本記事のおすすめ・比較は、広告報酬の多寡ではなく、公表スペック・技術的根拠にもとづいて選定・評価しています。
同じ4TBのHDDでも、棚に並ぶ価格は25,000円台から42,000円台まで開きます。「NAS用」と書かれているだけで6,500円高いなら、安いほうでいいのでは——と考えるのは自然です。
この記事では、4TBで買える主要6モデルをメーカーの公式データシートに書いてある項目だけで並べ、どの用途にどれを選ぶかを決められる形にしました。NAS用HDD全体の選び方は親記事のNAS用HDDのおすすめ比較にまとめてあり、この記事はその4TB編にあたります。
この記事の結論
- NASに入れるなら WD Red Plus(WD40EFZZ・32,500円)か Seagate IronWolf(ST4000VN006・32,000円)。どちらもCMR・年間180TB・保証3年で、差は1本500円
- PCの増設・外付け化なら BarraCuda(ST4000DM004・25,480円)が本記事の6モデルで最も安い(執筆時点)。ただしSMRかつ年間ワークロード55TBで、24時間運転のNASはメーカーの想定外
- 4TBが正解になるのは「保存するデータが実効4TBに収まる」場合。2本そろえても65,000円です。動画も長く残す予定なら、TB単価が安い8TBを先に見てください
記事内の価格の確認日は、最も古いもので 2026年9月8日 です(執筆時点・変動します)。
4TBで足りるのか:使えるのは「約3.64TB」
先に容量の感覚を合わせます。4TBのHDDをNASやPCにつなぐと、OSの表示は約3.64TBになります。メーカーの1TB=1兆バイト表記と、OSの1TB=1,099,511,627,776バイト換算の違いによるもので、故障でも誤表記でもありません。
2ベイNASで4TB×2本をRAID 1(またはSHR)にした場合、使えるのは合計8TBではなく4TBです。2本目は同じデータの複製に使われます。「4TB×2本を買えば8TB使える」と考えていると、購入後に容量が半分しかないことになります。
| 構成 | ラベル合計 | 実効容量 | OS表示 |
|---|---|---|---|
| 4TB×1本(RAIDなし) | 4TB | 4TB | 約3.64TB |
| 4TB×2本(RAID 1/SHR) | 8TB | 4TB | 約3.64TB |
| 4TB×2本(RAID 0) | 8TB | 8TB | 約7.28TB ※1本の故障で全損 |
4TBに何が置けるかの目安は次のとおりです。
- スマホ写真(1枚5MB換算)なら約80万枚
- スマホの4K動画(190MB/分換算)なら約351時間
- PCまるごとのバックアップ(1台500GB〜2TB)なら2〜8台ぶん
いずれもラベル容量4TBでの概算で、OS表示(約3.64TB)では1割ほど減ります。スマホ写真・書類が中心の家庭なら実効4TBで足りる一方、動画の成長記録まで残すなら実効8TB以上が目安です。撮影設定で大きく変わるので、正確な見積りはNASのHDD容量の目安の計算式で出してください。
用途別にどれを買うか
NASで24時間動かす:WD Red Plus か IronWolf
2ベイでRAID 1、電源は入れっぱなし——という家庭でいちばん多い使い方なら、CMR・年間ワークロード180TB・保証3年という3条件がそろったNAS用を選びます。4TBで3条件すべてを満たすのは WD Red Plus・IronWolf・Synology HAT3300 の3つです。東芝 N300 もCMR・180TB/年ですが、保証年数は東芝の公式資料に記載がありません(「3年」は国内取扱代理店の告知。後述のFAQ Q4)。
価格が近いのは前者2つで、1本あたりの差は500円。2本そろえても65,000円と64,000円で、ここは好みで決めて構いません。NAS本体のメーカーが互換リストを出している場合は、そのリストにある型番を優先します。
▼ 2ベイNASにRAID 1で入れるならこの1本:WD Red Plus 4TB(WD40EFZZ・CMR・5400rpm・180TB/年・メーカー保証3年)— 同じものを2本そろえます。楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングの価格と在庫はリンク先でご確認ください
購入時は国内正規代理店品か(並行輸入品でないか)を型番と販売元で確認してください。Yahoo!ショッピングのボタンは型番の検索結果に飛ぶため、シリーズ違い・並行輸入品が混ざることがあります。
