.com/)がライセンスする著作権保護技術です.

通信相手が正規のライセンスを得た機器であるかどうかを確認したうえで,鍵の共有を行うため手順をAKE(Authentication and Key Exchange: 認証および鍵共有)と呼びます.DTCP-IPでは,この認証のために,各機器はDTLAが発行する証明書を持っています.

これにより,DTCPのライセンスを受けていない機器が,コンテンツの暗号化のための鍵を取得することを防止しています.

出典:嶋久登(ソニー株式会社 技術開発本部 MT開発部)「知っておきたいキーワード 第5回 DTCP-IP」映像情報メディア学会誌 Vol.60, No.5, pp.746-747 (2006)(2026年8月15日確認)

さらに、デジオンは自社の技術紹介でこう説明しています。

Marlin DRMやDTCP-IPといったコンテンツの保護機構を使用するにあたっては、機器ごとに「デバイスキー」と呼ばれる固有のデータを組み込む必要があります

このデバイスキーを供給する仕組みは法人向けのネットワークサービスとして提供され、DTCP-IPのSDKも「法人のお客様向け製品」に分類されています。個人向けに販売されている形跡は、当サイトでは確認できませんでした(「個人には売られていない」と断定できる一次資料までは確認できていません)。

出典:デジオン「鍵配信技術」DiXiM DTCP-IP SDK(法人のお客様向け製品)(2026年8月15日確認)

要するに、アプリを提供していた会社が撤退すると、そのNASを「資格のある機器」にする手段がなくなります。だから代替アプリが自然に出てくることを期待できません。当サイトは、正規のライセンスを持つ機器を使う方法だけを扱います。

クラウドに逃がす案が成立しない理由も同じ

同じ解説には、家庭内に伝送を閉じ込める仕組みも書かれています。

DTCP-IPでは,TTL(Time to Live)による制限と,ソース機器とシンク機器の間の往復遅延時間(RTT: Round Trip Time)による制限で,伝送のローカライズをしています.

具体的には,AKE手順での通信でTTLを3以下とすることで,ルータを3段以上通した認証はしないようにしています.また,往復遅延時間が7ms以内であると確認できなければ,鍵共有を行わないようにしています.

ルーター3段以内・往復7ms以内という制約は、事実上「同じ家の中のLAN」を意味します。録画番組をクラウドストレージへ逃がす道は、原理的に用意されていないということです(NASとクラウドの比較)。

5. sMedio DTCP MOVEの代替になるDTCP-IP対応NAS——2026年8月時点で残っている道

ここからが受け皿の話です。海外製NASへの後付けは消えましたが、国内メーカーの対応機は残っています(ただし後述のとおり、残った側もラインアップは痩せています)。

# 選択肢 DTCP-IPの扱い 実売の目安 録画に使える容量 2026年8月15日時点の状態
バッファロー LinkStation LS720D 標準搭載(追加ソフト不要) 8TBモデル 98,700円前後 RAID 1なら4TB(4TB×2のミラー) 新品で買える(生産終了表示なし)
I-O DATA LAN DISK A + 有償ライセンス ライセンス1,019円で後付け ライセンス1,019円(本体費用は別) 本体しだい ⚠️ライセンスは販売中/本体は生産終了・在庫限りが大半=すでに持っている人向け
I-O DATA RECBOX HVL-RS 録画専用機として標準対応 HVL-RS8が61,500円前後 8TB(地デジ約1,025時間・公式の目安) 新品で買えるのは実質HVL-RS8だけ(縮小中)

価格の確認日:2026年8月6日(実売価格は変動します。最新価格は各販売店でご確認ください)

