本記事の比較・おすすめは、広告報酬の多寡ではなく、公表スペックと技術的根拠にもとづいて選んでいます。運営者は ReadyNAS の実機を所有していません。ReadyNAS 側の記述は NETGEAR の公式ページ・公式KB(2026年9月20日確認)にもとづく調査記事で、移行作業の実機検証は行っていません。
RN212 や RN214、RN422 を使っていて、「そろそろ替えどきなのか」「替えるならデータをどう移すのか」で止まっている人向けの記事です。NETGEAR の公式情報では、終わっている機能と、いま動いている機能の線引きがはっきりしています。まずその線引きを日付つきで確認し、そのうえで移行の実務と後継候補をまとめます。
この記事の結論
- いま動いているなら、買い替えを急ぐ理由は公式情報からは出てきません。ただし ReadyCLOUD(外出先アクセス)は2023年7月1日に終了し代替サービスの提供もなく(告知時点=2023年3月)、アプリの追加もできません。セキュリティ修正が出る保証も公式には示されていないので、ポート開放したままの外部公開はやめてください
- 移行は「ネットワーク越しにファイルをコピーする」一択。ディスクを他社NASへ挿し替える方法はメーカー公式に案内がありません。目安は1TBあたり2.5〜3.7時間
- 後継は用途で3択:2ベイ最小なら DS223j(約36,000円)、2.5GbEと拡張なら DS225+(約64,000円)、4ベイでRAID 5なら DH4300 Plus(約48,300円)
ReadyNAS でいま終わっているもの、動いているもの
NETGEAR の公式ページ・公式KBで確認できた事実だけを並べます。日付は告知に書かれているものです。
| 項目 | 公式に確認できる状態 |
|---|---|
| ReadyCLOUD(外出先アクセス・写真同期) | 2023年7月1日に終了(無線ルーター搭載版は2023年4月4日)。告知に「2023年3月現在、ReadyCLOUD の代替となるサービス提供は行っていない」と明記 |
| ReadyNAS Remote / ReadyNAS Photos2 | 2017年9月30日に終了。当時の代替として案内されたのが ReadyCLOUD |
| 管理画面のアプリ(Apps)インストール機能 | ReadyNAS OS 6.10.10 で削除。同バージョンでは Cloud ページから ReadyCLOUD の項目も削除される |
| SMB などローカルアクセス | ReadyCLOUD 終了後も引き続き利用可能(終了告知に明記) |
| 本体の販売 | 日本法人の「販売終了製品」一覧に RN202・RN204・RN212系・RN31400・RN31600・RN422・RN424・RN426 などが掲載。日付を確認できたものは2019〜2022年 |
| ReadyNAS OS 6 のサポート終了日 | 公式に明示された告知は、当サイトが探した範囲では見つかりませんでした |
出典:ReadyCLOUD 機能サポート終了のお知らせ/ReadyNAS Remote・Photos2 サービス終了/ReadyNAS OS 6.10.10 リリースノート/販売終了製品一覧(いずれも2026年9月20日確認)
「サポート終了日」は公式に無く、ポリシーだけがある
NETGEAR は全社の End of Service ポリシーとして「原則として、EOS(ファームウェア更新の提供停止)は最終販売日の3年後」と公開しています。販売終了一覧で日付が確認できた型番は2019〜2022年なので、このポリシーを機械的に当てはめれば2022〜2025年が該当します。ただしReadyNAS OS 6 を名指しして「この日でサポートを終了する」と述べた公式告知は見つかりませんでした。当サイトが書けるのはここまでです。
ファームウェアの現在地は 6.10.10 です(ReadyCLOUD と Apps インストール機能を削除する保守リリース)。対象機種は ARM が RN102・RN104・RN202・RN204・RN212・RN214・RN2120、x86_64 が RN312・RN314・RN316・RN422・RN424・RN426・RN516 ほかです。ひとつ前の 6.10.9 はリリースノートに "This firmware addresses security vulnerabilities." と書かれたセキュリティ修正版でした。「6.10.10 が最終版」と NETGEAR が述べた記述は確認できていません。
判断に使える線引き
- 外出先からのアクセスやアプリの追加が必要 → その道は公式に閉じているので、乗り換えの検討に入る
