本レビューは、運営者がDXP2800を購入し、Claude Code専用サンドボックスとして24時間連続稼働させている実運用にもとづく所感と、公式スペック・一般的なレビュー傾向をあわせて構成しています。実機で常用しているのはサンドボックス用途で、Plex等の各アプリは検証範囲外である旨は本文中で都度明記します。

更新日:2026年8月4日|カテゴリ:NASレビュー

結論:DXP2800はSynology DS225+の強力な対抗馬。性能を求めるならコレ

UGREEN NASync DXP2800はIntel N100(TDP 6W・4コア4スレッド)、DDR5 8GB(最大16GB)、2.5GbE、M.2 NVMeスロット×2を搭載した高性能2ベイNAS。実売約51,000円(2026年7月時点)で、同価格帯のSynology・QNAP機種を性能面で上回りやすいのが魅力です。

DXP2800が向いている人:①Plex 4Kトランスコードしたい ②Docker・仮想マシンを動かしたい ③写真AI認識を高速化したい ④メモリ16GBまで増設したい ⑤2.5GbE環境を最大限活かしたい。
逆に、こんな人は別機種を検討。初めてのNASで情報量が豊富なメーカーを選びたい方はSynology DS225+(実売約64,000円)が候補です。ただし現在はDS225+の方がやや高価で、価格面ではDXP2800が有利。UGOS Proは2024年以降急速に進化していますが、日本語情報はまだSynologyに譲ります。

1. DXP2800の基本スペック

項目スペック
CPUIntel Processor N100(4コア4スレッド・Max 3.4GHz・TDP 6W)
メモリ8GB DDR5 SO-DIMM(最大16GBまで増設可)
ドライブベイ3.5"/2.5" SATA ×2
最大ストレージ容量80TB(32TB×2+M.2 8TB×2・公式値)
M.2スロットNVMe M.2 2280 ×2(OSおよびストレージ用)
ネットワーク2.5GbE ×1(RJ-45)
USBUSB 3.2 Gen 2 ×1、USB 2.0 ×2、HDMI ×1
RAID対応Basic / JBOD / RAID 0 / RAID 1
サイズ231.1(奥行)× 109.2(幅)× 177.8(高さ)mm ※公式値
重量約2.07kg(HDD無し)
消費電力アクセス時 16.38W/HDD休止時 5.24W(公式仕様)
OSUGOS Pro(Linuxベース)

出典:UGREEN NASync DXP2800 公式製品ページ(ai.ugreen.jp、2026年8月3日閲覧。旧 nas.ugreen.jp から移転しています)

UGREEN NASync DXP2800(右・黒)の背面:2.5GbEのLANポート×1にLAN緑LED点灯・USB端子・電源端子と、Synology機(左・白)の背面を筆者宅のメタルラックで並べた実機写真
筆者所有のUGREEN NASync DXP2800(右・黒)の背面。2.5GbEポート×1にLAN接続し、Claude Code専用サンドボックスとして24時間稼働させています。左の白い機体は同じ棚のSynology NAS。

2. DXP2800の7つの強み

① Intel N100という明確なアドバンテージ

2023年登場のIntel N100はTDP 6WのデスクトップPC向けCPUで、Synology DS223j(Realtek ARM)や旧DS224+(Celeron J4125)より高性能。筆者が日常的に触っているブラウザUIのレスポンスは実際に快適です。写真サムネイル生成や動画トランスコードもN100の処理能力から余裕が見込める部分ですが、当サイトでは常用しての検証をしていません(後述の「活用シーン」参照)。

② DDR5メモリ 8GB標準・16GB増設可能

同価格帯のSynology DS225+はDDR4 2GB(最大6GB)。DXP2800は最初から8GB、最大16GBまで拡張可能で、Docker運用・仮想マシン・メディアサーバー・データベースまで余裕をもって動かせます。

③ M.2 NVMe SSDスロット×2を標準搭載

NVMe SSDをOSブート用・ストレージ用・キャッシュ用として使えます。HDD+M.2 SSDのハイブリッド構成でランダムアクセスが体感で高速化

④ 2.5GbE標準・HDMI出力搭載

2.5GbE LAN(2.5Gbps)の理論値は312.5MB/s(2,500Mbps÷8)で、SMBの実効では280MB/s前後が上限の目安。1GbE(理論値125MB/s・実効110MB/s前後)の倍以上です。実効速度はHDD・SSD構成やネットワーク環境で変わりますが、大容量ファイルのバックアップや写真の一括読み込みが目に見えて速くなる帯域です。HDMI出力もあり、NASをテレビに直結してメディアプレイヤーとして使うこともできます。