5-1. バッファロー LinkStation LS720D——追加ソフトを買わなくていい安心感

いちばん素直な選択肢です。当サイトは同機を保有しておらず、以下はバッファロー公式の記述にもとづきます。

バッファロー公式の製品ページには「地上デジタル放送の録画番組を、ダビング・ムーブ・他のテレビからも観ることができるDTCP-IPに標準対応。」と書かれており、アプリを別途購入する必要がありません。つまり今回のような「アプリの販売元が撤退する」リスクを、構造的に受けにくい形です。

公式は機能を「レコーダーに録画された録画番組をNASへダビングし、ネットワークでつながった他の部屋のテレビなどで再生できます」と説明しています。地上デジタル放送の録画番組のダビング・ムーブ、他のテレビからの視聴に対応し、LS700シリーズはDTCP-IPの3ストリーム同時利用にも対応します。家族が別々の部屋で、別々の番組を同時に見られるということです。

実売は、8TBモデル(4TB×2)が98,700円前後、4TBモデル(2TB×2)が84,380円前後です(2026年8月14日確認)。差額は14,320円で容量は倍になるので、録画をまとめて置く目的なら8TBモデルのほうが割り切りやすいと考えます。どちらもRAID 1(ミラーリング)で使うと利用できる容量は半分です。

なお量販店での取扱いは細いままです。当サイトが確認した範囲で在庫があったのはAmazon.co.jp本体(Amazon専売型番のLS720D0802/N)と楽天市場・Yahoo!ショッピングの数店で、店ごとの価格差も大きい状態でした(2026年8月3〜5日確認)。

正直に付け加えると、「国産だから安い」はもう成立しません。バッファローは2026年に希望小売価格を3回改定しており(1月・6月・8月3日)、LS720D0402の希望小売価格は47,630円→50,160円→73,480円→98,120円と推移しています。今の実売はこの改定を反映した水準です。

出典:バッファロー LS720D0802/N 製品ページLS720D0802 製品ページ価格改定に関するお知らせ(2026年7月23日)(製品ページは2026年8月15日確認)

⚠️ 注意点も書いておきます。LS720Dの保証期間は1年です。そして同社の製品ページに載るデータ復旧サービスの案内には、保証内の軽度な論理障害であっても「(地上デジタル放送等のテレビ録画データは復旧できません。)」と明記されています(LS720D0802/N 製品ページ・2026年8月15日確認)。壊れたら録画は戻らないという前提で運用してください。

5-2. I-O DATA LAN DISK A + 有償ライセンス——「後付け」は生きているが、対応本体は終売が進んでいる

「後付けでDTCP-IPを足す道は全滅した」と書くと誤りになります。I-O DATAは、LAN DISK Aシリーズ(HDL-AAX/HDL2-AAX/HDL2-AAX/E などのHDL(2)-AA系)に対して、有償ライセンスキーLDOP-LS/DT(ESD)を販売しています。価格は1,019円(税込・ライセンスキーメール版)で、2026年8月15日時点で購入可能でした。

公式の対応表には、対象シリーズの注記としてこう書かれています。

※別途、有償ライセンスキー「LDOP-LS/DT(ESD)」をご購入いただくことでDTCP-IP機能をご利用いただけます。

手順は3ステップです。1. ライセンスキーを購入 → 2. メディアサーバー機能をインストール → 3. 番組録画(DTCP-IP)対応版へアップグレード。インターネットに接続できる環境が必要で、事前に手持ちの録画機器が対応しているかの確認も要ります。

出典:I-O DATA「新LAN DISK DTCP-IP機能対応表」(対応表の最終更新は2019年7月5日)/ダビング先として使う手順(Q&A 30330)ioPLAZA LDOP-LS/DT(ESD) 販売ページ(2026年8月15日確認)

ただしこれから本体を買う道としては勧められません。I-O DATA公式のラインアップ表では、対応する本体がこう縮んでいます(後継はいずれもHDL1-LE/HDL2-LEシリーズ)。

