本記事のおすすめ・比較は、広告報酬の多寡ではなく、公表スペック・技術的根拠にもとづいて選定・評価しています。
NAS用HDDの1TBあたりの価格は、4〜24TBの主要モデルで執筆時点6,150円〜9,995円です。容量が大きいほど安くなる、とは限りません。WD Red Plusで比べると、1TBあたりが最も安いのは8TB(6,225円)で、12TBは8TBより高くなっていました。
銘柄を広げると順番が入れ替わります。Seagate IronWolf 12TBは1TBあたり6,150円とWD Red Plus 8TBより75円低く、表で最も安い単価でした(在庫を確認できたのは2店)。
ただし、1TB単価が安い容量を買えば得、という話ではありません。使わない容量は単価が安くても無駄な出費です。買う容量は「保存したいデータの量」と「NASのベイ数」で先に決め、同じ容量の中で単価を比べるのが順番です。
この記事の結論
- WD Red Plusでは8TB、表全体ではSeagate IronWolf 12TBが1TBあたりいちばん安い(6,225円/6,150円・IronWolfのこの価格の在庫は2店)。Red Plusの12TBは8TBより773円高い
- 2ベイのミラー(RAID 1)では使える容量あたりの価格が2倍(8TB×2本で99,600円)。12TB以上を選ぶ一番の理由は、使える容量が8TBでは足りないとき
- 2ベイのミラー(RAID 1)で何TBを買うかの目安:使う容量が4TB以下なら4TB×2本、8TB以下なら8TB×2本(Red Plusでは単価も最安)、8TB超なら12TB×2本
記事内の価格の確認日は 2026年10月13日 です(執筆時点・価格は変動します)。
容量別の1TB単価表:Red Plusは8TB、表全体ではIronWolf 12TBがいちばん安い
家庭用NASでよく使われるNAS向けHDD(3.5インチ・CMR方式)を、4TB・6TB・8TB・12TBと、16〜24TBの容量別に並べました。CMR方式は、書き込み速度が落ちにくくNASのRAIDに向く記録方式です(違いはCMRとSMRの違い)。
| 容量 | 製品(型番) | 1本の実勢価格 | 1TBあたり |
|---|---|---|---|
| 4TB | WD Red Plus(WD40EFZZ) | 31,980円 | 7,995円 |
| 4TB | Seagate IronWolf(ST4000VN006) | 31,980円 | 7,995円 |
| 4TB | 東芝 N300(N300A04) | 39,980円 | 9,995円 |
| 6TB | WD Red Plus(WD60EFPX) | 42,980円 | 7,163円 |
| 6TB | Seagate IronWolf(ST6000VN006) | 41,480円 | 6,913円 |
| 8TB | WD Red Plus(WD80EFPX) | 49,800円 | 6,225円 |
| 8TB | 東芝 N300(N300A08) | 49,980円 | 6,248円 |
| 8TB | Seagate IronWolf(ST8000VN002) | 52,280円 | 6,535円 |
| 12TB | WD Red Plus(WD120EFGX) | 83,980円 | 6,998円 |
| 12TB | Seagate IronWolf(ST12000VN0008) | 73,800円 | 6,150円 |
| 16TB | Seagate IronWolf Pro(ST16000NT001) | 112,980円 | 7,061円 |
| 20TB | Seagate IronWolf Pro(ST20000NT001) | 137,000円 | 6,850円 |
| 24TB | Seagate IronWolf Pro(ST24000NT002) | 151,800円 | 6,325円 |
実勢価格は、当サイトが価格.comの掲載店などで確認した、在庫のある店の価格の目安です(税込・送料別)。1TBあたりは実勢価格を容量で割って1円未満を四捨五入した当サイトの計算値です。IronWolf 12TBのこの価格で在庫を確認できたのは2店で、ほかの店で確認した78,980円なら1TBあたり6,582円となり、WD Red Plus 8TBより357円高くなります。東芝 N300の10TB・12TB以上は表に入れていません。
表から読み取れる3つのこと
1. 4TBから8TBへ上げると、1TBあたりは大きく下がる。 WD Red Plusなら4TBの7,995円に対して8TBは6,225円です。