PCに増設する・外付けケースに入れる:BarraCuda
デスクトップPCの保存用ドライブや、USBケースに入れてバックアップの受け皿にする用途なら、24時間連続運転もRAIDのリビルドも発生しません。この条件では25,480円のBarraCudaが本記事で比較した6モデルの中でいちばん安く、NAS用のIronWolfとの差は1本6,520円です。
ただしBarraCudaの4TBはSMRです。書き込みが続くと後処理のために速度が落ちる特性があるため、大量コピーの受け皿に使うなら一度に流す量に注意します(仕組みはCMRとSMRの違いへ)。
▼ NASではなくPCの増設・外付けケース用に、本記事で比較した6モデルのうち最も安い1本(執筆時点)を探している方へ:Seagate BarraCuda 4TB(ST4000DM004・PC用・SMR・保証2年)— 24時間運転のNASには向きません。楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングの価格はリンク先で、型番がST4000DM004か・国内正規品かもあわせてご確認ください
NASのバックアップ先にしたい:CMRを優先
外付けにするHDDでも、NASから毎日まとまった量を書き出すなら、SMRの特性が効いてきます。書き込み量が読めない用途はCMRのほうが安全です。4TBのPC用でCMRなのはWD Blue(WD40EZAX)ですが、後述のとおり現在は価格がNAS用を上回っています。
4TB HDD 比較一覧(2026年9月)
| 製品 / 型番 | 用途区分 | 記録方式 | 回転数 | 年間ワークロード | MTBF/MTTF | 保証 | 実売(1本) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| WD Red Plus WD40EFZZ | NAS用 | CMR | 5400rpm | 180TB/年 | 100万時間 | 3年 | 32,500円 |
| Seagate IronWolf ST4000VN006 | NAS用 | CMR | 5400rpm | 180TB/年 | 100万時間 | 3年 | 32,000円 |
| 東芝 N300 HDWG440UZSVA/HDWG740UZSVC | NAS用 | CMR | 7200rpm | 180TB/年 | 100万時間 | 東芝公式に記載なし | 39,980円(HDWG740箱入り) |
| Synology HAT3300-4T | NAS用 | CMR | 5400rpm | 180TB/年 | 100万時間 | 3年 | 42,700円 |
| WD Blue WD40EZAX | PC用 | CMR | 5400rpm | データシートに記載なし | 記載なし | 2年 | 4万円前後(流通薄) |
| Seagate BarraCuda ST4000DM004 | PC用 | SMR | 5400rpm | 55TB/年 | 記載なし | 2年 | 25,480円 |
仕様の出典:WD Red Plus データシート(2025年9月版・PDF)/WD Blue 3.5インチ データシート(PDF)/Seagate IronWolf データシート DS1904.22-2404US(PDF)/Seagate BarraCuda 3.5 データシート DS17.2-2603US(PDF)/東芝 N300 データシート(PDF)/Synology Plusシリーズ HDD/Seagate IronWolf 製品ページ(日本語・Rescueの記載)(いずれも2026年9月16日確認)。価格は執筆時点の実売で、価格.comの掲載店を当サイトが確認した値です(確認日 2026年9月8日)。変動しますので購入時にリンク先でご確認ください。東芝 N300 の実売は HDWG740UZSVC のリテール箱(国内代理店パッケージ)の掲載価格で、HDWG440UZSVA の実売ではありません。容量帯ごとの相場の動きはHDD値上がりはいつまで?で追っています。
「記載なし」は、そのメーカーのデータシートにその項目の行が存在しないという意味です。PC用のWD Blueには年間ワークロードとMTBFの行がそもそもありません。NAS用との差が最もはっきり出るのがこの2項目です。
6,500円の差は何の代金か
NAS用(IronWolf)とPC用(BarraCuda)の差額6,520円で何が変わるのかを、公式資料に書いてある範囲で並べます。