  • 2ベイ HDL2-AAXシリーズ:2TBは在庫限り、4〜16TBは2025年3月〜2026年2月に生産終了
  • 2ベイ HDL2-AAX/Eシリーズ:2TBは在庫限り、残りは生産終了
  • 1ベイ HDL-AAXシリーズ:全機種が生産終了

しかも後継のLEシリーズは、上のDTCP-IP機能対応表に載っていません(対応表の最終更新は2019年7月5日)。この道が確実に生きているのは「対応表に載っている本体をすでに持っている人」だと考えてください。新品で受け皿を用意したい人は、5-1か5-3を見てください。

出典:HDL2-AAXシリーズHDL2-AAX/EシリーズHDL-AAXシリーズ(2026年8月15日確認)

⚠️ 当サイトのNAS比較記事で法人・SOHO向けとして紹介しているI-O DATA HDL2-AAX4/Eは、この対応表の「HDL2-AAX/Eシリーズ」に該当します。ただし同機は2026年7月15日に生産終了(後継はHDL2-LE04/E)で、個別型番での動作確認も当サイトでは実施していません。また対応表そのものの最終更新が2019年と古いため、手持ちの機器で使えるかはI-O DATAへ型番を伝えて確認することを勧めます。

5-3. I-O DATA RECBOX HVL-RS——現行だが、ラインアップは痩せている

録画の保存に特化した専用機です。汎用NASのようなファイル共有機能より、録画の受け皿としての作り込みが優先されています。当サイトは同機を保有しておらず、以下はI-O DATA公式の記述にもとづきます。公式は「ドラマやアニメなどのタイトルを設定するだけで、新しくレコーダーに録画された番組を自動でRECBOXにダビングできます」と説明しており、毎週の録画を手作業で移す必要がありません。保存できる目安も公式に出ていて、8TBなら地デジで約1,025時間です。ただし2026年のラインアップはこうなっています。

型番 容量 メーカー希望小売価格(税込) 公式の表示
HVL-RS2 2TB 40,260円 2026/7/15 生産終了
HVL-RS3 3TB 44,000円 2026/7/15 生産終了(後継 HVL-RS4)
HVL-RS4 4TB 61,160円 在庫限り
HVL-RS6 6TB 64,900円 在庫限り
HVL-RS8 8TB 84,590円 終了表示なし(現行)
HVL-RS12 12TB 122,760円 受注生産
HVL-RS16 16TB 151,030円 受注生産

7機種のうち、通常どおり買える現行モデルとして残っているのは実質HVL-RS8だけという状態です。上の表はメーカー希望小売価格で、実売はこれより安く、HVL-RS8が61,500円前後(在庫限り表示のHVL-RS4は51,537円前後)です(いずれも2026年8月15日確認)。定価と実売の差が大きい製品なので、比較するときは同じ種類の価格どうしで見てください。

また、姉妹シリーズのHVL-LSは全モデルが生産終了か在庫限り(HVL-LS8も2026年7月15日に生産終了)、HVL-AASは全モデルが2021〜2022年に生産終了しています。

出典:I-O DATA RECBOX HVL-RSシリーズHVL-LSシリーズHVL-AASシリーズ(2026年8月15日確認)

sMedio DTCP MOVEの販売終了(4月末〜5月初旬)と、RECBOX 3機種(HVL-RS2・RS3と姉妹シリーズのHVL-LS8)の生産終了(7月15日)は、同じ年に起きた別々の出来事です。両者を結ぶ説明はどこにも公表されていないので、当サイトは因果関係を書きません。事実として言えるのは「2026年は、後付けの道も専用機のラインアップも同時に縮んだ年になった」ということだけです。

5-4. ①と③、どちらを選ぶか——価格差の正体

同じ「8TB」でも、①LS720Dは98,700円前後、③RECBOX HVL-RS8は61,500円前後で、①のほうが37,200円高いです。しかも①をRAID 1で使うと録画に置けるのは4TBなので、録画に使える容量あたりで見ると差はさらに開きます