⑤ UGOS Proが2024年以降急激に進化

UGOS Pro標準機能内容
UGREEN PhotosAI顔認識・ペット認識・GPS位置情報
UGREEN SyncPC/Mac/スマホとのファイル同期
UGREEN Drive共有ワークスペース・コラボレーション
Docker対応Plex・Immich・Nextcloud・Home Assistant等
リモートアクセスmyUGREEN(QuickConnect相当)
バックアップクラウド・NAS間・外付けHDD・リモート

⑥ 他のOSを試す余地がある(公式サポートではありません)

標準のUGOS Proに満足できないユーザーが、TrueNAS SCALE・Unraid・自作Linuxを導入している事例があります。SynologyがDSM以外を受け付けないのとは対照的な自由度です。

ただしこれはUGREEN公式が対応を保証している機能ではなく、コミュニティによる実践です。TrueNAS公式フォーラムには、DXP2800のeMMCへインストールした際にブートパーティションが読み取り専用になるなどの失敗報告もあり、成功報告と失敗報告が混在しています。保証や復旧の面でリスクを取れる人向けの上級者向け項目として見てください。

⑦ 24時間つけっぱなしでも安心の省電力設計

TDP 6WのN100と効率重視の設計で、公式仕様の消費電力はアクセス時 16.38W/HDD休止時 5.24W。NASは電源を入れっぱなしで使う機器なので、この低さはそのまま電気代の安さに直結します。筆者もサンドボックス用途で24時間連続稼働させていますが、電気代の負担感はほとんどありません。動作音もHDD次第で静かで、書斎の常時稼働でも気になりにくいレベルです。

3. 競合機種との徹底比較

項目UGREEN DXP2800Synology DS225+Synology DS224+QNAP TS-264
実売価格約51,000円約64,000円約52,000円※終売約79,000円〜
CPUIntel N100Celeron J4125Celeron J4125Celeron N5095
標準メモリ8GB DDR52GB DDR42GB DDR48GB DDR4
最大メモリ16GB6GB6GB16GB
LAN2.5GbE×12.5GbE×1+1GbE×11GbE×22.5GbE×2
M.2スロットNVMe×2非搭載非搭載NVMe×2
Docker
4Kトランスコード
保証2年3年(Plusシリーズ)2年2年

価格は執筆時点の実勢。QNAP TS-264(TS-264-8G)は価格.com掲載の最安79,043円(2026年7月25日確認)で、量販店では10万円を超える店舗もあります。

💡 コスパ重視ならDXP2800が優勢
メモリ量(8GB vs 2GB)、最大メモリ(16GB vs 6GB)で優位。実売価格もDS225+(約64,000円)よりむしろ安く、性能差を考えれば十分納得できます。なお保証はDS225+が3年、DXP2800が2年でSynologyが1年長い点は正直な弱みです。日本語情報量ではSynologyが勝るため、「性能・価格優先ならUGREEN、情報の安心感ならSynology」という選び方が成立します。

4. 活用シーン(スペックから見る適性)

以下はDXP2800の公式スペックとN100の一般的な能力から見た「向いている用途」の目安です。筆者が実機で常用しているのはClaude Code専用サンドボックス(後述)で、下記の各アプリ自体は筆者未検証の想定である点をご了承ください。

シーン① Plex Media Serverで4K動画配信

Intel N100はQuick Sync Videoに対応するため、スペック上は4K H.264・H.265のトランスコードを処理できる想定です。同時配信数はビットレートや同時アクセス数で変わるため、多重配信の実挙動は環境次第となります(本機での多重配信は筆者未検証)。

シーン② Immich(OSS写真管理)でGoogle Photosを卒業

DockerでImmichを立ち上げれば、写真のAI認識・自動整理を自宅完結で運用でき、クラウドの月額課金に頼らない写真管理が狙えます。筆者はこのDXP2800をClaude Code専用サーバとして24時間運用しており、Dockerを常用できる安定性は体感済みです(Immichアプリ自体の常用は未検証)。

