本レビューはメーカー公表スペックと公開情報をもとに、運営者がNAS活用の観点で整理した内容です。本機は運営者が自宅で使用している機種で、実機写真(2026年8月22日撮影)とアイドル時消費電力の実測を載せています。2.5GbEの転送速度は同じ2.5GbEリンクの別経路(PC─2.5GbEハブ─UGREEN DXP2800)で当サイトが実測した値で、本機のLAN1直結の実測ではありません(第4章)。10GbEの速度・発熱・電波・回線速度は未実測で、公表スペックからの目安です。

結論:WX11000T12は「生産終了品」。10GbE NASを直結する用途に限れば、在庫を狙う価値は残っている

  • NEC公式が仕様ページで「こちらの製品は生産を終了しております」と明記(終了日は非公表)。ただし流通在庫は健在で、価格.com 16店掲載・45,100円前後で買えます(2026年8月21日確認)
  • NECは2025年12月1日にサポート期間を原則最大5年→最大3年へ短縮。生産終了品は型番ごとの残存期間の確認が必須です
  • 後継はWi-Fi 7のAterm 19000T12BE(69,100円前後)。ポート構成は本機と完全に同一で、「10GbE NASを活かす」中核価値は引き継がれています
  • 旧下位モデルのWX7800T8・WX5400HPも生産終了・品薄で値上がり「安い下位モデルで十分」はもう成立しません

10GbE対応NAS(またはLAN1に直結する2.5GbE NAS)と併用して初めて、本機への投資は回収できます。1GbEしか積まないNASなら、どの世代のAtermでも体感は変わりません。

運営者の実体験:10G回線を契約していたので本機を選び、2026年6月ごろに1Gへ戻しました(「1Gで足りた」「10Gでも実測3〜6G程度」という運営者の申告で、測定条件は当サイトで確認していません)。WAN側とLAN側は別物で、回線が1GでもLAN1にNASを直結する価値は残ります。

1. まず現在地|NEC公式が「生産を終了しております」と明記している

NEC Aterm WX11000T12(型番:PA-WX11000T12)は、2022年9月発売のWi-Fi 6E対応・家庭用最上位ルーターです。長らく10GBASE-Tを2ポート持つ定番機でしたが、2026年8月21日に当サイトがNEC公式を確認したところ、仕様ページは生産終了品の棚「Aterm Museum」配下へ移され、冒頭で生産終了が明記されていました。現行製品一覧の5機種にも本機はありません(現行機のポート構成は第7章)。ただし生産終了日は公表されていません(Museum併記の「2022年09月05日」は発売日)。そのため本記事では「◯年◯月に生産終了」とは書いていません。

「こちらの製品は生産を終了しております。」(仕様一覧・パンくずも「Aterm Museum:生産終了品」配下/各部名称も同じ表示/Aterm Museumにも収録。2026年8月21〜23日に当サイトが確認)

市場から消えたわけではありません。価格.comでは2026年8月21日時点で16店舗が掲載し、最安45,095円で在庫あり、「販売終了」の表示もありませんでした。現行ラインアップから外れただけで在庫は潤沢ですが、新品は増えません。なお本機は運営者が自宅で使っている現物で、写真はすべて2026年8月22日に運営者が撮影しました。

NEC Aterm WX11000T12(PA-WX11000T12)の化粧箱の正面。新規格Wi-Fi 6E+安定通信機能搭載、6GHz 4804Mbps+5GHz 4804Mbps+2.4GHz 1147Mbps、10GBASE-Tポート WAN×1 LAN×1、12ストリーム、Made in JAPANの表記が並ぶ
運営者が使っているWX11000T12の化粧箱(2026年8月22日・運営者撮影)。正面に「10GBASE-Tポート/WAN×1・LAN×1」「Made in JAPAN」が印刷されています。本体は壁の情報分電盤の中のため、実機写真は化粧箱と設置状態が中心です。

2. 生産終了品を買うときの最大の論点|サポート残存期間

ルーターはインターネットの入口に置く機器です。ファームウェア更新が止まった時点でセキュリティ上の寿命が来ます。値段より先にここを見てください。NEC公式は「Atermは販売終了から約3年間がサポート期間」(問い合わせ対応・修理受付・必要に応じたファーム公開)としたうえで、2025年12月1日に原則最大5年間→最大3年間へ短縮しました。終了年月は「終了の約1年前に欄へ追記」する運用で、アプリ・サービスは期間中でも予告なく終了する場合があります。