| 比較軸 | NAS用(IronWolf) | PC用(BarraCuda) |
|---|---|---|
| 記録方式 | CMR | SMR |
| 年間ワークロード | 180TB/年 | 55TB/年 |
| 想定の年間通電時間 | 8760時間(24時間×365日) | 2400時間 |
| 対応ベイ数の明記 | 1〜8ベイ | 記載なし |
| 回転振動(RV)センサー | あり | 記載なし |
| 保証 | 3年 | 2年 |
| データ復旧サービス | 3年付帯(Rescue) | なし |
回転数はどちらも5400rpm、公称の最大持続転送も202MB/s対190MB/sで、カタログ上のピーク値では差がつきません(SMRのBarraCudaが連続書き込みで失速する挙動は別の問題で、当サイトは実測していません)。差が出るのはメーカーが想定している使い方の側です。年間通電時間2400時間は1日あたり約6.6時間で、電源を入れっぱなしにするNASの使い方(8760時間)とは前提が違います。この2シリーズだけを8TBまで含めて突き合わせた比較はBarraCudaとIronWolfの違いにまとめています。
WDもデスクトップ用ドライブについて、RAIDは2台までを推奨し、WD Blue・Green・Blackはマルチベイシャーシや24時間365日のRAID用途には推奨しない、とサポートページ(英語)で案内しています。引用は当サイトによる要旨で、原文は出典先を参照してください。このページの読み方はPC用HDDはNASに使えるかで詳しく扱っています。
出典:Learn About Internal Desktop Drive RAID 0 & RAID 1 Support(Western Digital・2026年6月19日更新)(2026年9月16日確認)
「PC用は安い」が4TBでは崩れている
PC用でCMRのWD Blue(WD40EZAX)は、価格.comの掲載が1店のみで4万円前後(流通薄)——その1店の掲載価格は39,511円で、NAS用のWD Red Plusより約7,000円高い状態です(WD Red Plus 比。PC用どうしのBarraCudaとの差はさらに大きくなります)。在庫が細っており金額も動きやすいため、この記事では表・本文とも「4万円前後」の幅で扱います。
つまり4TB帯では、「PC用のほうが安いからPC用を選ぶ」という前提が成り立つのはBarraCuda(SMR)だけです。CMRが欲しいなら、いま素直に安いのはNAS用のほうです。
各モデルの短評
WD Red Plus 4TB(WD40EFZZ/WD40EFPX)|NAS用で迷ったらここ
4TBで実際に流通しているRed PlusのSKUがWD40EFZZにあたります。長く定番だったWD40EFPXは公式製品ページの容量セレクタに出てこなくなりました(生産終了の告知はありません)。両者の差はキャッシュだけ(WD40EFPX 256MB/WD40EFZZ 128MB)で、回転数5400rpm・180TB/年・保証3年は同じです。
Seagate IronWolf 4TB(ST4000VN006)|Rescueデータ復旧3年が付く
5400rpm・最大持続202MB/s・キャッシュ256MB。データ復旧サービス(Rescue)が3年付帯すると日本語の公式ページに明記されています。ただしSeagateは提供条件が国・地域により異なると注記しており、バックアップの代わりにはなりません。
東芝 N300 4TB(HDWG440UZSVA/HDWG740UZSVC)|4TBで唯一の7200rpm
4TBで唯一の7200rpmで、最大連続転送は232MB/s(HDWG440)と281MB/s(HDWG740)。RVセンサーと衝撃センサーを搭載し24時間365日稼働に対応します。回転数が高いぶん発熱・動作音は5400rpm勢より不利になりやすく、寝室設置なら注意が要ります。
Synology HAT3300-4T|Synology機を純正でそろえる
5400rpm・256MB・202MB/s・保証3年。SynologyのNASを純正ドライブでそろえたい場合の選択肢で、機種ごとの対応はSynologyの互換性リストで確認します(SynologyのHDD互換性リスト)。4TBのNAS用では今回の6モデル中で最も高い価格です。
WD Blue 4TB(WD40EZAX)|PC用だがCMR
PC用ですがCMRです。「Blueだからすべてが SMR」ではなく、WD Blue 3.5インチでSMRなのは2TBのWD20EZBXだけ、というのが公式データシートの記載です。年間ワークロードとMTBFの行がないこと、保証2年、そして現在の価格が選ぶ理由を弱くしています。
