更新日:2026年9月4日|カテゴリ:HDD・SSD・ストレージ選び

「WD80EFPXとWD80EFZZは何が違うのか」「この型番はCMRなのか」。通販の商品ページには記録方式が書かれていないことがあり、型番だけが手がかりになる場面があります。

この記事は、NAS用として国内で流通している主要HDDを型番単位で並べた一覧です。表には「根拠」の列を付けました。メーカーが型番ごとにCMRと書いている場合と、シリーズや容量単位でしか書いていない場合があるからです。表の1行をどこまで信用してよいかも、そこで決められます。

30秒でわかる結論

  • 型番ごとに公式資料へCMRと明記されているのは、WD Red Plus(11型番)/WD Red Pro(21型番)/Synology Plusシリーズ(6型番)。データシートに型番の行があり、記録方式の欄がCMRです
  • Seagate IronWolf・IronWolf Pro/東芝 N300・MN は、メーカーがシリーズまたは容量でCMRと公表しています。型番との対応は別ページ(メーカーのサポート一覧・取扱代理店の一覧)で突き合わせる形です
  • 同じ容量に型番が2つあるとき(WD80EFPXとWD80EFZZ/WD40EFPXとWD40EFZZなど)は、どちらもCMRです。差はキャッシュと内部転送レートだけで、方式の条件はどちらも満たします
  • 2026年9月4日時点で、WD Red Plusの公式製品ページ(アジア太平洋版)が扱っているSKUは WD20EFPX/WD40EFZZ/WD60EFPX/WD80EFPX/WD100EFGX/WD120EFGX の6つ。長く定番だった WD40EFPX はこの一覧に出てきません(データシートには残っています)
  • 東芝MNの公式ラインアップは 12〜20TBの5型番。家庭用の4〜8TBはN300が担当です
  • 命名規則を一般公開しているのは東芝のMN・MGなど一部シリーズだけWDは非公開・東芝もN300のHDWG系は対象外、Seagateの公式リストは容量表記)。型番は「読む」のではなく、公式資料に当てて確かめるのが確実です

CMRとSMRの仕組み、手元のHDDの型番を調べる手順はCMRとSMRの違いと見分け方にまとめています。

手元の型番から探す:WD20〜WD120EFxx(WD Red Plus)/FFBX・FFSX・KFBX(WD Red Pro)/ST(Seagate IronWolf)/HDWG・MN(東芝)/HAT33(Synology

表の「根拠」列の読み方

同じ「CMR」でも、メーカーが公表している粒度は3段階に分かれます。この記事の表では、その粒度を記号で区別しました。◎○△は製品の優劣ではなく、記録方式の裏付けの出どころを表します。

記号 何をもって記録方式が言えるか 該当するシリーズ 表の行の信頼度
公式資料にその型番の行があり、記録方式の欄がCMR WD Red Plus/WD Red Pro(データシート)、Synology Plusシリーズ(製品ページ+データシート) 型番だけで確定できる
公式がシリーズまたは容量で記録方式を公表。型番との対応はメーカー自身の別ページの一覧から Seagate IronWolf/IronWolf Pro/BarraCuda、東芝 MN シリーズ名と容量が一致していることを商品ページで確認する
公式がシリーズで記録方式を公表。型番は取扱代理店の一覧から 東芝 N300(HDWG系) 代理店の掲載なので、商品ページのシリーズ名もあわせて見る

もうひとつ、この記事のルールです。「終売」とは書きません。今回どのメーカーからも生産終了の告知は確認できず、当サイトが確かめられたのは「公式の現行ラインアップに掲載があるか/ないか(2026年9月4日時点)」までだからです。掲載が消えた型番も、流通在庫としてはしばらく買えます。

WD Red Plus の型番一覧:データシートに型番ごとのCMR記載がある

WD公式のサポート記事は、シリーズ単位で線を引いています。WD Red(無印)=SMR(DMSMR)/WD Red Plus=CMR/WD Red Pro=CMR(記事の最終更新は2026年6月16日)。ただしこの記事には型番も容量も載っていません。型番ごとの記録方式は、シリーズごとのデータシートにある「Recording technology」欄が担当します。

WD Red Plusのデータシート(2025年9月版)には11型番が並び、下の表の11型番はすべて同欄がCMRです(根拠:◎=公式資料に型番の行あり)。「掲載なし」は終売の告知ではありません。

