更新日:2026年7月26日|カテゴリ:製品レビュー・比較

本記事のおすすめ・ランキング・比較は、広告報酬の多寡ではなく、公表スペック・技術的根拠にもとづいて選定・評価しています。

Synologyの2ベイNASを検討すると、必ずと言っていいほど候補に上がる2機種が DS224+DS223j です。価格差は約16,000円ありますが、その差は何なのか——迷っている方は多いはずです。

⚠ 2026年7月時点の補足:DS224+は終売しました
DS224+はメーカー出荷を終了し、後継のDS225+(CPUは同じIntel Celeron J4125、ネットワークが2.5GbE+1GbEに強化/実売約64,000円)が現行モデルです。これから新規購入するならDS225+か、HDD互換性が自由なUGREEN DXP2800(約51,000円)が基本の選択肢になります。本記事は中古・在庫処分でDS224+を検討する方向けの比較としてご参照ください。最新の入門機選びはDS223jレビュー2ベイNASランキングもどうぞ。

結論から言うと、写真・動画の閲覧・共有メインなら DS224+、シンプルなファイル保存・バックアップ用途なら DS223j で十分です。

この記事では7つの観点で両機種を徹底比較し、あなたの用途に合った選択をサポートします。

スペック比較表

項目 DS224+ DS223j
発売年 2023年 2023年
CPU Intel Celeron J4125(4コア 2.0GHz) Realtek RTD1619B(4コア 1.7GHz)
RAM 2GB DDR4(最大6GB増設可) 1GB DDR4(増設不可)
M.2 SSDスロット 非搭載 非搭載
ハードウェアトランスコード 対応(4K H.264/H.265) 非対応
USB 3.2 Gen 1ポート 2基 2基
LANポート 1GbE×2(Link Aggregation対応) 1GbE×1
消費電力(動作時) 約14.7W(公式値) 約16.3W(公式値)
実売価格(本体のみ・終売時) 約52,000円 約36,000円

※価格は2026年7月時点の参考価格(DS224+は終売時の実売水準)。実際の価格は販売店・時期によって異なります。


7つの観点で徹底比較

① CPU・処理性能

DS224+はIntel Celeron J4125を搭載。DS223jのRealtek RTD1619Bと比べてx86アーキテクチャのため、Dockerコンテナの実行や多くのパッケージとの互換性が圧倒的に高いです。

日常のファイル転送・バックアップ用途では両者の差を感じることは少ないですが、複数ユーザーが同時アクセスする場合やVM・Dockerを使う場合はDS224+が有利です。

② RAM(メモリ)

DS224+は2GB(最大6GBに増設可)、DS223jは1GB(増設不可)。複数のアプリを同時に動かしたい場合はDS224+が有利です。ファイル共有のみなら1GBでも問題ありません。

③ ハードウェアトランスコード(動画変換)

これが両者の最大の差です。DS224+はIntel Quick Syncによるハードウェアトランスコードに対応しており、Plex・Jellyfin等のメディアサーバーで4K動画をリアルタイム変換できます。

DS223jはソフトウェアトランスコードのみのためCPU負荷が高く、4K動画の再生がコマ落ちすることがあります。NASをメディアサーバーとして使いたいならDS224+が向いていました(現在は終売のため後継のDS225+を推奨)。

④ SSDキャッシュ(対応はDS425+以上)

DS224+・DS223jともM.2スロットは非搭載です。SSDキャッシュが必要な場合はM.2スロットを備えたDS425+やDS925+を検討してください。SSDキャッシュはHDDのランダムアクセスのレスポンスを改善できますが、DS224+・DS223jはどちらも非対応です。

ただし、SSDキャッシュは主に小さなファイルへの頻繁なアクセス(例:写真のサムネイル表示)に効果的で、大容量ファイルの転送速度向上には限定的です。

⑤ Docker・仮想マシン対応

DS224+はx86 CPUでContainer Manager(Docker)とVirtual Machine Manager(VMM)の両方に対応し、Pi-hole・VPN・ホームオートメーション等を安定して動かせます。DS223jもDSM 7.2以降はContainer Manager(Docker)に対応しますが、メモリ1GB・arm64イメージ限定で軽量用途向き。VMM(仮想マシン)はARM機のため非対応です。本格的にコンテナや仮想マシンを運用するならDS224+が有利です。

⑥ 価格

DS224+(終売時の実売約52,000円)はDS223j(約36,000円)より約16,000円高価です。HDDを2本(NAS用4TBなら各約30,000円)と合わせると、本体込みの初期費用はDS224+構成で約110,000円、DS223j構成で約96,000円になります。

⑦ 省エネ・静音性

消費電力は公式値でDS224+が約14.7W、DS223jが約16.3Wとほぼ同等。ファンの静音性も両者ともに家庭環境で許容できるレベルで、年間電気代の差も約500円程度にとどまります。


両機種とも本体のみの販売でHDDは別売です。組み合わせるなら、24時間の連続稼働を前提に設計されたNAS用HDD「WD Red Plus」が定番で、家庭のNASでも安心して長く使えます。

用途別おすすめ

用途 おすすめ機種
写真・ファイルのバックアップ・共有のみ DS223j(コスパ重視)
4K動画をメディアサーバーで再生したい DS224+(トランスコード必須)
Dockerを本格運用・仮想マシン(VM)を動かしたい DS224+(VMはARM非対応/DS223jのDockerは軽量用途のみ)
複数人で同時に大量のファイルを扱う DS224+(CPU・RAM優位)
予算を抑えてNASを始めたい DS223j(実売約34,000円〜)

FAQ(よくある質問)

Q1. DS223jでもSynology Photosは使える?