出典:NEC「Aterm製品 サポート期間一覧」および「【重要】Aterm製品のサポート期間変更に関する重要なお知らせ」(2025年7月1日公開・2025年12月1日更新/いずれも2026年8月21日に当サイトが確認)。

同一覧の2026年8月21日時点の記載では、WX11000T12・WX7800T8・19000T12BEが「サポート期間中(終了年月の記載なし)」、WX5400HPだけが「2027年4月まで」でした。1年前告知の運用から読めば、空欄の機種は終了まで1年以上あると考えられます。当サイトが「予算重視ならこれで十分」と薦めてきたWX5400HPが、いちばん先に終わります。安い下位モデルほど古く、終了も近いという逆転です。

上の読み方は当サイトの推論です。NECが公表しているのは告知運用のルールだけで、WX11000T12の終了年月は告知されていません。「2027年◯月まで使える」と断定できる材料はありません。5年→3年の短縮が既販売品にどう適用されるかも確認できていないため、購入前に一覧の最新表示をご自身で確認してください。

生産終了ルーターを買う前の2チェック

  1. 型番単位でサポート期間状況を確認する(NEC公式の一覧・PA-型番で掲載)
  2. ファーム更新が止まった後の使い道を決めておく(アクセスポイント=ブリッジへ落とすのが安全)

3. 基本スペック(NEC公式仕様一覧ベース)

項目 内容
発売/型番 2022年9月/PA-WX11000T12
Wi-Fi規格 Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax 2.4/5/6GHz)・各帯域 4×4
最大通信速度 6GHz 4,804Mbps / 5GHz 4,804Mbps / 2.4GHz 1,147Mbps(規格値合計10,755Mbps)
WANポート 10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX ×1
LANポート1 10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX ×1
LANポート2〜4 1000BASE-T/100BASE-TX ×3
消費電力 約38W(最大)/通常時・待機時は未公表(アイドル実測は第6章)
外形寸法・質量 約90(W)×257(D)×237(H)mm / 約1.4kg
メッシュ メッシュ機能/メッシュ中継機能に対応
実売価格 45,100円前後(価格.com 16店掲載・最安45,095円/2026年8月21日確認)

スペックはNEC公式「Aterm WX11000T12 仕様一覧」(2026年8月21日確認)、価格は価格.comの同日の掲載です。本機には通常流通のPA-型番とAmazon限定のAM-AX11000T12があり、主要スペックは同等です(違いはFAQ Q5)。

Aterm WX11000T12の化粧箱側面に印刷された仕様表。対応OS(Windows 11/10・macOS)、接続機器のアイコン、無線LANインタフェースとWAN/LANインタフェースの仕様が並ぶ
同じ箱の側面にある仕様表(2026年8月22日・運営者撮影)。上表の数値の出典はNEC公式の仕様一覧で、この写真は現物を持っていることの裏付けです

4. WX11000T12とNASの相性|10GbEだけでなく2.5GbEでも効く

本機を選ぶ最大の理由は、10GBASE-TのLANポートです。家庭用ルーターで10GbE LANを積む機種はいまだに希少です。ただし「10GbE対応NAS」には2種類あります。UGREEN DXP4800 Plusのように10GbEを内蔵する機種と、Synology DS1525+・DS1825+のように内蔵は2.5GbEで、10GbE化に別売カードの増設が要る機種です。手持ちがどちらかを確認してください。

接続構成ごとの速度(2.5GbEと1GbEは当サイトの実測)

接続構成 理論速度 実効速度
1GbE NAS + 本機 1Gbps(約125MB/s) 書込112.4/読出108.4MB/s(当サイト実測)
2.5GbE NAS(2.5Gbpsリンク・実測は2.5GbEハブ経由) 2.5Gbps(約312.5MB/s) 書込139.7/読出148.5MB/s(当サイト実測・HDD2本のRAID 1)
10GbE NAS + 本機のLAN1 10Gbps(約1.25GB/s) 400〜900MB/s(公称からの目安・未実測)