型番 容量 根拠 回転数/キャッシュ 公式ラインアップ(2026年9月4日) 備考
WD20EFPX 2TB 5400rpm/64MB 掲載あり
WD40EFZZ 4TB 5400rpm/128MB 掲載あり 国内で実際に買える4TBのSKU
WD40EFPX 4TB 5400rpm/256MB 掲載なし 長く4TBの定番だった型番
WD60EFPX 6TB 5400rpm/256MB 掲載あり
WD60EFZX 6TB 5640rpm/128MB 掲載なし
WD80EFPX 8TB 5640rpm/256MB 掲載あり 当サイトのDS223jで使用中
WD80EFZZ 8TB 5640rpm/128MB 掲載なし
WD100EFGX 10TB 7200rpm/512MB 掲載あり
WD101EFBX 10TB 7200rpm/256MB 掲載なし
WD120EFGX 12TB 7200rpm/512MB 掲載あり
WD120EFBX 12TB 7200rpm/256MB 掲載なし 11型番で唯一のヘリウム封入

出典:WD Red Plus データシート(2025年9月版・PDF)WD Red Internal HDD SMR and CMR NAS Drive InformationWD Red Plus 製品ページ(アジア太平洋版)(いずれも2026年9月4日確認)。「公式ラインアップ」の欄は、製品ページの容量切り替えに登録されているSKUを当サイトが同日に確認した結果です。

データシートの注意が2つあります。ひとつはWD120EFGXの脚注(注7)で、この型番の実回転数は7200rpmだが従来のPerformance Class表記に合わせてID Deviceが5400と報告することがある、という趣旨の注記です。CrystalDiskInfoで5400rpmと出ても故障ではありません。

もうひとつは対象範囲です。このデータシートが扱うのは2TB〜12TBで、14TBのWD140EFGXは載っていません。製品ページでも確認できなかったため、この記事では扱いません。

WD80EFPXとWD80EFZZ、WD40EFPXとWD40EFZZの違い(同じ容量に型番が2つあるとき)

同じ容量に型番が2つある容量帯があります。どちらもCMRで、差はキャッシュと内部転送レートに出ます。

容量 公式ラインアップに残る型番 もう一方 データシート上の差
4TB WD40EFZZ(128MB・5400rpm・180MB/s) WD40EFPX(256MB・5400rpm・180MB/s) キャッシュのみ2倍。回転数と転送レートは同じ
6TB WD60EFPX(256MB・5400rpm・180MB/s) WD60EFZX(128MB・5640rpm・185MB/s) キャッシュはEFPXが2倍、回転数と転送レートはEFZXが上
8TB WD80EFPX(256MB・5640rpm・215MB/s) WD80EFZZ(128MB・5640rpm・185MB/s) キャッシュ2倍・転送レート+30MB/s でEFPXが上
10TB WD100EFGX(512MB・7200rpm・260MB/s) WD101EFBX(256MB・7200rpm・215MB/s) キャッシュ2倍・転送レート+45MB/s でEFGXが上
12TB WD120EFGX(512MB・7200rpm・260MB/s) WD120EFBX(256MB・7200rpm・196MB/s) EFBXはヘリウム封入。数値上はEFGXが上

内部転送レートはメーカーの「up to」値で、NAS越しに出る速度ではありません(1GbEなら先にネットワークが上限になります)。方式で選ぶ段階では、この5組はどれを選んでもCMRという条件を満たします

公式ラインアップから消えている型番の扱い

「掲載なし」の6型番は、WDが生産終了を告知したわけではありません。当サイトが確認できたのは、製品ページの容量切り替えに出てこないという事実だけです。実際、4TBのWD40EFPXは価格比較サイトでも掲載を確認できず、いま買えるRed Plusの4TBはWD40EFZZに入れ替わっています(2026年8月31日の実査)。

DSMのストレージマネージャーのHDD/SSD一覧で、モデル列にWD80EFPX-68C4ZN0と表示されている画面
当サイトのDS223jの実画面です(2026年8月5日確認)。モデル列は WD80EFPX-68C4ZN0 と表示されますが、データシートに載っているのは先頭の「WD80EFPX」までで、後半はファームウェアなどを表す枝番です。照合は先頭部分で行います。

▼ 4TBでCMRを選ぶならこれ:WD Red Plus 4TB(WD40EFZZ)— 2026年9月時点でRed Plus 4TBの実売SKUはこの型番です。RAIDのリビルド中も書き込み速度が落ちない側の方式で、メーカー保証3年

