更新日:2026年6月11日|カテゴリ:製品レビュー・比較
Synologyの2ベイNASを検討すると、必ずと言っていいほど候補に上がる2機種が DS224+ と DS223J です。価格差は約15,000〜20,000円ありますが、その差は何なのか——迷っている方は多いはずです。
DS224+はメーカー出荷を終了し、後継のDS225+(CPUは同じCeleron J4125、ネットワークが2.5GbE+1GbEに強化・USB-C化/実売約62,000円)が現行モデルです。これから新規購入するならDS225+か、HDD互換性が自由なUGREEN DXP2800(約51,000円)が基本の選択肢になります。本記事は中古・在庫処分でDS224+を検討する方向けの比較としてご参照ください。最新の入門機選びはDS223jレビューや2ベイNASランキングもどうぞ。
結論から言うと、写真・動画の閲覧・共有メインなら DS224+、シンプルなファイル保存・バックアップ用途なら DS223J で十分です。
この記事では7つの観点で両機種を徹底比較し、あなたの用途に合った選択をサポートします。
スペック比較表
| 項目 | DS224+ | DS223J |
|---|---|---|
| 発売年 | 2023年 | 2023年6月 |
| CPU | Intel Celeron J4125(4コア 2.0GHz) | Realtek RTD1619B(4コア 1.7GHz) |
| RAM | 2GB DDR4(最大6GB増設可) | 1GB DDR4(増設不可) |
| M.2 SSDスロット | 非搭載 | 非搭載 |
| ハードウェアトランスコード | 対応(4K H.264/H.265) | 非対応 |
| USB 3.2 Gen 1ポート | 2基 | 2基 |
| LANポート | 1GbE×2(Link Aggregation対応) | 1GbE×1 |
| 消費電力(動作時) | 約14.7W(公式値) | 約16.3W(公式値) |
| 実売価格(本体のみ) | 約45,000〜50,000円 | 約25,000〜28,000円 |
※価格は2026年4月時点の参考価格。実際の価格は販売店・時期によって異なります。
7つの観点で徹底比較
① CPU・処理性能
DS224+はIntel Celeron J4125を搭載。DS223JのRealtek RTD1619Bと比べてx86アーキテクチャのため、Dockerコンテナの実行や多くのパッケージとの互換性が圧倒的に高いです。
日常のファイル転送・バックアップ用途では両者の差を感じることは少ないですが、複数ユーザーが同時アクセスする場合やVM・Dockerを使う場合はDS224+が有利です。
② RAM(メモリ)
DS224+は2GB(最大6GBに増設可)、DS223Jは1GB(増設不可)。複数のアプリを同時に動かしたい場合はDS224+が有利です。ファイル共有のみなら1GBでも問題ありません。
③ ハードウェアトランスコード(動画変換)
これが両者の最大の差です。DS224+はIntel Quick Syncによるハードウェアトランスコードに対応しており、Plex・Jellyfin等のメディアサーバーで4K動画をリアルタイム変換できます。
DS223JはソフトウェアトランスコードのみのためCPU負荷が高く、4K動画の再生がコマ落ちすることがあります。NASをメディアサーバーとして使いたいならDS224+が向いていました(現在は終売のため後継のDS225+を推奨)。
④ SSDキャッシュ(対応はDS425+以上)
※以前の本節ではDS224+のM.2キャッシュに触れていましたが、DS224+・DS223JともM.2スロットは非搭載です。SSDキャッシュが必要な場合はM.2スロットを備えたDS425+やDS925+を検討してください。SSDキャッシュはHDDのレスポンスを大幅に改善できます。DS223Jにはこの機能がありません。
ただし、SSDキャッシュは主に小さなファイルへの頻繁なアクセス(例:写真のサムネイル表示)に効果的で、大容量ファイルの転送速度向上には限定的です。
⑤ Docker・仮想マシン対応
DS224+はContainer Manager(Docker)とVirtual Machine Managerに対応。自宅サーバーとしてVPN・広告ブロッカー(Pi-hole)・ホームオートメーションなどを動かすことができます。DS223JはDockerパッケージのインストールが基本的に非対応です。
⑥ 価格
DS224+はDS223Jより約20,000円高価です。HDDを2本(NAS用4TBなら各約19,000円)と合わせると本体込みの初期費用はDS224+構成で約65,000〜70,000円、DS223J構成で約45,000〜50,000円になります。
⑦ 省エネ・静音性
消費電力は公式値でDS224+が約14.7W、DS223Jが約16.3Wとほぼ同等。ファンの静音性も両者ともに家庭環境で許容できるレベルです。年間電気代の差は約500円程度です。
用途別おすすめ
| 用途 | おすすめ機種 |
|---|---|
| 写真・ファイルのバックアップ・共有のみ | DS223J(コスパ重視) |
| 4K動画をメディアサーバーで再生したい | DS224+(トランスコード必須) |
| DockerやVPNサーバーを動かしたい | DS224+(x86 CPU必須) |
| 複数人で同時に大量のファイルを扱う | DS224+(CPU・RAM優位) |
| 予算を抑えてNASを始めたい | DS223J(実売約25,000円〜) |
FAQ(よくある質問)
Q1. DS223JでもSynology Photosは使える?