実測の条件:PC(Buffalo LGY-PCIE-MG2)─エレコム EHC-LQ01-8(2.5GbEハブ)─UGREEN NASync DXP2800(WD Blue 4TB×2(容量表示3.6TB)・RAID 1)。乱数の10GBファイルをSMBで転送し、3ラウンドの中央値を採用(2026年9月8日実測)。1GbEはPC側NICを1.0Gbps固定にした同一機材の対照です。1GB級の値は2026年9月14日に同じ機材で追加実測しました。この測定はハブ経由の経路で、本機のLAN1直結で測った値ではありません。リンク速度は同じ2.5Gbpsなので目安として引用しています。10GbEの行は公称からの目安です(実速度はHDD本数・RAID構成・クライアント側のNIC・ケーブルに左右されます)。

回線は2.5倍に広がりますが、10GB級のファイル転送が速くなるのは1.2〜1.4倍です(NASのメモリに収まる1GB級は1本目が2倍超)。回線そのものは、同じ経路のiperf3で2.38Gbps(1GbE固定時は953Mbps=2.50倍)と2.5GbEをほぼ使い切っていました。それでも転送が140〜149MB/sで止まるのは、壁が回線ではなくHDD側にあるためです。10GbE NASで400MB/s超を狙うならHDDの本数を増やすかSSDが要ります(測定の全データはNASの2.5GbE化は何倍速い?)。

2.5GbE NASが1台なら、スイッチは要りません。LANポート1は「10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX」に対応します(NEC公式 仕様一覧・2026年8月21日確認)。UGREEN DXP2800のような2.5GbE NASをLAN1に直結すれば2.5Gbpsでリンクし、10GbE NASもスイッチなしで繋がります。逆に1GbE NASしか持っていないなら恩恵はほぼなく、実測112MB/s前後で頭打ちです(NASが遅い原因の切り分け)。

運営者宅ではこう設置している

運営者宅では2026年8月28日までLAN1にデスクトップPCをつないでおり、NASは全台1GbE接続でした。8月29日にDXP2800をLAN1へつなぎ替え、UGOS Proの表示で2.5Gbpsリンクを確認していますDXP2800の実機レビュー)。マルチギガのLANは1ポートだけ(LAN2〜4は1000BASE-T)で、その枠はいまDXP2800が使っています。10GbE対応NASは持っておらず、「10GbE NAS直結」自体は未実現です。

置き場所は2階の寝室の壁にある情報分電盤の中で、縦置きです(「家の中心なら電波が届きやすいだろう」と想定して選んだもので、電波が改善したかは測っていません)。この置き方は第6章で勧める「周囲10cm以上あける」を満たしておらず、当サイトは推奨しません(盤のカバーを外し、PCファン〔12V品〕で強制空冷。盤内温度は未測定)。

壁の情報分電盤の中に縦置きで設置されたNEC Aterm WX11000T12の背面側。黒い背面パネルのRJ45ポートは縦に5口あり、上2口は空、3・4口目に白いLANケーブルが2本接続され、最下段のポートには黒いLANケーブルが接続されLEDが緑に点灯している。上部は電源タップ、左手前には「光」とラベルの付いた光回線の引き込み口がある
運営者宅の設置状態(2026年8月22日・運営者撮影)。NEC公式「各部名称」の並び(上からLAN2〜4→LAN1→WAN)と照合すると、白2本の下側=LAN1LED点灯の最下段=WANです(図との照合による同定で、刻印は読み取っていません)。

5. Wi-Fi 6E(6GHz帯)で押さえること

もうひとつの目玉がWi-Fi 6E(6GHz帯対応)です。6GHz帯は使う機器がまだ少なく近隣ルーターと干渉しにくいため、160MHz幅を活かしやすいのが利点です(電波は当サイトでは実測していません)。ただし6GHz帯は対応端末が必要で、iPhone 15 Pro以降・Galaxy S22以降・最近のMacBook・一部のWindows 11ノートPCが該当します(古い端末は5GHz帯にフォールバック)。本体はワイドレンジアンテナPLUSを搭載し、トライバンド+10GbEは4LDK以上・戸建て2〜3階建てで活きます。1R〜1LDKでは過剰です(それでも安い代替が無い理由は第8章)。

6. 発熱・消費電力・騒音

項目 値/特徴
消費電力(アイドル実測) 14.0〜14.6W(運営者実測・2026年8月/本機の電源のみ・4回撮影のレンジ)
消費電力(公表値) 約38W(最大・NEC公表値)/通常時・待機時は未公表
電気代(24時間30日稼働) アイドル実測なら月約310〜330円/最大38Wで回り続けた上限の想定なら月約850円(31円/kWh換算)
発熱・騒音 ファンレス構造でファン音なし。上部が温かくなる(一般的な傾向で、本機の温度は未実測。運営者宅は後付けPCファンの音あり)

