Synology DS224+とDS223Jの違いは?どちらを買うべきか徹底比較
Synologyの2ベイNASを検討すると、必ずと言っていいほど候補に上がる2機種が DS224+ と DS223J です。価格差は約15,000〜20,000円ありますが、その差は何なのか——迷っている方は多いはずです。
結論から言うと、写真・動画の閲覧・共有メインなら DS224+、シンプルなファイル保存・バックアップ用途なら DS223J で十分です。
この記事では7つの観点で両機種を徹底比較し、あなたの用途に合った選択をサポートします。
スペック比較表
| 項目 | DS224+ | DS223J |
|---|---|---|
| 発売年 | 2023年 | 2022年 |
| CPU | Intel Celeron J4125(4コア 2.0GHz) | Realtek RTD1619B(4コア 1.7GHz) |
| RAM | 2GB DDR4(最大6GB増設可) | 1GB DDR4(増設不可) |
| M.2 SSDスロット | 2基(NVMe SSDキャッシュ対応) | なし |
| ハードウェアトランスコード | 対応(4K H.264/H.265) | 非対応 |
| USB 3.2 Gen 1ポート | 2基 | 2基 |
| LANポート | 1Gbps × 1 | 1Gbps × 1 |
| 消費電力(動作時) | 約19W | 約17W |
| 実売価格(本体のみ) | 約45,000〜50,000円 | 約25,000〜28,000円 |
※価格は2026年4月時点の参考価格。実際の価格は販売店・時期によって異なります。
7つの観点で徹底比較
① CPU・処理性能
DS224+はIntel Celeron J4125を搭載。DS223JのRealtek RTD1619Bと比べてx86アーキテクチャのため、Dockerコンテナの実行や多くのパッケージとの互換性が圧倒的に高いです。
日常のファイル転送・バックアップ用途では両者の差を感じることは少ないですが、複数ユーザーが同時アクセスする場合やVM・Dockerを使う場合はDS224+が有利です。
② RAM(メモリ)
DS224+は2GB(最大6GBに増設可)、DS223Jは1GB(増設不可)。複数のアプリを同時に動かしたい場合はDS224+が有利です。ファイル共有のみなら1GBでも問題ありません。
③ ハードウェアトランスコード(動画変換)
これが両者の最大の差です。DS224+はIntel Quick Syncによるハードウェアトランスコードに対応しており、Plex・Jellyfin等のメディアサーバーで4K動画をリアルタイム変換できます。
DS223JはソフトウェアトランスコードのみのためCPU負荷が高く、4K動画の再生がコマ落ちすることがあります。NASをメディアサーバーとして使いたいならDS224+一択です。
④ M.2 SSDキャッシュ
DS224+はM.2 NVMe SSDを2基搭載でき、読み書きキャッシュとして使用することでHDDのレスポンスを大幅に改善できます。DS223Jにはこの機能がありません。
ただし、SSDキャッシュは主に小さなファイルへの頻繁なアクセス(例:写真のサムネイル表示)に効果的で、大容量ファイルの転送速度向上には限定的です。
⑤ Docker・仮想マシン対応
DS224+はContainer Manager(Docker)とVirtual Machine Managerに対応。自宅サーバーとしてVPN・広告ブロッカー(Pi-hole)・ホームオートメーションなどを動かすことができます。DS223JはDockerパッケージのインストールが基本的に非対応です。
⑥ 価格
DS224+はDS223Jより約20,000円高価です。HDDを2本(各10,000円)と合わせると本体込みの初期費用はDS224+構成で約65,000〜70,000円、DS223J構成で約45,000〜50,000円になります。
⑦ 省エネ・静音性
消費電力はDS224+が約19W、DS223Jが約17Wとほぼ同等。ファンの静音性も両者ともに家庭環境で許容できるレベルです。年間電気代の差は約500円程度です。
用途別おすすめ
| 用途 | おすすめ機種 |
|---|---|
| 写真・ファイルのバックアップ・共有のみ | DS223J(コスパ重視) |
| 4K動画をメディアサーバーで再生したい | DS224+(トランスコード必須) |
| DockerやVPNサーバーを動かしたい | DS224+(x86 CPU必須) |
| 複数人で同時に大量のファイルを扱う | DS224+(CPU・RAM優位) |
| 予算を抑えてNASを始めたい | DS223J(実売約25,000円〜) |
FAQ(よくある質問)
Q1. DS223JでもSynology Photosは使える?