この差は「①が割高」なのではなく、買っているものが違うためです。①は録画のほかに写真・書類の共有やバックアップにも使える2ベイの汎用NASで、HDDを2台のミラー構成にできます。③は録画の受け皿に割り切った専用機で、8TBをそのまま録画に使えます。

  • 録画だけを置きたい/費用を抑えたい → ③(HVL-RS8)
  • すでにNASを持っている(Synology・QNAP・ASUSTOR等)→ ③を足して分担写真・書類はいまのNASのまま、録画だけ③に任せるのがいちばん安く済みます(→FAQ Q7)
  • NASを持っておらず、録画も家族の写真・書類も1台にまとめたい → ①(LS720D)

当サイトが商品広告を掲載しているのは①(本文中)とブルーレイ関連品(記事末)だけで、③には広告を置いていません。そのうえで、③のほうが安く済む人がいることは上のとおりです。

6. どの道を選んでも共通する弱点——録画は「普通のメンテ」で消える

選択肢を並べたうえで、買う前に知っておくべき共通の弱点を、3社の公式の記述から書きます(Synologyは「これから選ぶ人」ではなく、いま使っている人への注意です)。

  • Synology:HDD交換で再インストールが必要になると、提供終了後はパッケージを入れ直せない(公式)
  • バッファロー LS720D:データ復旧サービスでも「地上デジタル放送等のテレビ録画データは復旧できません。」(公式)
  • I-O DATA RECBOX:修理窓口の案内に「なお、ハードディスクに保存されているデータは、修理検査時に消去を伴います。」(公式)

出典:I-O DATA「RECBOX 修理のご案内」(2026年8月15日確認)

メーカーも機種も違うのに、着地点は同じです。故障・交換・修理という、機器を長く使えば必ず来るイベントで、録画は失われ得ます。データ復旧の記事でも触れましたが、放送録画は「復旧サービスの対象外」と公式に書かれている数少ないデータです。

もうひとつ、メーカーの検証範囲にも注意してください。I-O DATAはRECBOXのページに「2021年発売のnasne(NS-N100)は未確認です。」と注記しています。バッファローもnasne(ナスネ)®対応情報で「SIE製nasne®との動作検証は行っておりません」と書いています(2026年8月14日確認)。DTCP-IPまわりは、メーカー自身が検証していない組み合わせだらけなのが実情です。自分の手持ちのレコーダー・テレビと、買おうとしている機器の組み合わせが対応表に載っているか、シリーズ名ではなく型番で確かめてから買ってください(テレビ側もDTCP-IP対応が必要です)。

7. そもそも貯めない、という選択

ここまで読んで「思ったより面倒だ」と感じた人へ。録画を資産として残す必要が本当にあるかを、いちど考え直す価値があります。

  • 見たら消す派:ネットワークレコーダー(nasne NS-N100など)で足ります。実売36,100円前後・内蔵2TB(外付けHDDは1台まで)で、録画を長期保存しない前提ならDTCP-IP対応NASを買う理由はありません(容量の制約はnasneの記事で詳しく比較しています)
  • どうしても残したい数十本がある派:ブルーレイに焼くのがいちばん確実です。機器の寿命やアプリの提供終了に左右されません。ただし焼けるのは、まだレコーダー側にある番組だけです——第2章のとおり、sMedio DTCP MOVEでNASへ移した録画は他の機器へ取り出せません(①③へ移した番組を書き出せるかは、当サイトでは確認できていません)。焼くならレコーダーにあるうちに動いてください
  • 今後の録画を全部貯めたい派:新しく買うならLS720DかRECBOX HVL-RS8です。LAN DISK A(HDL(2)-AAX系)をすでに持っているなら、1,019円のライセンス追加という道もあります

SIE製nasneの録画をどこへ逃がすかで悩んでいる人は、所要日数や失敗リスクまで踏み込んだnasneの録画番組はどこへ移行する?を読んでください。NASを買うより安く済む方法も比較しています。