WD Red Pro の型番一覧と、無印Red・Red Plusとの違い

WD Red Proのデータシート(2025年1月版)には21型番が並び、全型番の記録方式がCMR、全型番が7200rpm・ワークロード550TB/年・5年保証・RVセンサー搭載です。家庭用と重なる2〜12TBの11型番を並べます(根拠:◎)。

型番 容量 根拠 回転数/キャッシュ 内部転送
WD2002FFSX 2TB 7200rpm/64MB 164MB/s
WD4003FFBX 4TB 7200rpm/256MB 217MB/s
WD4005FFBX 4TB 7200rpm/256MB 267MB/s
WD6003FFBX 6TB 7200rpm/256MB 238MB/s
WD6005FFBX 6TB 7200rpm/256MB 267MB/s
WD8003FFBX 8TB 7200rpm/256MB 235MB/s
WD8005FFBX 8TB 7200rpm/256MB 267MB/s
WD102KFBX 10TB 7200rpm/256MB 265MB/s
WD103KFBX 10TB 7200rpm/512MB 267MB/s
WD121KFBX 12TB 7200rpm/256MB 240MB/s
WD122KFBX 12TB 7200rpm/512MB 267MB/s

同じ容量で型番が2つある場合、末尾が5のほう(WD4005FFBXなど)が新しい世代です。14TB以上の10型番も同じデータシートにあり、いずれもCMR(家庭用の容量帯から外れるため割愛)。この表に「公式ラインアップ」の欄がないのは、Red ProのSKU掲載可否まで確認していないためです。記録方式の根拠はデータシートで確定しています。

出典:WD Red Pro データシート(2025年1月版・PDF)WD Red Pro 製品ページ(2026年9月4日確認)

Red PlusとRed Proの差は、方式ではなく耐久設計と保証です(ワークロード180TB/550TB・保証3年/5年・RVセンサーの有無、想定ベイ数は「最大8ベイ」と「制限なし」)。2ベイ・4ベイの家庭用NASでRAID 1やSHRを組むだけなら、方式の条件はRed Plusで満たせます。

無印WD Red(EFAX型番)の扱い

WD公式のサポート記事は、シリーズとしてWD RedをDMSMRと記載しています。ただしそのページには型番も容量も書かれておらず、「WD20EFAX〜WD60EFAX の4型番がSMR」という対応は2020年の公表資料と各社の報道が根拠です(当サイトはWD公式のページで型番単位の記載を確認できていません)。無印のRedはRAIDに使わないという判断だけは、シリーズ単位の公式記載で足ります。2020年のSMR混入事件の経緯はCMRとSMRの違いと見分け方にまとめています。

EFAX型番の根拠にした報道:Blocks and Files(2020年4月14日・WD Red 2〜6TBのSMR採用)(2026年9月4日確認)

Seagate IronWolf・IronWolf Proの型番一覧:公式は「容量」で示している

Seagateには公式のCMR/SMR一覧ページがあります。ただしこのページに部品番号(ST〜)は1つも載っていません。ファミリ名と容量だけで、たとえば「IronWolf:CMR 2/4/6/8/10/12/16TB」という書き方です。したがって当サイトは、公式サポートの型番一覧で「その型番が何TBのIronWolfか」を確かめて突き合わせています(根拠:○=シリーズ・容量での公表+メーカー別ページの型番一覧)。

型番 容量 記録方式 根拠 キャッシュ/持続転送 備考
ST2000VN003 2TB CMR 256MB/— 現行世代。旧世代はST2000VN004(64MB)
ST4000VN006 4TB CMR 256MB/202MB/s 現行世代。旧世代はST4000VN008(64MB)
ST6000VN006 6TB CMR 256MB/202MB/s 現行世代。旧世代はST6000VN0033ほか
ST8000VN002 8TB CMR 256MB/202MB/s 現行世代。旧世代はST8000VN004ほか
ST12000VN0008 12TB CMR 256MB/— 12TBは公式CMR一覧の容量に含まれる
ST16000VN001 16TB CMR 256MB/— 無印のCMR記載は16TBまで
ST4000NT001(IronWolf Pro) 4TB CMR 7200rpm・キャッシュ記載なし Proは2〜24TBがCMR欄。NT001系が新世代
ST8000NT001(IronWolf Pro) 8TB CMR 7200rpm・キャッシュ記載なし 同上
ST4000DM004(BarraCuda) 4TB SMR NAS用ではない。8TBのBarraCudaもSMR欄

出典:Seagate「CMR and SMR Hard Drives」IronWolf サポート(型番と容量の一覧)IronWolf Pro サポート(無印のキャッシュ・Proの回転数はこの2ページ)/持続転送はIronWolf 製品マニュアル(Rev. R・2022年2月・PDF)(いずれも2026年9月4日確認)