シーン③ Nextcloud自宅クラウドサーバー

8GBメモリと2.5GbEがあれば、Nextcloudで家族規模のプライベートクラウドを構える土台としては十分なスペックです(同時利用人数の上限は運用設定や回線に依存)。

シーン④ 4K動画編集のファイルサーバー

2.5GbE LAN+M.2 SSDキャッシュの構成なら、Premiere Pro・DaVinci Resolveの素材置き場として使える帯域があります。ただし本格的な4K編集ではローカルSSDとの併用が現実的で、NASは共有・バックアップ用途が中心になります。

実機で確かめている用途:Claude Code専用サンドボックス

筆者はこのDXP2800を、Claude Codeのフル権限運用を隔離するための専用サンドボックスとしてDocker上で24時間連続稼働させています。数か月つけっぱなしにしていますが、動作は安定していて発熱・動作音も許容範囲。省電力設計のおかげで電気代の負担感もほとんどありません。この常時稼働の実体験は、他の用途でも「入れっぱなしで使う機器」としての信頼性を裏づけていると感じます。詳しい構築手順はDXP2800にClaude Code専用サンドボックスを構築した実録にまとめています。

5. 購入前に知っておきたい注意点

⚠ DXP2800の弱点・注意点
  • 日本語情報がSynologyより少ない:UGOS Proマニュアルは英語主体、YouTubeも海外勢中心
  • RAID 5/6非対応:2ベイモデルのため選択肢はRAID 0/1/JBOD/Basicのみ
  • UGOS Proがまだ発展途上:機能追加ペースは速いが、一部アプリは英語UI
  • バックアップアプリがSynology Hyper Backupほど成熟していない
  • HDD互換性リスト(HCL)が限定的:基本WD Red Plus・IronWolfを推奨
  • 保証は2年でSynology DS225+(3年)より1年短い:DXP2800・DXP4800 Plusは2年、3年保証は上位のDXP6800 Proのみ(最新条件は公式で要確認)

6. 推奨HDD・SSD

製品容量実売価格用途
WD Red Plus WD40EFZZ4TB約32,500円メインストレージ
Seagate IronWolf ST8000VN0028TB約49,000円大容量メインストレージ
Toshiba N300 HDWG740 / HDWG4404TB約30,000円メインストレージ
WD Red SN700 500GB500GB32,920円(在庫切れ)NVMe キャッシュ(現在は入手困難)
Samsung 990 PRO 1TB1TB約34,980円高速ストレージ・キャッシュ

DXP2800はHDD別売のため、本体と一緒に用意しておくと届いたその日からセットアップできます。まずは定番のWD Red Plus 4TBあたりが失敗しにくい選択です。4TBは2026年8月時点で買える型番が入れ替わっており、長く定番だったWD40EFPX(キャッシュ256MB)は価格.comの掲載が0店=当サイトが確認した範囲では在庫が見つかりません。いま買えるのは同じRed PlusのWD40EFZZ(キャッシュ128MB・CMR・5400rpm)で、DXP2800での用途は変わりません。東芝N300の4TBも型番でキャッシュが変わり(HDWG440=256MB/HDWG740=512MB)、上表の価格は在庫が見つかったバルク流通品HDWG740UZSVCの実勢です。

一方でM.2 NVMeキャッシュの追加は、2026年7月時点では急がなくて構いません。NANDフラッシュ高騰の影響で定番のWD Red SN700は250GB・500GB・1TBの全ラインが在庫切れになっており、在庫のあるNVMe 1TBクラスも3万円台。キャッシュ1枚がNAS用HDD 1本とほぼ同額という水準です。本体のIntel N100と2.5GbE LANだけでも家庭用途では十分に速く、まずはHDD 2本で運用を始めて、SSDは相場が落ち着いてから足すほうが無駄がありません。判断材料はNAS用SSDの選び方にまとめています。

※価格・在庫は変動します。SSDの価格・在庫は2026年7月25日、上表のHDD3製品は2026年8月2日に取り直した実勢です(記事内の価格の確認日は最も古いもので2026年7月25日)。最新価格は各ストアでご確認ください。