- 家庭内でファイルサーバーとして動いていて、それで足りている → 公式情報から「いつまでに替えろ」と言える材料はない
- いずれの場合も、セキュリティ修正が今後出る保証は公式に示されていないため、外部公開(ポート開放)したままの運用は避ける
外出先アクセスは、乗り換えれば戻る
ReadyCLOUD で失ったのは「外出先から自分のNASのファイルを見る」機能です。現行のNASは各社が同じ仕組みを標準で持っています。Synology は QuickConnect、QNAP は myQNAPcloud、UGREEN は DH4300 Plus が UGREENlink(公式ページに「ルーターのポート開放や専門設定は不要」と記載)、DH2300 は公式ページに「リモートアクセス」と書かれた機能です。乗り換えの目的が外出先アクセスの復活なら、後継候補のどれを選んでも満たせます。設定の実際はiPhoneからNASへアクセスする方法(QuickConnect・VPN)にまとめています。
NETGEAR 自身もReadyCLOUD の終了告知で「別のクラウドサービスの領域にデータを移行することを推奨します」と案内しています。NASを買い替えず、写真や書類をクラウドストレージへ預ける道もあります(費用の比べ方はNASとクラウドどちらが得か)。
▼ 「乗り換えの検討に入る」側だった人へ:ReadyNAS 2ベイ機からの最小構成の受け皿はこのクラスです。Synology DiskStation DS223j(2ベイ・HDD別売・SHR対応)— 楽天・Amazonの価格と在庫はリンク先でご確認ください
移行は「ネットワーク越しのコピー」一択になる
同じメーカー同士なら移行ツールやディスクの載せ替えが使えますが、ReadyNAS から他社NASへの乗り換えではその2つは選べません。NASの買い替え・データ移行ガイドで解説している3手段(HDD載せ替え・Hyper Backup・ネットワークコピー)のうち、ReadyNAS からの乗り換えで使えるのは3つ目だけです。この記事はその理由と、ReadyNAS 固有の条件に絞って書きます。
X-RAID は公式に「ReadyNAS のみで使用できる」技術とされています(全ドライブで1つのボリュームを作り、ディスク追加や大容量ディスクへの交換で自動拡張。保護機能には最低2台、3台以上なら総容量は全ディスク容量から1台分を引いた値)。さらに公式FAQは、ReadyNAS 同士でも「同じモデルであれば、ディスクの入れ替えのみで使用可能」(CPUアーキテクチャが同じ ARM 同士・x86 同士なら別モデルでも互換あり)という範囲で案内しており、OS4(RAIDiator 4.x)から OS6 へはバックアップの取得を求めています(OS4 と OS6 のディスクには互換性がない、とも明記)。
ReadyNAS のディスクをそのまま他社NASに挿して中身を読む方法は、メーカー公式には案内されていません。ディスク上の構造について解説している情報源はありますが、公式KBでの裏付けが取れなかったため、当サイトは「読める」とも「読めない」とも書きません。乗り換えの前提は「ネットワーク越しにファイルをコピーする」で組んでください。
出典:X-RAID とは(NETGEAR 公式)/よくある質問(ReadyNAS)
コピーの経路は2方向ある
| 方向 | やり方 | 出どころ |
|---|---|---|
| ReadyNAS から押し出す(push) | ReadyNAS のバックアップ機能は「同一セグメント内のシステムへ SMB/NFS/rsync/FTP を用いてファイルをコピーする」と公式FAQに記載。宛先を新NASの共有フォルダにしてジョブを作る | NETGEAR 公式FAQ |
| 新NASから引き込む(pull) | Synology は File Station の「リモートフォルダをマウント」で ReadyNAS の CIFS 共有を、QNAP は HBS 3 にリモートストレージ(SMB/CIFS・FTP・Rsync)として登録して同期ジョブを作る | Synology・QNAP の公式ヘルプ |
どちらでもデータは1回だけネットワークを通ります。PCに両方の共有をマウントしてコピーする方法は、データが2回ネットワークを通るため遅くなります。ReadyNAS 側の設定画面に触れる状態なら push、新NAS側で完結させたいなら pull、という使い分けで構いません。
移行先側の手順ページ:Synology リモートフォルダをマウント/QNAP 他ブランドNASからのデータ移行FAQ。当サイトは ReadyNAS からの移行を実機で検証していません(手順の細部は各社の最新ヘルプをご確認ください)。