2. WD Red Plusでは、8TBから12TBに上げても単価は下がらない。 1本の差は34,180円です。増える4TBぶんを1TBあたりに直すと8,545円で、8TBの単価より高い上乗せになります。一方、Seagate IronWolfは8TB(6,535円)より12TB(6,150円)のほうが1TBあたりは安くなっていました。
3. 8TBでは銘柄の差が小さく、12TBでは差が開く。 8TBの3銘柄は1TBあたり6,225円〜6,535円に並びます。12TBは、IronWolfがWD Red Plusより1本10,180円安い価格でした。価格以外の違い(IronWolf 8TBのRescue付きなど)は、容量を決めてから選び方の記事で比べてください(NAS用HDDの選び方・8TB HDDの比較・4TB HDDの比較)。
値動きの経緯はHDD値上がりはいつまで?にまとめています。
▼ WD Red Plusの中で1TBあたりが最も安かった8TB(CMR・メーカー保証3年)— 2ベイNASのミラーなら同じものを2本そろえます。国内正規品か・型番と、楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングの価格と在庫はリンク先でご確認ください
楽天・Yahoo!ショッピングのボタンは型番の検索結果に飛ぶため、シリーズ違い・並行輸入品が混ざることがあります。
GB単価と「使える容量あたり」に直す
GB単価は1TB単価を1,000で割る
HDDの容量表示は1TB=1,000GBで数えます。仮に1TBあたり7,000円なら、1GBあたり7円です。
ミラー(RAID 1)なら1TBあたりは実質2倍
2ベイNASで2本を同じ内容で書き込むミラー(RAID 1)にすると、使える容量は2本で1本ぶんです。
| 構成 | 2本の合計 | 使える容量 | 使える容量1TBあたり |
|---|---|---|---|
| 4TB×2本(RAID 1) | 63,960円 | 4TB | 15,990円 |
| 8TB×2本(RAID 1) | 99,600円 | 8TB | 12,450円 |
| 12TB×2本(RAID 1) | 167,960円 | 12TB | 13,997円 |
いずれもWD Red Plusでの計算。NAS本体の価格は含みません。
ミラーにしても、WD Red Plusの中での単価の順番(8TBが最も安い)は変わりません。2本の合計で見ると、4TB×2本と8TB×2本の差は35,640円で、使える容量が4TB増えます。写真と書類が中心で4TBに収まる家庭なら4TB×2本で足ります。
12TBを超えると、選べるNAS用HDDが変わる
WD Red Plusの現行ラインアップは12TBまでで、14TB以上はありません。12TBを超えるNAS向けで当サイトが国内の価格を確認できたのは、Seagate IronWolf Pro や東芝 N300 などです。
当サイトが価格.comで販売を確認できたIronWolf Proは、16TBが112,980円(1TBあたり7,061円)、20TBが137,000円(6,850円)、24TBが151,800円(6,325円)でした。この3容量では大きいほど単価が下がり、24TBはWD Red Plus 8TBより1TBあたり100円高い水準です。ただし1本の価格は8TBの約3倍で、2ベイのミラーなら24TB×2本で303,600円になります。IronWolf ProシリーズはSeagate公式で現行の製品で、最大32TBまであります(上の3容量は、当サイトが価格.comで販売を確認した型番です)。
大容量のHDDの単価を調べると、1TBあたりが際立って安い製品が目に入ることがあります。たとえばAKIBA PC Hotline!の2026年9月後半号(9月19日時点の秋葉原ショップの最安値)では、24TBのSeagate BarraCuda(ST24000DM001)が1GB単価3.33円と紹介されていました。BarraCudaはデスクトップPC向けのHDDで、24時間動かすNASを想定した製品ではありません。単価の安さを理由にNASへ入れるのは勧めません(理由はPC用HDDをNASに使うと?)。
大容量で増えるもの:リビルド時間と1本の重み
1TB単価だけでは見えないコストが2つあります。
リビルド(再構築)は容量に比例して長くなる
ミラーやRAID 5で1本が壊れたら、新しいHDDに交換して中身を作り直します(リビルド)。リビルド中は、もう1本が壊れるとデータを失う状態が続きます。