7. こんな人にDXP2800はぴったり

ここまでのスペック・比較・注意点を踏まえて、DXP2800が力を発揮するのはどんな人かを整理します。当てはまる項目が多いほど、この一台で長く満足できる可能性が高いです。逆に一つも当てはまらない場合は、後述の「合わない人」やSynology DS225+も検討したほうが後悔しにくいはずです。自分の使い方をイメージしながらチェックしてみてください。

  • Plex Media Serverで4K動画を家族で楽しみたい
  • Dockerで自宅サーバーを本格運用したい
  • 写真・動画をAI管理したい(Immich・PhotoPrism等)
  • 16GBメモリまで拡張して長く使いたい
  • コスパ最優先、性能妥協したくない
  • 英語情報でも自分で調べられる

上の条件に1つでも当てはまったなら、DXP2800はあなたの用途に応えてくれます。実売価格・在庫は下のボタンから確認できます(HDDは別売)。

✗ 合わない人
  • 初心者で日本語マニュアル・日本語サポートを最優先
  • Synologyブランドの安心感を重視 → DS225+推奨
  • RAID 5/6冗長構成が必要 → 4ベイのDXP4800 Plus推奨

8. よくある質問(FAQ)

Q1. DXP2800とSynology DS225+、どちらを選ぶべき?
A. 性能・拡張性重視ならDXP2800(メモリ8GB標準・16GB増設可・Intel N100)。日本語情報量・初心者向け機能ならDS225+(2.5GbE+1GbE・DSM成熟)。実売価格はDXP2800(約51,000円)の方がDS225+(約64,000円)よりやや安く、性能でも上回るため、性能重視ならDXP2800が有力です。
Q2. UGOS ProからSynology DSMのようにデータ移行は可能?
A. 両OS間の直接移行は不可ですが、SMBファイルコピーまたはrsyncでデータ移動は可能。メタデータ(アクセス権・タイムスタンプ)もrsyncで引き継げます。移行時間は1TBあたり約1〜1.5時間が目安(2.5GbE・大容量ファイル中心の場合)。小さなファイルが大量にあるとオーバーヘッドで数倍かかることもあります。
Q3. HDMI出力は何に使える?
A. テレビに直結してメディアプレイヤー・システム初期設定画面表示・簡易サイネージとして使えます。ただしUGOS Proは主にブラウザUIで操作するため、通常は使用頻度は低めです。
Q4. M.2 SSDキャッシュの効果は?
A. M.2 NVMe SSDを読み書きキャッシュに設定すると、写真サムネイル生成速度・ランダムアクセス・同時接続性能が向上します。同じデータへ繰り返しアクセスする使い方(家族が同じ写真フォルダを何度も開くなど)ほど効果が出ます。ただし2026年7月時点は定番のWD Red SN700が全容量在庫切れ、代替のNVMe 1TBクラスも3万円台のため、2枚構成にすると本体価格に迫る出費になります。急ぎでなければ相場が落ち着くまで待つのが無難です(詳細はNAS用SSDの選び方)。
Q5. 消費電力・騒音は?
A. 公式仕様の消費電力はアクセス時 16.38W、HDD休止時 5.24W。24時間365日つけっぱなしでも電気代の目安は年間4,000〜5,000円程度で、2ベイNASとしては省電力な部類です。騒音はHDD依存で、WD Red Plus級の低振動HDDなら一般に25dB前後(HDD側スペック基準・本機の実機騒音は環境で変わります)。筆者のサンドボックス運用でも、書斎の常時稼働で動作音が気になることはありません。

まとめ:DXP2800は「性能・拡張性・コスパ」三拍子のハイスペック2ベイNAS

この記事の要点

  • Intel N100・DDR5 8GB標準で同価格帯最高クラスの性能
  • M.2 NVMeスロット×2、2.5GbE、最大16GBメモリ拡張
  • Docker・Plex 4Kトランスコード・Immich・Nextcloud対応
  • Synology DS225+より性能上、日本語情報ではDS225+が優位
  • 保証は2年(日本法人サポートあり/上位のDXP6800 Proは3年)
参考・出典:
UGREEN NASync DXP2800 公式製品ページ(2026年8月3日閲覧)
UGREEN NAS 製品保証(保証期間の一次情報)
Intel Processor N100 公式仕様
・価格.com DXP2800 価格情報(2026年4月閲覧・実売の目安)