所要時間は1TBあたり2.5〜3.7時間
データ量 ÷ 転送速度で概算します。当サイトが持っている速度の数字は2つです。
| データ量 | 110MB/s なら | 76MB/s なら |
|---|---|---|
| 500GB | 約1.3時間 | 約1.8時間 |
| 1TB | 約2.5時間 | 約3.7時間 |
| 2TB | 約5.1時間 | 約7.3時間 |
| 4TB | 約10.1時間 | 約14.6時間 |
110MB/s は有線1GbEの一般的な実効値、76MB/s は当サイトが DS223j(Btrfs・RAID 1・Wi-Fi 6経由)を CrystalDiskMark 8.0.6 で測った書込 76.04MB/s です。ReadyNAS での実測ではありません。有線でつなぐなら110MB/s 側、無線を挟むなら76MB/s 側に寄ると読んでください。
この表は純粋な割り算です。1ファイル数MB以下の写真や音楽が数万件あるフォルダは、この速度どおりには進みません。旧NASのデータを消すのは、新NASで件数と容量を見比べ、実際にファイルが開けることを確認してからにしてください。移行当日の段取り(共有フォルダ構成のメモ、コピー後の確認、1週間は旧NASを残す)はNASの買い替え・データ移行ガイドに7項目のチェックリストがあります。
移す前にもうひとつ。コピーで渡るのはファイルの中身だけで、共有フォルダの権限設定・ユーザーアカウント・アプリ設定は引き継がれません。裏を返せば、この方法だけはメーカーや世代を問わずに通用します。移行が終わったあとのバックアップ体制は3-2-1ルールの実践を参照してください。
後継候補:容量の増やし方で選ぶ
ReadyNAS から移る人がいちばん気にするのは「いま使っている容量を、これから先どう増やすか」です。X-RAID の「ディスクを足す/大きいものに替えると自動で広がる」に相当する仕組みがあるかどうかで、候補は分かれます。
| 機種 | ベイ | LAN | 容量の増やし方 | 外出先アクセス | 本体価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| UGREEN DH2300 | 2 | 1GbE×1 | RAID 1/RAID 0/JBOD/Basic のみ | リモートアクセス(公式ページに記載) | 約31,000円 |
| Synology DS223j | 2 | 1GbE×1 | SHR(異容量を混ぜられる・後から拡張) | QuickConnect | 約36,000円 |
| QNAP TS-216G | 2 | 2.5GbE×1+1GbE×1 | ディスクを1本ずつ大容量へ交換して拡張(公式手順あり) | myQNAPcloud | 約43,000円 |
| UGREEN DH4300 Plus | 4 | 2.5GbE×1 | RAID 5/6/10 | UGREENlink(ポート開放不要と公式に記載) | 約48,300円 |
| Synology DS225+ | 2 | 2.5GbE×1+1GbE×1 | SHR | QuickConnect | 約64,000円 |
| Synology DS925neo+ | 4+M.2×2 | 2.5GbE×2 | SHR | QuickConnect | 約118,000円 |
本体のみ・税込の実売目安(執筆時点)。記事内の価格の確認日は、最も古いもので2026年8月23日です。UGREEN の2機種(DH2300・DH4300 Plus)は2026年9月3日の価格改定の対象です。DH2300 は改定前の在庫が売り切れ、実売が31,000円台に移りました(2026年9月8日確認)。DH4300 Plus は改定前後の価格が併存しており、48,312〜65,880円と購入先によって1万円以上の差が出ます(2026年9月3日確認)。
外出先アクセスの機能名は、UGREEN がDH2300 公式製品ページ・DH4300 Plus 公式製品ページの記載(2026年9月20日確認)、Synology はQuickConnect、QNAP はmyQNAPcloudです。
▼ X-RAID に近い拡張(SHR)と、ReadyCLOUD で失った外出先アクセス(QuickConnect)をまとめて取り戻す2ベイ:Synology DiskStation DS225+(HDD別売・メモリ最大6GB)— 楽天・Amazonの価格と在庫はリンク先でご確認ください
表示しているのは本体のみの価格です(HDDは別売)。同じ型番でも、国内正規代理店品と並行輸入品ではサポート窓口が異なります。