リビルドは最低でも「容量÷最大の連続転送速度」だけかかります。WD Red Plus 12TB(WD120EFGX)の公表値260MB/sで計算すると、12,000,000MB÷260MB/s≒46,000秒=約12.8時間が理論上の下限です(当サイトの計算・実測ではありません)。実際には使用率やNAS本体の処理能力、リビルド中のアクセスでこれより長くなります。
8TB以上のHDDでRAID 5を組むなら、リビルド中の2本目の故障に備えてRAID 6やSHR-2も検討してください(RAIDレベル比較)。RAIDはバックアップの代わりにならないので、別の場所へのバックアップも用意してください。
1本壊れたときの交換費用が大きい
壊れた1本を買い直す費用は、そのHDD1本の価格です。WD Red Plusなら8TBで49,800円、12TBで83,980円、IronWolf Pro 24TBなら151,800円です。容量が大きいほど、1回の故障で出ていく金額は大きくなります。故障の前ぶれはNAS用HDDの故障サインにまとめました。
12TB以上を選んだほうがよい条件
WD Red Plusのように単価で12TBが8TBに負けていても、12TB以上を選ぶ理由はあります。
1. 2ベイで使える容量が8TBでは足りない
2ベイNASのミラーで使える容量は、HDD1本の容量そのものです。8TB×2本では8TBまでしか使えないので、使える容量が12TB必要なら12TB×2本(167,960円)しかありません。4K動画を毎日撮る家庭や、テレビ録画を同じNASに置く家庭が当てはまりやすい条件です(必要な容量の出し方はNAS用HDDの容量の決め方)。
2. 同じ容量を少ない本数で組みたい
4ベイ機があるなら、8TB×3本のRAID 5で使える容量16TB(149,400円)という組み方もあります。ただしNAS本体は2ベイより高く、本数が増えるぶん故障しうる部品も増えるのが難点です。本数を減らしたい、空きベイを将来の増設に残したい、という場合は1本あたりの容量を上げる意味が出てきます。
3. NAS本体が大容量HDDに対応していることを確認できた
大容量HDDを買う前に、NAS本体の対応容量か互換性リストを確認してください。UGREEN DXP2800のように公式に最大容量(HDD1本32TBまで)を出している機種もあれば、Synology DS223jのように公式スペック表に最大容量の記載がなく、互換性リストで確認する機種もあります(記載がないことは非対応という意味ではありません)。
▼ 2ベイで使える容量12TBが必要な方へ:WD Red Plus 12TB(WD120EFGX・CMR・7200rpm・メーカー保証3年)— 1TBあたりは同じRed Plusの8TBより高いため、容量が足りるなら8TBで十分です。同じ12TBなら、執筆時点ではIronWolf 12TBのほうが安い価格でした(上の表・在庫を確認できたのは2店・リンクは記事末)。楽天・Amazonの価格と在庫はリンク先でご確認ください
自分の候補で計算する:HDD 1TB単価計算機
HDDの価格は週単位で動くので、買う直前の価格で比べ直すのが確実です。
HDD 1TB単価計算機では、容量と価格を入れるとその場で1TBあたりの価格を出せます。製品を6つまで並べられるので、買い物中の店の価格を入れて、4TB・8TB・12TBのどれが割安かを確かめてください。
よくある質問(FAQ)
まとめ
- NAS用HDDの1TBあたりは、執筆時点で6,150円〜9,995円(4〜24TB)。WD Red Plusでは8TBが最も安く、表全体ではSeagate IronWolf 12TBが最も安い
- ミラー(RAID 1)では使える容量あたりの価格が2倍になる。8TB×2本で99,600円
- 12TB以上は主に、2ベイで容量が足りないとき・本数を減らしたいときに選ぶ。単価が8TBより下がるかは銘柄しだい。リビルド時間と交換費用は容量に比例して増える
- 買う直前の価格でHDD 1TB単価計算機を使って比べ直す
参考:AKIBA PC Hotline! 相場調査 9月後半号(調査期間 9月12日〜19日)/Seagate「CMR and SMR Hard Drives」/WD Red Plus データシート(2025年9月版)。価格は執筆時点(2026年10月13日)の当サイト調べで、購入前に販売店の表示価格を確認してください。
▼ 表で1TBあたりがいちばん安かったSeagate IronWolf 12TB(ST12000VN0008)— 2ベイのミラーで使える容量12TBが必要な方向けです。この価格で在庫を確認できたのは2店で、他店の78,980円ならWD Red Plus 8TBより1TBあたり高くなります。楽天・Yahoo!ショッピングは型番の検索結果に飛ぶので、型番と価格・在庫はリンク先でご確認ください