一方で「録画は割り切る。写真・動画・書類こそNASに集約したい」という結論になったなら、DTCP-IPは判断材料から外して構いません。その場合は家庭用NASのおすすめランキングNAS比較で、速度・アプリ・サポートを基準に選ぶほうが満足度が高くなります。

8. よくある質問(FAQ)

Q1. sMedio DTCP MOVEを購入済みです。すぐ使えなくなりますか?
A. いいえ。GreenBee公式は「販売終了後も、引き続き本製品をご利用いただけます」と告知しています。ただし新たな機能の追加やアプリケーションの更新は原則として行われません。同社はセキュリティ上の問題を修正したアップデートを提供しており、購入済みユーザーには最新版への更新を案内しています。
Q2. SynologyのNASでHDDを交換したらどうなりますか?
A. Synology公式は、パッケージセンターでの提供終了後に「ハードディスク交換により『sMedio DTCP MOVE』パッケージの再インストールが必要な場合」は、再びパッケージセンターからインストールできないと案内しています。返金はなく、データの移行サービスの提供もありません。問い合わせ先はGreenBee株式会社です。
Q3. いまSynologyに貯めてある録画は、LS720DやRECBOXへ引っ越せますか?
A. できません。GreenBee公式の製品ページにあるFAQは、「NASから他の録画機器へ番組をムーブすることはできますか?」という問いに「著作権保護された番組に関しては、NASから他の録画機器へ番組をムーブすることはできません。」と答えています(コピーフリーの番組は移せると書かれていますが、地上デジタル放送の番組には通常コピー制御がかかっています)。稼働中の環境で再生することはできますが、他の機器へ持ち出す道は用意されていません。新しい機種は「いまある録画の引っ越し先」ではなく、これから録る番組の受け皿として選ぶことになります。
Q4. QNAPやASUSTORでは今も購入できますか?
A. 当サイトでは確認できていません。GreenBeeは「各NASメーカー様からの販売も順次停止させていただいております」と告知していますが、QNAP公式の紹介ページには2026年8月15日時点で販売終了の記載がなく、両社のアプリストアでの現在の購入可否は実機がないため確認できませんでした。購入前に各社のアプリストアで直接ご確認ください。
Q5. 別のアプリやオープンソースのソフトで代用できませんか?
A. できません。DTCP-IPはソフトを入れれば動く仕組みではなく、DTLA(ライセンス機関)が発行した証明書を持つ機器どうしが相互認証して鍵を共有する仕組みだからです(映像情報メディア学会誌)。デバイスキーは機器ごとに組み込む必要があり、その供給は法人向けサービスとして提供されています。ユーザー側の工夫で解決できる領域ではありません。
Q6. 録画番組をクラウドにバックアップできませんか?
A. できません。DTCP-IPはルーター3段以内(TTL 3以下)・往復遅延7ms以内でなければ鍵共有を行わない仕様で、家庭内LANに伝送を閉じ込めています。インターネットの向こう側にあるクラウドは、原理的に対象外です。
Q7. いま使っているSynology・QNAPのNASは無駄になりますか?
A. いいえ。録画以外の用途——写真・動画・書類の保管、バックアップ、共有、スマホ同期——は今までどおり使えます。変わるのは「テレビ録画の受け皿にはできない」という一点だけです。録画だけを国内メーカーの対応機に分担させる、という構成が現実的です。
Q8. これから買うなら、どれがいちばん安全ですか?
A. 追加ソフトの購入が不要な機種です。バッファロー LS720DはDTCP-IPを標準搭載しているため、今回のような「アプリの販売元が撤退する」形の影響を受けにくい構成です。RECBOXも録画専用機で追加ソフトは不要ですが、ラインアップの縮小が進んでいるぶん型番の確認が要ります(2026年8月15日時点で生産終了・在庫限り・受注生産の表示がないのはHVL-RS8)。この回答でLS720Dを先に挙げているのは、シリーズ全体に生産終了・在庫限りの表示が出ていないためです。なおLAN DISK A + ライセンスは、本体の生産終了が進んでいるためこれから買う人向けではありません
Q9. LS720DとRECBOX HVL-RS8、結局どちらを買えばいいですか?
A. 録画だけが目的ならRECBOX HVL-RS8、写真や書類もまとめて置きたいならLS720Dです。2026年8月15日時点の実売はHVL-RS8が61,500円前後、LS720D 8TBが98,700円前後で、差は37,200円です。ただしLS720Dの8TBは4TB×2で、RAID 1で使うと録画に置けるのは4TBになります(容量の数え方が違うので、金額だけで比べないでください)。LS720Dは汎用NASなのでファイル共有やスマホ同期にも使え、シリーズ全体に生産終了・在庫限りの表示が出ていない点も安心材料です。一方RECBOXは録画に割り切った作りで、HVL-RS8以外の型番は生産終了・在庫限り・受注生産のいずれかなので、型番の確認が要ります。