3点、注意があります。

  • 無印IronWolfの回転数を書いていないのは、公式資料に記載がないからです。無印のサポート一覧の列はキャッシュとRVセンサーまでで、製品マニュアルにも回転数の項目がありません(Pro側には「Spindle Speed」の列があり、表の7200rpmはその値)。「ST8000VN002は5400rpm」は一次資料に当てられていません
  • 3TB(ST3000VN006)と18TB(ST18000VN000)は、公式CMR一覧のIronWolfの行に容量がありません。サポート一覧に型番はありますが、判定材料が揃わないためCMRと書きません。10TBは容量がCMR欄にある一方、現行世代の型番を特定できず表に入れていません
  • IronWolfの製品ページには「CMR技術を採用」というシリーズ単位の記載があります。ここが○の根拠です

▼ 万一の物理故障に備えたい人向け:Seagate IronWolf 4TB(ST4000VN006・CMR・キャッシュ256MB)— Rescueデータ復旧サービスが3年付帯します(in-lab復旧1回まで・国や地域により提供条件が異なります。復旧を保証するものではなく、バックアップの代わりにもなりません)

東芝 N300・MNシリーズの型番一覧

東芝は製品ページでシリーズ単位のCMRを明記しています。N300は「CMR技術の7200rpmのディスク回転」、NAS向けHDDの一覧ページでもN300・N300 Pro・MNの記録方式欄はすべてCMRです。

ただし公式のHTMLページには、N300のHDWG系の型番が1つも載っていません(型番はデータシートPDF側にあり、当サイトはダウンロードできませんでした)。そのためN300の型番は、東芝HDDを取り扱う販売代理店(フィールドレイク)の一覧を根拠にしています。ここがこの記事で唯一の△です。

型番 容量 根拠 回転数/キャッシュ 公式ページ 備考
HDWG720UZSVC(N300A02) 2TB 7200rpm/512MB 2〜24TB(シリーズ) 型番は代理店の一覧
HDWG740UZSVC(N300A04) 4TB 7200rpm/512MB 同上 家庭用の中心。箱入りとバルクで流通が分かれる
HDWG760UZSVA(N300A06) 6TB 7200rpm/512MB 同上
HDWG780UZSVA(N300A08) 8TB 7200rpm/512MB 同上
HDWG71AUZSVA(N300A10) 10TB 7200rpm/512MB 同上
HDWG51CUZSVA(N300A12) 12TB 7200rpm/512MB 同上
MN09ACA12T 12TB 7200rpm/512MiB 掲載あり 公式は12〜20TBの5型番
MN09ACA14T 14TB 7200rpm/512MiB 掲載あり
MN09ACA16T 16TB 7200rpm/512MiB 掲載あり
MN09ACA18T 18TB 7200rpm/512MiB 掲載あり
MN10ACA20T 20TB 7200rpm/512MiB 掲載あり

キャッシュはMNが東芝公式の表記(MiB)、N300が代理店表記(MB)で、出典どおりに分けています。N300 Proは製品ページでCMRと明記されていますが、当サイトは型番の一次資料を確認できていないため、この表には載せていません(シリーズとしてはCMRです)。出典:東芝 N300 製品ページN300 ProMNシリーズNAS向けHDD一覧(記録方式欄)/N300の型番はフィールドレイクのN300シリーズ一覧(いずれも2026年9月4日確認)

MNで気に留めたいのは容量帯です。公式ラインアップは12〜20TBの5型番(いずれもヘリウム封入・512MiBキャッシュ)で、4〜8TBのMNは現在の公式ページに載っていません。家庭用の4〜8TBを東芝で組むならN300です。

なお東芝は、MN・MGなど9シリーズの「型番の見方」を公開しています(シリーズ番号・インターフェース・回転数・高さ・容量が文字位置で決まる)。ただしN300のHDWG系は対象外です。「N300にSMR採用モデルは提供していない」という告知も2020年4月28日時点の公表なので、現在の根拠には上のN300製品ページのCMR記載を使っています。

出典:東芝「ストレージ製品 型番の見方」SMR採用モデルについて(2020年4月28日)(2026年9月4日確認)

Synology Plusシリーズ:HAT3300・HAT3310・HAT3320の型番

Synologyは、型番・容量・回転数・CMR宣言がすべて同じページに載っている点で今回いちばん引きやすいメーカーでした。製品ページには「Plusシリーズのハードドライブは従来型磁気記録方式(CMR)の技術を100%使用し」とあります(根拠:◎)。