Seagate BarraCuda 4TB(ST4000DM004)|6モデル中でいちばん安い・ただしSMR
本記事で比較した6モデルの中でいちばん安い1本です(執筆時点)。SMRであることはデータシートに型番単位で書かれています(製品ページには記載がないため、型番で確認する必要があります)。PCの保存用・外付けの受け皿としては現実的な選択肢です。
TB単価では4TBは8TBに負ける
4TBを勧める記事ではありますが、容量あたりの単価は8TBのほうが安いままです。
| 容量・モデル | 実売(1本) | 1TBあたり |
|---|---|---|
| WD Red Plus 4TB(WD40EFZZ) | 32,500円 | 8,125円 |
| Seagate IronWolf 4TB(ST4000VN006) | 32,000円 | 8,000円 |
| WD Red Plus 8TB(WD80EFPX) | 50,800円 | 6,350円 |
4TBを2本買うと65,000円、同じRed Plusの8TBは1本50,800円です。ラベル合計はどちらも8TBなのに、4TB×2本のほうが14,200円高くなります(8TB×1本のほうには冗長性がない、という違いはあります)。RAID 1で実効8TBにするなら8TB×2本=101,600円で、4TB×2本に36,600円足せば実効容量は4TBから8TBへ増えます。
それでも4TBが正解になる3つの条件
4TBを選ぶ理由になるのは、次の3つです。
- 初期費用が2本で65,000円に収まる(8TB×2本は10万円を超える)
- 保存するデータが実効4TBに収まる見込みがある(写真・書類中心)
- 8TBが必要になった時点で入れ替えるつもりがある(NASは1本ずつ交換して容量を増やせる機種が多い)
逆に「写真も動画も、家族全員ぶんを長く残したい」なら、いま4TBを2本買うより8TBを見たほうが総額で有利です。8TB帯のモデル比較は8TB HDDおすすめ比較にまとめています。
買う前に確認すること
1. 届いたHDDは、データを入れる前に検査する。初期不良は一定の確率で起こります。NASに組み込む前にS.M.A.R.T.の拡張テストを通す手順をNAS用HDDの初期不良チェックにまとめました。順番を逆にすると、データを入れてから不良に気づくことになります。
2. 型番でCMRを確認する。通販の商品ページには記録方式が書かれていないことがあります。シリーズ名ではなく型番で確認する一覧はCMR方式のHDD型番一覧にあります。
3. 国内正規代理店品かどうかを見る。並行輸入品はメーカーへ直接手続きすることになります。WDとSeagateは日本語の保証・交換窓口を用意しているので、保証を使う可能性を考えるなら正規代理店品を選ぶほうが手間が少なくて済みます。
4. 同じ容量で2本そろえる。RAID 1では容量の小さいほうに合わせられるため、4TBと8TBを混ぜると8TBの半分が使えません。
よくある質問(FAQ)
まとめ
- NASに入れる4TBは、WD Red Plus(WD40EFZZ・32,500円)か IronWolf(ST4000VN006・32,000円)。CMR・180TB/年・保証3年という条件が同じで、価格差は1本500円です
- PCの増設・外付け化ならBarraCuda(25,480円)が6モデル中でいちばん安い価格です(執筆時点)。SMR・55TB/年・保証2年という前提を理解したうえで選ぶなら合理的です。CMRのWD Blue 4TBは流通が細り、NAS用より高くなっています
- 容量あたりの単価は8TBのほうが安い(8,125円/TB 対 6,350円/TB)。データが増える見込みがあるなら、4TB×2本より8TBを先に検討する価値があります
容量帯をまたいだ選び方、6TB・8TB・12TBまで含めた一覧は親記事のNAS用HDDのおすすめ比較にまとめています。
▼ 本記事のNAS用2択のうち、もう一方の1本:Seagate IronWolf 4TB(ST4000VN006・CMR・5400rpm・180TB/年・保証3年)— Rescueデータ復旧サービス3年付帯(提供条件は国・地域により異なるとSeagateが注記。バックアップの代わりにはなりません)。2ベイなら同じものを2本そろえます。楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングの価格と在庫はリンク先でご確認ください