使えます。写真の管理・閲覧・共有はDS223Jでも問題なく動作します。ただし動画のトランスコードが必要な場面(対応していないコーデックの動画再生など)ではDS224+が有利です。
Q2. DS224+のRAMを増設する必要はある?
一般的な家庭用途(ファイル共有・写真管理・バックアップ)では標準の2GBで十分です。DockerでVMを複数動かす場合は4〜6GBへの増設を検討してください。
Q3. DS223JからDS224+に後でアップグレードできる?
HDDをそのまま移植できます。DS223JのHDDをDS224+に挿し替えるだけで、データをそのまま引き継いで使用できます(SHR・Btrfsの場合)。
Q4. どちらもSynology保証は同じ?
保証はDS224+(Plusシリーズ)が3年、DS223J(Jシリーズ)が2年です。延長保証プログラム(EW201)を追加することで最大5年まで延長できます。
Q5. DS224+の後継モデルは出る予定?
Synologyは通常2〜3年サイクルで後継モデルを発売する傾向があります。DS224+は2026年6月に終売し、現行の後継機はDS225+です。新品在庫や中古を見かけた場合は、DS225+の実売価格(約62,000円)と比べて十分に安いかどうかで判断してください。
2026年に買うならどうする?(終売後の選択肢)
DS224+が終売した今、この比較を読んでいる方の現実的な選択肢は次の3つです。
- 後継のDS225+を新品で買う(実売約62,000円):CPUは同じIntel Celeron J4125ながらLANが2.5GbEに進化し、DS224+の実質的な上位互換です。価格差が小さい今、新規購入ならこれが基本線になります。本記事の「DS224+が向いている人」はそのままDS225+に読み替えて問題ありません。
- DS224+の在庫品・中古を狙う:DS225+より1万円以上安ければ検討の価値があります。ただし中古は保証残・HDDの状態に注意し、本体のみ(HDDなし)の個体を選ぶのが安全です。
- 予算重視でDS223Jの新品(実売約3〜3.5万円):写真・書類のバックアップ中心ならJシリーズで十分です。本記事の比較ポイント(トランスコード・メモリ増設・Docker)が不要なら、本体の差額を1ランク上のHDD容量に回すほうが、日々の使い勝手への満足度は高くなります。
中古・在庫品のDS224+を買うときのチェックリスト
終売後は中古市場やショップの在庫品が主な入手経路になります。NASは中身のデータごと取引されるリスクがある特殊な中古品なので、トラブルを避けるため購入前に次の5点を必ず確認してください。
- メーカー保証の残り:DS224+(Plusシリーズ)の保証は購入日から3年です。購入証明(レシート・納品書)が付属しない中古品は保証を受けられない場合があるため、保証書類の有無を必ず出品情報で確認してください。
- HDD付きの個体は避ける:前の所有者が24時間稼働させていたHDDは寿命を消費しており、いつ故障してもおかしくありません。本体のみの個体を選び、HDDは新品のNAS用(WD Red Plus 4TBなら約19,000円)を組み合わせるのが結局いちばん安全で安上がりです。
- 初期化されているか:前所有者のDSMアカウントやデータが残っている個体は、リセット(Mode 2)でDSMを再インストールしてから使います。出品写真でDSMのログイン画面が写っている場合は、初期化済みか出品者に確認しましょう。
- 付属品の欠品:ACアダプター・LANケーブル・HDD固定ネジが揃っているか。特にACアダプターの欠品は純正品の単品入手が面倒で、互換品の使用は故障リスクもあるため避けたいところです。
- 価格の妥当性:DS225+新品(約62,000円)と比べて1万円以上安くなければ、新品のDS225+を選ぶほうが合理的です。
まとめ:この比較の要点
- DS224+とDS223Jの本質的な差は「CPU(Intel vs ARM)・メモリ(2GB増設可 vs 1GB固定)・トランスコード対応」
- DS224+は2026年6月に終売。新規購入は後継のDS225+(2.5GbE対応・約62,000円)が基本線で、在庫・中古は1万円以上安い場合のみ検討
- 用途が写真・書類のバックアップ中心ならDS223Jで十分。動画のトランスコード・Docker・家族複数人での同時利用が視野にあるならPlusシリーズ(DS225+)を選ぶと後悔がありません
仕様の出典:Synology公式 DS224+/同 DS223j(2026年6月確認)