型番 容量 根拠 回転数/キャッシュ 公式ラインアップ(2026年9月4日) 備考
HAT3300-4T 4TB 5400rpm/256MB 掲載あり 持続転送202MB/s
HAT3300-6T 6TB 5400rpm/256MB 掲載あり 持続転送202MB/s
HAT3320-8T 8TB 7200rpm/512MB 掲載あり 8TBは「HAT3300-8T」ではない/持続転送281MB/s
HAT3310-12T 12TB 7200rpm/512MB 掲載あり 持続転送281MB/s
HAT3310-16T 16TB 7200rpm/512MB 掲載あり 持続転送281MB/s
HAT3320-20T 20TB 7200rpm/1GB 掲載あり 持続転送295MB/s
HAT3300-2T 2TB 掲載なし 一覧から確認できず(SMRという意味ではありません)

出典:Synology 3.5インチSATA HDD Plusシリーズ(2026年9月4日確認)/回転数・キャッシュ・持続転送は同シリーズのデータシート日本語版(PLUSHDD3320-2026-JPN-REV000)。キャッシュ欄はデータシート上で容量帯ごとにまとめて記載されているため、この記事では回転数・持続転送速度と同じ区切りで読んでいます。

つまずきやすいのは8TBです。現行の公式一覧に「HAT3300-8T」はなく、8TBはHAT3320-8T(7200rpm・512MB)=5400rpmのHAT3300とは仕様も違います。互換性の扱いはSynology NASのHDD互換性にまとめています。

型番はCMRでも、2026年9月に買いやすいとは限らない

方式が合っていても、買える状態かは別の話です。価格比較サイトと大手ショップで確認した2026年8月31日〜9月1日時点の流通状況です(相場は動くため金額は載せていません)。

型番・シリーズ 方式 2026年8月31日〜9月1日の当サイト実査
WD40EFPX(4TB) CMR 掲載を確認できず、Red Plus 4TBの実売SKUはWD40EFZZに入れ替わっている
WD30EFZX(3TB) CMR 掲載が実質1店まで細っている。3TBの2本構成は組みにくい
N300 4TB CMR バルクのHDWG740UZSVCが在庫切れで、実勢は箱入りのN300A04
HAT3300-2T(2TB) Synology公式の現行一覧から確認できず
WD Blue 4TB 未確認(型番別の公式一覧を確認できていません) 掲載1店まで細り、NAS用のRed Plus 4TBより高い逆転が起きている

最後の行は、PC用HDDで安く済ませようとしたときの逆転です。ここから先は次の4本が担当します。

一覧にない型番だったときは

中古で買ったHDDやNASに最初から入っていたHDDも、型番を控えて公式資料に当てる手順で確認できます。手順はCMRとSMRの違いと見分け方の「3ステップ」、買ったHDDの状態確認はNAS用HDDの初期チェック手順にまとめています。

この記事の作り方

  • 型番・記録方式・回転数・キャッシュは、公式データシートと公式サポート・製品ページから引きました(確認日はすべて2026年9月4日)。使ったデータシートはWD Red Plus 2025年9月版/WD Red Pro 2025年1月版/Synology Plusシリーズ 2026年版/Seagate IronWolf 製品マニュアル Rev.Rです
  • 「公式ラインアップ」の欄は、同日に各社の製品ページを開いて掲載を確認した結果です。生産終了の告知は、どのメーカーでも確認できていません
  • 当サイトが実機で使っているのはDS223jに入れたWD80EFPXです。CMRとSMRの転送速度・リビルド時間は実測していないため、速度差の数値は書いていません
  • 本記事のおすすめ・比較は、広告報酬の多寡ではなく、公表スペック・技術的根拠にもとづいて選んでいます

出典は各表の直下に置いています。本文で触れてURLを載せていない2件はこちらです:WD「CMR/SMRの判別手順」Seagate IronWolf 製品ページ(2026年9月4日確認)

よくある質問(FAQ)