使えます。写真の管理・閲覧・共有はDS223jでも問題なく動作します。ただし動画のトランスコードが必要な場面(対応していないコーデックの動画再生など)ではDS224+が有利です。

Q2. DS224+のRAMを増設する必要はある?

一般的な家庭用途(ファイル共有・写真管理・バックアップ)では標準の2GBで十分です。DockerでVMを複数動かす場合は4〜6GBへの増設を検討してください。

Q3. DS223jからDS224+に後でアップグレードできる?

HDDをそのまま移植できます(DS223jのHDD交換・移植手順で実機手順を解説しています)。DS223jのHDDをDS224+に挿し替えるだけで、データをそのまま引き継いで使用できます(SHR・Btrfsの場合)。

Q4. どちらもSynology保証は同じ?

保証はDS224+(Plusシリーズ)が3年、DS223j(Jシリーズ)が2年です。延長保証プラン(Extended Warranty Plus)で保証を+2年でき、DS224+は最大5年、DS223jは最大4年まで延長できます。

Q5. DS223jのメモリは増設できる?

できません。DS223jのメモリ(1GB DDR4)はオンボード実装で増設・交換に非対応です。写真・書類のバックアップ中心なら1GBでも実用上の不足は感じにくいですが、Dockerや複数アプリを同時に動かしてメモリに余裕を持たせたいなら、メモリを最大6GBまで増設できるDS224+(後継はDS225+)を選ぶのが確実です。「メモリ不足で動作が重い」という将来の不満を、機種選びの段階で避けられます。

Q6. DS224+の後継モデルは出る予定?

Synologyは通常2〜3年サイクルで後継モデルを発売する傾向があります。DS224+は2026年6月に終売し、現行の後継機はDS225+です。新品在庫や中古を見かけた場合は、DS225+の実売価格(約64,000円)と比べて十分に安いかどうかで判断してください。

中古・在庫品のDS224+を買うときのチェックリスト

終売後は中古市場やショップの在庫品が主な入手経路になります。中古NASは中身のデータごと取引される特殊な商品で、個体差・状態差も大きく、購入は自己責任が前提です。トラブルを避けるため、購入前に次の5点を必ず確認してください。

  1. メーカー保証の残り:DS224+(Plusシリーズ)の保証は購入日から3年です。購入証明(レシート・納品書)が付属しない中古品は保証を受けられない場合があるため、保証書類の有無を必ず出品情報で確認してください。
  2. HDD付きの個体は避ける:前の所有者が24時間稼働させていたHDDは寿命を消費しており、いつ故障してもおかしくありません。本体のみの個体を選び、HDDは新品のNAS用(WD Red Plus 4TBなら約30,000円)を組み合わせるのが結局いちばん安全で安上がりです。
  3. 初期化されているか:前所有者のDSMアカウントやデータが残っている個体は、リセット(Mode 2)でDSMを再インストールしてから使います。リセットは本体内のデータをすべて消去する操作なので、引き継ぎたいデータがある個体は実行前に必ずバックアップを取ってください。出品写真でDSMのログイン画面が写っている場合は、初期化済みか出品者に確認しましょう。
  4. 付属品の欠品:ACアダプター・LANケーブル・HDD固定ネジが揃っているか。特にACアダプターの欠品は純正品の単品入手が面倒で、互換品の使用は故障リスクもあるため避けたいところです。
  5. 価格の妥当性:DS225+新品(約64,000円)と比べて1万円以上安くなければ、新品のDS225+を選ぶほうが合理的です。

2026年に買うならどうする?(終売後の選択肢)

DS224+が終売した今、この比較を読んでいる方の現実的な選択肢は次の3つです。

  • 後継のDS225+を新品で買う(実売約64,000円):CPUはDS224+と同じIntel Celeron J4125(4コア)ですが、LANが1GbE×2から2.5GbE+1GbEへ進化し、大きな写真・動画をまとめて転送するときの頭打ちが解消されます。メモリも2GB(最大6GBまで増設可)でDocker運用に余裕があり、DS224+の実質的な上位互換です。価格差が小さい今、新規購入ならこれが基本線になります。本記事の「DS224+が向いている人」はそのままDS225+に読み替えて問題ありません。
    ※DS225+は2.5GbE対応。実売・在庫は各ショップで変動するため、下のボタンから最新価格を確認してください。
  • DS224+の在庫品・中古を狙う:DS225+より1万円以上安ければ検討の価値があります。ただし中古は保証残・HDDの状態に注意し、本体のみ(HDDなし)の個体を選ぶのが安全です。上のチェックリストを確認してから判断してください。
  • 予算重視でDS223jの新品(実売約3.6万円):写真・書類のバックアップ中心ならJシリーズで十分です(同じJ同士のDS223とDS223jの違いも選ぶ際の材料にどうぞ)。本記事の比較ポイント(トランスコード・メモリ増設・Docker)が不要なら、本体の差額を1ランク上のHDD容量に回すほうが、日々の使い勝手への満足度は高くなります。

まとめ:この比較の要点

  1. DS224+とDS223jの本質的な差は「CPU(Intel vs ARM)・メモリ(2GB増設可 vs 1GB固定)・トランスコード対応」
  2. DS224+は2026年6月に終売。新規購入は後継のDS225+(2.5GbE対応・約64,000円)が基本線で、在庫・中古は1万円以上安い場合のみ検討
  3. 用途が写真・書類のバックアップ中心ならDS223jで十分。動画のトランスコード・Docker・家族複数人での同時利用が視野にあるならPlusシリーズ(DS225+)を選ぶと後悔がありません

仕様の出典:Synology公式 DS224+同 DS223j同 DS225+(2026年7月確認)