1.NAS入門・選び方
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RAIDとは?

yamakashi
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更新日:2026年4月21日|カテゴリ:ネットワーク・技術

結論:家庭用NASなら「RAID 1」または「SHR」を選べば失敗しません

RAID(Redundant Array of Independent Disks)は複数のHDDを組み合わせて速度や安全性を高める技術です。家庭用2ベイNASならRAID 1(ミラーリング)またはSynology SHRが最適。4ベイ以上ならRAID 5・SHR・RAID 6が選択肢になります。

選び方早見表
①2ベイNAS → RAID 1(1台故障まで耐える、容量50%)
②4ベイNAS → RAID 5 または SHR(1台故障、容量75%)
③重要データ4ベイ以上 → RAID 6 または SHR-2(2台故障、容量50-67%)
④速度優先・冗長不要 → RAID 0(故障=全喪失、非推奨)
⑤異なる容量HDDを活かしたい → SHR(Synology Hybrid RAID)

⚠ 最重要ポイントRAIDはバックアップではありません。誤削除・ランサムウェア・火災からは守れないため、必ずクラウドバックアップを併用してください。

1. RAIDとは何か?3つの目的

目的 実現手段 対応RAIDレベル
① 速度向上 複数HDDに分散書き込み(ストライピング) RAID 0、RAID 10
② 冗長性(データ保護) 同じデータを複数HDDに書く(ミラーリング・パリティ) RAID 1/5/6/10
③ 容量拡張 複数HDDを1つのボリュームに統合 JBOD、RAID 0/5/6
RAIDの語源
1988年に提唱された「Redundant Array of Inexpensive Disks(安価なディスクの冗長配列)」が起源。2000年代以降は「Inexpensive」が「Independent」に変更されました。

2. 主なRAIDレベル比較表(家庭・SOHO向け)

RAID 必要ディスク数 冗長性 容量効率 読み速度 書き速度 家庭用推奨度
RAID 0 2台以上 なし 100% 高速(n倍) 高速(n倍) ×
RAID 1 2台 1台故障OK 50% やや高速(1.3倍) 等速
RAID 5 3台以上 1台故障OK 67-87% 高速 やや低速 ○(4ベイ推奨)
RAID 6 4台以上 2台故障OK 50-67% 高速 低速 ○(6ベイ以上)
RAID 10 4台以上(偶数) 各ペアで1台 50% 高速 高速 △(高速重視)
JBOD 2台以上 なし 100% 等速 等速 ×
SHR 2台以上 1台故障OK 柔軟 高速 やや低速 ◎(Synology専用)
SHR-2 4台以上 2台故障OK 柔軟 高速 低速 ○(Synology専用)

3. 各RAIDレベルの詳細解説

RAID 0:ストライピング(速度最優先・非推奨)

データを複数HDDに分割して書き込む方式。読み書き速度は飛躍的に向上しますが、1台でも故障するとすべてのデータが喪失するため、家庭用では絶対に避けるべき構成。動画編集などで「速度が最優先、データはバックアップ済み」な場合のみ選択。

RAID 1:ミラーリング(家庭用の王道)

✓ 家庭用2ベイNASのベスト選択
2台のHDDに同じデータを書き込む方式。1台故障してもデータが残るため最も安全。実効容量は50%(4TB×2で実効4TB)。書き込み速度は1台と同じ、読み込みは約1.3倍高速。

RAID 5:分散パリティ(4ベイ以上の定番)

3台以上のHDDにデータとパリティ(誤り訂正情報)を分散配置。1台故障まで耐える。4TB×4で実効12TB(75%)と容量効率が良い。ただし書き込み時のパリティ計算でやや速度低下。RAID 5は8TB以上のHDDでは2台目故障リスクが高いため、近年はRAID 6・SHR-2が推奨される傾向。

RAID 6:二重パリティ(大容量・高信頼)

4台以上のHDDに2重のパリティを配置。2台同時故障まで耐える最高水準の冗長性。大容量HDD(10TB以上)を使う場合に特に推奨。再構築中に2台目故障してもデータ保全。

RAID 10:ミラー+ストライプ(高速+冗長)

4台のHDDを「2台ミラー×2組」の構造で使用。読み書き両方が高速で、各ペアで1台故障まで耐える。ただし容量効率50%、動画編集・データベース用途で威力を発揮。

JBOD:単純結合(非推奨)

Just a Bunch of Disksの略。複数HDDを1ボリュームとして結合するだけで冗長性ゼロ。どれか1台故障でそのHDDに載っていたデータが喪失。容量拡張目的のみで、RAIDとは言えません。

SHR(Synology Hybrid RAID):柔軟な混在構成

💡 Synology独自の便利な方式
異なる容量のHDDを混在させて最大限容量を活用できる独自技術。例えば4TB+4TB+8TB+8TBの4ベイで、実効容量16TBまで活かせる(RAID 5だと12TB止まり)。家庭用途ではSHR-1(1台故障耐性)が実質的にRAID 5相当、SHR-2(2台故障耐性)がRAID 6相当として機能します。Synology専用機能で、他社NASでは利用不可。