Q1. WD80EFPXとWD80EFZZは、どちらを買えばいいですか?
A. どちらもCMRで5640rpmなので、NASに使える条件はまったく同じです。データシート上の差はキャッシュ(256MBと128MB)と内部転送レート(215MB/sと185MB/s)で、数値の上ではWD80EFPXに分があります。2026年9月4日時点でWDの製品ページに残っているのもWD80EFPXのほうです。中古や在庫処分でWD80EFZZを見かけても、方式で不安になる必要はありません。8TBのWD80EFPXはこの記事のいちばん下にリンクを置いています。容量ごとの実売価格で比べたい場合はNAS用HDDのおすすめ比較へ。
Q2. WD40EFPXとWD40EFZZの違いは何ですか?
A. キャッシュだけです(256MBと128MB)。回転数はどちらも5400rpm、内部転送レートもどちらも180MB/sで、記録方式はどちらもCMRです。ただし2026年9月4日時点でWDの製品ページに載っているのはWD40EFZZのほうで、WD40EFPXは価格比較サイトでも掲載を確認できませんでした。いま4TBのRed Plusを買うならWD40EFZZになります(リンクは記事中ほど、WD Red Plusの表の直後にあります)。
Q3. WD Red PlusとWD Red Proの違いは?
A. 記録方式はどちらもCMRで、そこに差はありません。データシートで違うのは年間ワークロード(180TBと550TB)、保証年数(3年と5年)、回転数(Red Proは全型番7200rpm)、Red Proに明記された回転振動(RV)センサーです。2ベイ・4ベイの家庭用NASでRAID 1やSHRを組むだけなら、Red Plusで条件は満たせます。
Q4. ST4000DM004はCMRですか?
A. SMRです。SeagateのCMR/SMR一覧で、BarraCuda 3.5インチは4TBと8TBがSMR欄に入っています(12TB以上はCMR)。ST4000DM004はそのBarraCuda 4TBなので、NASのRAIDには向きません。単体のUSB外付けや、月数回書き込むだけの保管用なら実用になります。
Q5. Synologyの純正HDDで8TBが見つかりません。
A. 8TBの型番はHAT3320-8Tです。4TB・6TBがHAT3300、8TB・20TBがHAT3320、12TB・16TBがHAT3310と、同じPlusシリーズの中で型番の系列が分かれています(2TBのHAT3300-2Tは、2026年9月4日時点の公式一覧では確認できませんでした)。HAT3320-8Tは7200rpm・キャッシュ512MBで、5400rpmのHAT3300とは仕様も違います。
Q6. CMRのHDDでいちばんおすすめはどれですか?
A. この記事が担当するのは「どの型番がCMRか」までです。容量あたりの実売価格やRescue付帯の有無まで含めた順位付けはNAS用HDDのおすすめ比較、選び方の基準そのものはNAS用HDDの選び方にまとめています。方式の条件だけで言えば、この記事の表で◎か○が付いている型番はどれも要件を満たします。

まとめ:命名規則が読めるのは一部シリーズだけ。確実なのは公式資料に当てること

CMR型番一覧の結論

  • 型番ごとにCMRと明記されているのはWD Red Plus(11型番)・WD Red Pro(21型番)・Synology Plusシリーズ(6型番)。データシートを引けば確定する
  • Seagate・東芝はシリーズや容量でCMRを公表。型番との対応は別ページで突き合わせる二段構えで、表の○と△がそれにあたる
  • 2026年9月4日時点でWD Red Plusの公式ラインアップに残るのは WD20EFPX/WD40EFZZ/WD60EFPX/WD80EFPX/WD100EFGX/WD120EFGX の6つ
  • 同じ容量の型番違い(EFPXとEFZZなど)はどちらもCMR。差はキャッシュと内部転送レートに出る
  • Synologyの8TBはHAT3320-8T、東芝の家庭用容量帯はN300(MNは12〜20TB)
  • 方式が合っていても買えるとは限らない。WD40EFPX・WD30EFZXは2026年9月時点で流通が細く、HAT3300-2Tは公式一覧で確認できなかった

型番が決まったら、あとは容量と実売価格の判断です。容量あたりの価格つき比較はNAS用HDDのおすすめ比較、何TB必要かから決めたい場合はNAS用HDDの容量の目安にまとめています。

▼ 8TBまで一気に取るなら:WD Red Plus 8TB(WD80EFPX)— 当サイトのDS223jに入っているのがこの型番です(キャッシュ256MB・内部転送215MB/sで、同容量のWD80EFZZより数値は上)。Amazonのボタン先はエコパッケージ版で、商品名に「WD80EFAX-AJP」という表記が残っている場合があります。WD公式のデータシートに載っている8TBのRed Plusの型番はWD80EFPXです(EFAX-AJPという型番はWD公式の資料には見当たりません・2026年9月4日確認)。購入前に商品ページの型番欄とデータシートの型番を突き合わせてください