NEC公式「仕様一覧」の消費電力欄は「約38W」「最大」のみで通常時は未公表です(2026年8月21日確認。以前の版の「通常時約12〜17W(NEC公表値)」は誤りでした)。電気代は「W×24時間×30日÷1000×31円/kWh」で計算(14.0W→約313円/14.6W→約326円/38W→約848円)。単価31円/kWhは全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価(2022年7月22日改定・税込)で、NASの電気代の実際と同じ基準です。測ったのはアイドル時だけで、負荷時・最大時は測っていません

サンワサプライのワットモニターの液晶表示。上段に9999、下段に14.6Wの数値が出ており、壁付けの電源タップに接続されている
アイドル時の消費電力の実測(2026年8月・運営者撮影)。サンワサプライ「ワットモニター」に本機の電源だけを接続し、通常運用中のアイドル(Wi-Fi有効・端末は接続済み・大きな通信なし)で4回撮影していずれも14.0〜14.6Wでした。上段の「9999」は積算表示の上限で、消費電力とは無関係です。
ファンレス設計のため、上部をふさがない設置が重要です。本や書類を上に置くと放熱不足で再起動・通信不安定の原因になります。周囲10cm以上あけてください(NASの最適な設置場所)。運営者宅はこの条件を満たせず、後付けPCファンで強制空冷しています(第4章)。
壁の情報分電盤を開けた全景。下段に白い箱状のNEC Aterm WX11000T12が縦置きで収まり、見えている面には四角い通気孔が上下2列に並ぶ。見えている面の左右隅にネジが1本ずつあり、上面には何も載っていない。上部には電源タップ、左側には白いLANケーブルと「光」ラベルの機器がある
運営者宅の設置全景(2026年8月22日・運営者撮影)。上面には何も置いていませんが、右側は盤の縁、上は電源タップがすぐ近くで、周囲に余裕はありません。

7. 後継のAterm 19000T12BEと、NEC現行ラインアップ

2026年8月21日時点で公式仕様を確認した結果、NEC現行機で10GBASE-TのLANポートを持つのは Aterm 19000T12BE だけでした。7200D8BEはWANが10GBASE-TでもLAN側は2.5GBASE-T止まり、WX5400T6・WX4200D5・3000D4AXはWAN・LANとも1000BASE-T/100BASE-TXのみです。

出典:NEC公式の各機種「仕様一覧」(19000T12BE7200D8BEWX5400T6WX4200D53000D4AX・2026年8月21日確認)。

「10Gbps回線対応」と「10GbE NASを繋げる」は別物です。カタログの「10G」だけで選ぶと、7200D8BEのようにWANだけ10GBASE-Tの機種を掴みます。NAS直結に効くのはLAN側です。

WX11000T12 vs 19000T12BE

項目 WX11000T12(生産終了) Aterm 19000T12BE(現行)
Wi-Fi世代 Wi-Fi 6E(11ax)・6GHz 4,804Mbps Wi-Fi 7(11be)・6GHz 11,529Mbps
MLO(複数帯域の同時利用) 非対応 対応(規格値合計 最大18,669Mbps)
有線ポート 10G WAN/10G LAN1/1G×3 同一(10G WAN/10G LAN1/1G×3)
消費電力/質量 約38W(最大)/約1.4kg 43W(最大)/約1.1kg(本体のみ)
実売価格 45,100円前後(16店) 69,100円前後(30店)

価格は2026年8月21日時点の価格.com掲載(最安45,095円・16店/69,035円・30店)、スペックは各機種のNEC公式仕様一覧より。サポート期間状況はどちらも「期間中(終了年月の記載なし)」です。

どちらを選ぶか(当サイトの判断)

  • 10GbE NASを直結したいだけなら、在庫のWX11000T12で足ります。ポート構成は後継機と同一で、約24,000円節約できます
  • ただし新品在庫は増えず、サポート残存期間も後継機より短いと見込まれます(「販売終了から約3年」ルールからの推論・終了年月は未告知)。5年使うなら差額は「1年あたり約4,800円のサポート保険料」です
  • Wi-Fi 7・MLOも欲しいなら19000T12BE一択。2.5GbE NASまでならどちらも過剰です