RN212/RN214(2ベイ)からの置き換え
2ベイで同じ使い方ができる DS223j か DS225+ が最短です。速度にこだわらず本体費用を抑えるなら DS223j、2.5GbEのハブやPCがある(または今後そろえる)なら DS225+。DH2300 は本体価格が最も低い一方で、RAIDは1/0/JBOD/Basic に限られます。
RN422/RN424(4ベイ)からの置き換え
4ベイを使っていたなら、DH4300 Plus(RAID 5/6/10)か DS925neo+(SHR)です。価格差は約69,700円(DH4300 Plus は改定前在庫の目安・改定後価格なら差は縮む)あり、DS925neo+ は 2.5GbE×2・M.2×2・メモリ増設という上積みに対する差額です。4ベイで RAID 5 を組みたいだけなら DH4300 Plus で足ります。
RN102・RN202・RN204 は上の2系統(2ベイ・4ベイ)と同じ考え方で選べます。RAID を組まず1本で使っていた場合は、容量が同じでも2ベイにして RAID 1 を組むと、ディスク1本の故障でデータが消えなくなります。
テレビ録画を置いている人だけの話を1つ。DTCP-IP の録画を移したい場合、受け皿になるのは BUFFALO の LinkStation などに限られます。ただしReadyNAS 側が DTCP-IP に対応していなければ、そもそも移せる録画データはありません。まず旧機側の対応可否を確認してください。
SHR を「X-RAID の後継」として選ぶ前に
X-RAID に最も近いのは Synology の SHR です。異なる容量のHDDを混ぜても容量を活かせて、あとからディスクを足したり大きいものに替えたりして拡張できます。ReadyNAS の使い勝手をそのまま引き継ぎたい人には、いちばん違和感が少ない選択肢です。
ただし、SHR は Synology 専用で、他社NASとの互換性はありません。当サイトのSHRと標準RAIDの違いは「他社NASへ移行する可能性があるなら標準RAID」と結論づけています。ReadyNAS の X-RAID で一度この乗り換えコストを払った人に、同じ構図をもう一度勧めることになる、という点は先に書いておきます。
判断の軸は2つです。
- 今後もそのメーカーで更新していくつもりがある(日本語情報の多さやアプリで選んでいる) → SHR の利便性を取ってよい
- 数年後にまた別メーカーへ移るかもしれない → 標準の RAID 1/RAID 5 で組む。QNAP の「1本ずつ大容量へ交換して拡張する」公式手順のように、標準RAIDのまま容量を伸ばす道もある
他社NASへ移るときにコピーが必要になるのは標準RAIDでも同じです。標準RAIDを選ぶ利点は乗り換え先が広がることではなく、容量の計算が単純で、故障したときに他の機器へ持ち出して中身を確認する手段が残りやすいことにあります。そこに価値を感じないなら、SHR の拡張のしやすさを取ってかまいません。
標準RAIDのまま容量を伸ばす道を重く見るなら、QNAP も候補に入ります。2社の違いはSynologyとQNAPの比較にまとめています。
よくある質問(FAQ)
まとめ
- 公式に終わっているのは ReadyCLOUD(2023年7月1日・代替サービスは告知時点の2023年3月になし)とアプリの新規追加(6.10.10 で削除)。ReadyNAS OS 自体のサポート終了日は公式に明示がなく、家庭内のファイル共有は今も動く
- 移行はネットワーク越しのコピー一択。ReadyNAS の Backup ジョブ(SMB/NFS/rsync/FTP)で押し出すか、新NAS側から引き込む。1TBあたり2.5〜3.7時間を見込み、旧NASは1週間残してから消す
- 後継は容量の増やし方で選ぶ。X-RAID に近いのは SHR(DS223j/DS225+/DS925neo+)だが Synology 専用。また別メーカーへ移る可能性があるなら標準RAIDで組む
移行手順の詳細はNASの買い替え・データ移行ガイド、機種の最終決定は家庭用NASおすすめランキングの該当順位(DS223j/DS225+)で確認してください。4ベイの受け皿として挙げた DH4300 Plus は4ベイNASの比較にあります。
比較した6機種はすべてHDDが別売です。2ベイ・RAID 1(実効4TB)で組むなら、NAS用HDDを2本そろえるところから始まります。
▼ FAQ の総額計算で使っているHDD:WD Red Plus 4TB(NAS用・CMR・RAID 1なら2本)— 楽天・Amazonの価格と在庫はリンク先でご確認ください