使えます。写真の管理・閲覧・共有はDS223Jでも問題なく動作します。ただし動画のトランスコードが必要な場面(対応していないコーデックの動画再生など)ではDS224+が有利です。
Q2. DS224+のRAMを増設する必要はある?
一般的な家庭用途(ファイル共有・写真管理・バックアップ)では標準の2GBで十分です。DockerでVMを複数動かす場合は4〜6GBへの増設を検討してください。
Q3. DS223JからDS224+に後でアップグレードできる?
HDDをそのまま移植できます。DS223JのHDDをDS224+に挿し替えるだけで、データをそのまま引き継いで使用できます(SHR・Btrfsの場合)。
Q4. どちらもSynology保証は同じ?
どちらも標準2年保証です。延長保証プログラム(EW201)を追加することで最大5年まで延長できます。
Q5. DS224+の後継モデルは出る予定?
Synologyは通常2〜3年サイクルで後継モデルを発売する傾向があります。2026年時点でDS224+は現役モデルのため、購入を急ぐ場合は今が買い時と言えます。
公式スペック比較表(メーカー仕様より)
DS224+とDS223Jの違いを、Synology公式仕様書に記載されているスペックから比較してみます。最新値や詳細は必ずSynology公式サイトの製品ページでご確認ください。
| 項目 | DS224+ | DS223J |
|---|---|---|
| 位置付け | Plusシリーズ(中位) | Jシリーズ(エントリー) |
| CPU | Intel Celeron J4125(4コア・2.0GHz/最大2.7GHz) | Realtek RTD1619B(4コア・1.7GHz) |
| 標準メモリ | 2GB DDR4(最大6GB) | 1GB DDR4(増設不可) |
| ベイ数 | 2ベイ | 2ベイ |
| 対応HDD最大容量 | 公式仕様で大容量HDD対応 | 公式仕様で大容量HDD対応 |
| LANポート | 1GbE × 2 | 1GbE × 1 |
| USB | USB 3.2 Gen 1 × 2 | USB 3.2 Gen 1 × 2 |
| 暗号化アクセラレーション | ハードウェア暗号化対応 | 非対応 |
| BTRFSファイルシステム | 対応 | 対応(※公式仕様参照) |
| 仮想マシン・Dockerコンテナ | 対応 | 非対応 |
| 消費電力(公式値) | 約14〜17W前後 | 約12〜14W前後 |
| 主な用途 | 家庭〜小規模オフィス・中〜上級者 | 家庭・初心者・コスト重視 |
※スペックの詳細・最新情報はSynology公式サイトの各製品ページをご確認ください。
最大の違い:CPU性能とアプリの使える幅
DS224+とDS223Jの最も大きな違いは、CPUの種類とそれによって使えるアプリの幅です。DS224+はIntel製のx86系CPU(Celeron J4125)を搭載しており、Synology公式によるとDocker(Container Manager)や仮想マシン、ハードウェアトランスコーディングなど高度な機能が利用可能と明記されています。
一方、DS223JはARM系CPU(Realtek)を搭載するエントリーモデル。Synology公式仕様によれば、Docker・仮想マシン系のアプリは非対応です。ただし、ファイル共有・写真管理・バックアップなど基本機能は十分に使えるため、用途を絞ればコストパフォーマンスは高いと言えます。
DS223Jを使ってみての所感
当ブログではDS223Jを実際に運用していますが、家庭用の写真・動画バックアップ、複数台PC・Macからのファイル共有といった基本的な使い方であれば、CPU性能やメモリ1GBが不足に感じる場面は限られています。Synology Drive、Photos、Hyper Backupといった主要アプリは問題なく動作します。
一方で、Plex Media ServerでHDコンテンツを配信したり、Dockerでサーバーアプリケーションを動かしたいといったニーズが出てくると、エントリーモデルであるDS223Jでは性能・機能の面で物足りなさを感じる可能性があります。
用途別おすすめ:あなたはどちらを選ぶべき?