なお、NECがホームルーター事業を縮小・撤退したという公式発表は、当サイトが探した範囲では見つかりませんでした(19000T12BEには2026年1月にファームウェアVer1.0.5が公開)。

後継派:19000T12BEにするなら。現行機なので在庫を待たずに買え、サポート残存期間も本機より長いと見込まれます。リンク先は通常版のPA-19000T12BEです。

8. 「安い下位モデルで十分」はもう成立しない

以前の版では「WX5400HP(約15,000円)で十分」「WX7800T8(約25,000円)ならコスパは圧倒的」と書いていました。2026年8月21日に価格と流通を調べ直し、この推奨は撤回します

機種 2026年8月21日の実勢 価格.com掲載店舗 ステータス
Aterm WX11000T12 45,100円前後 16店 生産終了(Museum収録)
Aterm WX7800T8 43,000円前後 2店のみ 生産終了(Museum収録)
Aterm WX5400HP 32,500円前後 2店のみ 生産終了(Museum収録)
Aterm 19000T12BE 69,100円前後 30店 現行

価格・掲載店舗数は2026年8月21日に当サイトが価格.comで確認した値です。WX7800T8・WX5400HPは掲載2店のみ=流通末期のサインで、価格が実勢から乖離しやすい状態です(サポート期間状況は第2章)。

何が起きたか

3機種とも生産終了になり上位機ほど在庫が残った結果、「下位モデルほど安い」という価格の階段が崩れました。WX5400HPは旧記載「約15,000円」の2倍超、WX7800T8は旧記載「約25,000円」に対し本機とほぼ同額で、WX7800T8を買うより2,100円足したほうがポート構成もWi-Fi性能も上です。

そのためNECの旧下位モデルを新規に買うことは、いまは薦めません。予算重視ならWX5400T6などNEC現行機か他社機と比較してください(手元の旧機はメッシュ子機に活かせます・FAQ Q4)。

9. 買う前の注意点と、NASと組み合わせる構成例

デメリット(注意点)
  • 生産終了品。新品は流通在庫限りで、サポート終了時期も読みにくい(3年短縮の本機への適用は確認できていません)
  • Wi-Fi 7(MLO)非対応。5年以上使うなら後継機のほうが無難
  • マルチギガのLANは1ポートのみ。本体も大きく(約90×257×237mm)設置場所を選ぶ

裏返せば、10GbE/2.5GbE NASを1台つなぐ人には、後継機より約24,000円安く同じ到達点に届くのが本機です。以下は構成例(価格は2026年8月21日確認・DXP2800のみ9月8日)。

理想構成:10GbE NAS + WX11000T12

構成要素 製品例 価格
ルーター NEC Aterm WX11000T12(流通在庫) 45,100円
NAS本体 Synology DS1525+(5ベイ/10GbEはカード増設) 234,000円
HDD Seagate IronWolf 8TB×4 214,000円
10GbE増設カード Synology E10G22-T1-Mini 21,800円
Cat6A LANケーブル 3m 約1,500円
合計 機器4点+Cat6Aケーブル 514,900円+約1,500円

機器4点は2026年8月21日に価格.com等で確認した実勢価格です(ケーブルは概算・価格タグ管理外/最も古い確認日は2026年8月21日)。E10G22-T1-Miniは正規流通の在庫が細く、21,800円は正規流通帯の上端です(4万円超の転売もあるため販売元の確認を)。

この構成は50万円級で、ほとんどの家庭にはオーバースペックです。以前「約357,500円」と表示していましたが、内訳の合計と食い違ううえ値上がりも反映できていませんでした。理由はDS1525+の急騰(2026年7月27日189,900円→8月20日234,130円=+23%)とNAS用HDDの高値継続(IronWolf 8TBは1本53,500円前後/NAS用HDDの価格高騰)です。

現実的構成:2.5GbE NAS + WX11000T12(スイッチ不要)

構成要素 製品例 価格
ルーター NEC Aterm WX11000T12 45,100円
NAS本体 UGREEN NASync DXP2800(2.5GbE) 53,000円
HDD WD Red Plus 4TB×2 65,000円
合計 45,100+53,000+65,000円 163,100円
以前の版では、この構成に2.5GbEスイッチ(約12,000円)を必須として計上していました。NEC公式仕様を読めばLAN1が2.5GBASE-Tに対応していると分かるのに、確認せずに書いた誤りです。読者に不要な約12,000円の出費を推奨していたことになります。おわびして訂正します。スイッチが要るのは2.5GbE以上の機器が2台以上のときだけです(スイッチの選び方)。