まとめ:狭くなったが、閉じてはいない

この記事の要点

  • sMedio DTCP MOVEは2026年4月末〜5月初旬に販売終了(GreenBee公式)。購入済みなら継続利用可・新機能追加やアプリ更新は原則なし。理由は「諸般の事情により」で非公表
  • Synologyは2026年5月7日に販売終了、DSMの次期メジャーバージョンでパッケージセンターから削除。HDD交換で再インストールが必要になると入れ直せず、返金もデータ移行サービスもありません
  • sMedio DTCP MOVEでNASへ貯めた録画は、他の機器へムーブして取り出せません(GreenBee公式FAQ)。新しい機種は「いまある録画の引っ越し先」ではなく、これから録る番組の受け皿として選ぶことになります
  • 消えたのは海外製NASに録画機能を後付けする道です。「NASに録画を残す道が全滅した」わけではありません
  • 2026年8月15日時点で新規に買えるのは2つバッファロー LS720D(DTCP-IP標準搭載・8TB 98,700円前後)とI-O DATA RECBOX HVL-RS8(実売61,500円前後)。同じ8TBでも差は37,200円あり、録画だけが目的ならHVL-RS8のほうが安く済みます(使い分けは5-4)。すでにLAN DISK A(HDL(2)-AAX系)を持っている人には1,019円のライセンス追加というもう1つの道があります(第5章の②。本体は生産終了・在庫限りが大半)。価格の確認日は2026年8月6日
  • ただしRECBOXは2026年7月15日にRS2・RS3が生産終了。RS4・RS6は在庫限り、RS12・RS16は受注生産です。選べる余地そのものが縮んでいます
  • どの機種でも、故障・HDD交換・修理という普通のメンテナンスで録画は失われ得ます(各社公式)。録画を長く残したいなら、汎用NASに機能を足すのではなく最初から専用機を選ぶ・本当に残す番組は円盤に焼く、という分担が確実です

録画の保存先を探してこの記事にたどり着いた人には、遠回りに見えたかもしれません。それでも「買ってから対応していないと気づく」よりは早いはずです。型番まで確認して選べば、まだ道は残っています。

なお、この記事の末尾に置いているのはBD-Rメディア(50枚パック)です。第7章のとおり、円盤にしてしまえばアプリの提供終了にも機器の寿命にも左右されません。焼く作業はブルーレイドライブを搭載したレコーダーなら本体だけでできるので、追加の機器もソフトも要りません(nasneのようなチューナー単体機やHDDのみのレコーダーでは焼けません)——ただし焼けるのは、まだレコーダーに残っている番組だけです。当サイトはこのメディアを保有・検証していません。お使いのレコーダーが対応するメディアの種類(BD-R/BD-RE・1層/2層)は、取扱説明書で確認してください。