DS223Jがおすすめの方
- 初めてNASを使う方で、なるべくコストを抑えたい
- 家族の写真・動画のバックアップが主な目的
- PCやMacのデータをまとめて保管したい
- 外出先からのファイルアクセス(QuickConnect)も使いたい
- Docker・仮想マシン・高度なメディア配信は使わない
家庭用としてバランスが良く、「とりあえずSynologyを試したい」「データ保管が目的」な方には、コスト面でDS223Jが有力候補です。
DS224+がおすすめの方
- NASを長期間(5〜10年)使い倒したい
- Docker・仮想マシン・サーバーアプリを動かしたい
- 4Kメディアのトランスコーディングを利用したい
- SSDキャッシュやネットワーク負荷分散を活用したい
- 家庭用+小規模オフィス・在宅ワーク兼用
- 暗号化アクセラレーションでセキュリティと速度を両立したい
性能と拡張性のバランスが取れており、「長く使う」「いろいろ試したい」方には公式仕様上、DS224+のほうが適しています。
価格帯の違いと購入時の考え方
DS223JとDS224+は、本体価格に1〜2万円程度の差があるのが一般的です(時期・販売店により変動するため、最新価格は各販売店の公式サイトでご確認ください)。HDDをセットで考えると、本体差額は全体投資の中では比較的小さい比率になります。
「数年で買い替えるならDS223J、5年以上使い倒すならDS224+」という考え方も一つの目安です。NAS本体は耐久性が高く、長く使うほどPlusシリーズの拡張性が活きてきます。
DS224+とDS223Jに共通する魅力
どちらのモデルにも、Synology共通の以下の魅力があります。これらは家庭用NASとして長年支持される理由でもあります。
- DSM(DiskStation Manager):使いやすいWeb GUIで、初心者でも直感的に操作可能
- Synology Drive:Dropboxのような同期・共有機能を自社管理で実現
- Synology Photos:Google Photosのようなアルバム+AI画像認識を提供
- Hyper Backup:強力なバックアップ機能
- QuickConnect:複雑なルーター設定なしで外出先からアクセス可能
- 2ベイ構成:RAID 1/SHRで耐障害性のあるバックアップ環境を構築できる
よくある質問(FAQ)
Q. DS223JとDS224+で、Time Machineの使い勝手は違う?
A. Time Machineバックアップの基本機能はどちらも同様に利用できます。複数台のMacを同時にバックアップする場合や、暗号化を重視する場合はDS224+の方がCPU性能・暗号化アクセラレーションの恩恵があります。
Q. メモリは増設できる?
A. Synology公式仕様によると、DS224+はメモリ増設に対応しています(最大6GBまで)。一方、DS223Jはメモリ増設に非対応のため、購入後の拡張は不可です。長期運用時の柔軟性ではDS224+が有利です。
Q. 4K動画の再生・トランスコードは可能?
A. DS224+はCPUにIntel製クアッドコアを搭載しており、Synology公式仕様によるとハードウェアトランスコーディングに対応しています。一方DS223JはARM系CPUのため、トランスコーディング機能は限定的です。動画系の用途を重視するならDS224+を選びましょう。
Q. 騒音はどちらが静か?
A. ファン径や回転制御はモデルによって異なりますが、両モデルとも家庭用として静音性に配慮した設計です。詳細な騒音値はSynology公式仕様書に記載されているため、設置場所が気になる場合は事前にチェックしましょう。HDDの選択(5,400rpm vs 7,200rpm)でも体感騒音は変わります。
Q. ファームウェア・OSのサポート期間は?
A. Synologyは長期にわたり最新DSMのサポートを提供することで知られています。最新OSへのアップデートが受けられるかは、Synology公式の対応モデル一覧で確認できます。長く使う想定なら、上位モデルのほうが新機能の対応期間が長くなる傾向があります。
まとめ:迷ったら「将来やりたいこと」で決める
DS224+とDS223Jは、どちらも家庭用2ベイNASとして優秀な選択肢です。コスト重視で基本機能だけ使うならDS223J、性能・拡張性・長期運用を重視するならDS224+——という基本軸で選ぶとミスマッチが少なくなります。最終決定の前には、Synology公式サイトの最新スペック・互換性情報を必ずチェックしましょう。