在庫派:WX11000T12を狙うなら。新品は流通在庫限りです。リンク先で在庫状況と現在価格を必ず確かめてください。リンク先はAmazon限定モデル「AM-AX11000T12」で、主要スペックはPA-型番と同等です(FAQ Q5)。

10. NEC Aterm WX11000T12のよくある質問(FAQ)

Q1. WX11000T12は生産終了ですか? 今買っても大丈夫ですか?
A. 生産終了です。2026年8月21日時点でNEC公式の仕様ページは「Aterm Museum」配下へ移り、冒頭に「こちらの製品は生産を終了しております。」と明記されています(終了日は非公開)。価格.comには16店の在庫があり買えますが、サポート期間一覧で残存期間を確認してから判断してください。
Q2. 10GBASE-T WANポートは1Gbps光回線でも使えますか?
A. 使えますが、実効速度は1Gbpsで頭打ちです。本機を選ぶ主な理由は、WAN側ではなくLAN側の10GBASE-Tです。回線が1Gでも、10GbE/2.5GbE NASをLAN1に直結する価値は残ります(1GbE NASしか無いなら恩恵はほぼありません・第4章)。運営者も10G回線で本機を選んだあと2026年6月ごろに1Gへ戻し、いまはLAN1をNASに使っています
Q3. Synology DS223jやUGREEN DXP2800と組み合わせるのは無駄ですか?
A. DS223jは1GbEなので10GbE LANを活かせません。DXP2800は2.5GbEで、本機のLAN1が2.5GBASE-Tに対応するため2.5Gbpsでリンクします。当サイトが同じ2.5GbEリンク(ハブ経由)で測ったSMB転送は書込139.7/読出148.5MB/s、1GbE(112.4/108.4MB/s)の1.24〜1.37倍でした。回線帯域が2.5倍(iperf3で2.38Gbps)でも、HDD 2本のRAID 1が先に頭打ちになります(条件は第4章)。
Q4. メッシュWi-Fiに対応していますか?
A. はい、Aterm専用メッシュに対応し、WX7800T8やWX5400HPを子機にできます。ただし両機とも生産終了・品薄・高値のため、新規に買い足すのは薦めません(WX5400HPのサポートは2027年4月まで)。手元の旧機を子機に回すのが現実的です。
Q5. Amazon限定モデル「AM-AX11000T12」とPA-WX11000T12は何が違いますか?
A. 主要スペック(Wi-Fi規格・ストリーム数・有線ポート構成)は同等で、型番の頭が「AM-」(Amazon限定)か「PA-」(通常流通)かの違いです。ただし2026年8月21日に当サイトが確認した範囲では、NEC公式の「サポート期間一覧」と「Aterm Museum」に載っているのはPA-型番のみでした。サポート対象外という意味ではありませんが、残存期間を判断材料にするならPA-型番のほうが確認しやすいです。

11. この記事の要点

生産終了品としてのWX11000T12:4つの結論

  • NEC公式が生産終了を明記(終了日は非公開)。在庫は健在で価格.com 16店・45,100円前後(2026年8月21日確認)
  • サポート期間は2025年12月1日から原則最大5年→3年。型番ごとの残存期間の確認が必須
  • LAN1は2.5GBASE-Tにも対応し、2.5GbE NASが1台ならスイッチは不要実測(ハブ経由の同一リンク・10GBファイル)は書込139.7/読出148.5MB/sで1GbEの1.24〜1.37倍(メモリに収まる1GB級は1本目が2倍超)。回線が2.5倍でも壁はHDD側にある
  • 後継の19000T12BE(69,100円前後)とは10GbEのポート構成が同一。WX7800T8・WX5400HPも品薄で値上がりし、「安い下位モデル」はNECにもう無い
参考・出典: NEC公式(WX11000T12 仕様一覧Aterm Museumサポート期間一覧)/価格.com 各製品ページ(2026年8月21日に確認)/転送実測は当サイト(2026年9月4日・9月8日)。

ルーターの前に、HDDを決めておいてください。2.5GbE構成でも10GbE構成でも、実際の転送速度を決めるのはNASに入れるHDDの本数とRAID構成です(第4章の実測)。