4. RAIDレベル別の具体構成例(2026年4月価格)

NAS 構成 RAID 実効容量 合計価格
DS225+ WD Red Plus 4TB×2 RAID 1 4TB 約83,000円
DS425+ WD Red Plus 4TB×4 RAID 5/SHR 12TB 約161,000円
DS425+ WD Red Plus 4TB×4 RAID 10 8TB 約161,000円
DS925+ IronWolf 8TB×4 RAID 6/SHR-2 16TB 約226,000円
UGREEN DXP4800 WD Red Plus 4TB×4 RAID 5 12TB 約150,000円

5. ハードウェアRAIDとソフトウェアRAID

種類 メリット デメリット 代表例
ハードウェアRAID CPU負荷軽減、専用バッテリー対応 高価、カード交換時にデータ移行困難 エンタープライズNAS、サーバー
ソフトウェアRAID 安価、OS間移植しやすい CPU負荷、書込速度やや低下 Synology・QNAP・UGREENの家庭用NAS

2026年現在の家庭用NAS(Synology・QNAP・UGREEN等)はほぼ全てソフトウェアRAIDを採用しています。十分な性能と信頼性を持つため、家庭用途で問題ありません。

6. RAID運用の注意点(重要)

⚠ RAIDに関する7つの誤解・注意点

  • RAIDはバックアップではない:ランサムウェア・誤削除・火災では全喪失
  • 同一ロット購入は危険:同時故障リスクのため別店舗・別時期購入を
  • RAID再構築中は性能低下:4TB HDDで約7〜10時間
  • 再構築中の2台目故障でデータ喪失:RAID 5で特に深刻
  • HDD混在は速度が遅い方に合わせる:RAIDは基本同容量・同規格で組む
  • RAIDは容量効率を落とす:50-75%に目減り
  • SMR方式HDDでのRAIDは非推奨:再構築が極端に遅く失敗する場合も
関連記事:CMRとSMRの違い

7. RAIDの「階層」と「ネストRAID」

RAID 10 ≠ RAID 1+0
厳密にはRAID 10は「RAID 1で組んだペアをRAID 0でストライピング」する2階層構造。よく似たRAID 0+1(ストライプをミラーリング)は障害耐性が大きく異なります。家庭用NASでは自動的にRAID 1+0で構成されるので意識不要です。

8. 用途別おすすめRAID

✓ 家庭用(写真・動画バックアップ)
→ 2ベイ:RAID 1
→ 4ベイ:SHR または RAID 5
✓ SOHO・重要データ
→ 4ベイ:RAID 6 または SHR-2
→ 大容量10TB以上HDD使用時は必ずRAID 6/SHR-2で2台故障耐性を
✓ 動画編集・高速性優先
RAID 10 またはオールSSD + RAID 1
✗ 非推奨:RAID 0・JBOD
冗長性がない構成は家庭用途では避ける。速度が必要ならNVMe SSDを検討。

9. こんな人にはRAIDの理解が重要

  • 4ベイ以上のNAS購入を検討している方
  • 仕事用データをNASに保存している方
  • ディスク故障時の復旧方法を理解したい方
  • 異なる容量のHDDを活用したい方(→ SHR推奨)
  • RAID再構築中の動作を知っておきたい方

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10. よくある質問(FAQ)

Q1. RAID 1とバックアップは同じ?
A. 全く違います。RAID 1は「ディスク故障」だけを防ぐ技術で、誤削除・ランサムウェア・火災では両ディスクに同じ被害が反映されます。必ず別メディア(クラウド・外付けHDD)へのバックアップを併用してください。
Q2. SHRとRAID 5、どちらを選ぶべき?
A. Synology NASならSHRが柔軟性で優位。異なる容量のHDDを混在できるため、段階的な容量拡張がしやすい。他社NASはRAID 5のみ。冗長性・速度はほぼ同等なので、SHR対応機ならSHRを選んで損なし。
Q3. RAID再構築にどれくらい時間がかかる?
A. 容量とHDD種類次第。目安はHDD容量1TBあたり約2時間。4TB HDDで7〜10時間、8TB HDDで14〜20時間。RAID 6の再構築はRAID 5の約1.5倍。SSDなら所要時間は5分の1程度。
Q4. RAID 5は本当に時代遅れ?
A. 8TB以上の大容量HDDではUBE(Unrecoverable Bit Error)確率が無視できないレベルになり、RAID 5再構築中に読取エラーで再構築失敗するリスクが上昇。大容量環境ではRAID 6・SHR-2推奨、4TB程度ならRAID 5も実用的です。
Q5. RAIDは後からレベル変更できる?
A. Synology DSMでは「ストレージマネージャー」でRAID 1 → SHR → RAID 5 → RAID 6のようにレベル移行可能(容量追加と同時に)。ただし数時間〜数日かかり、途中でエラーが出る可能性もあるため、事前バックアップ必須です。

まとめ:家庭用NASはRAID 1かSHRで迷わない選択を

この記事の要点

  • RAIDは「速度・冗長性・容量拡張」の3目的の技術
  • 家庭用2ベイはRAID 1、4ベイ以上はSHR/RAID 5/6が定番
  • RAIDはバックアップではない→必ずクラウド併用
  • 大容量HDDではRAID 6・SHR-2で2台故障耐性を
  • SMR方式HDDはRAIDでの使用を避ける
参考・出典:
・Synology Knowledge Center「RAIDとSHR」
・SNIA(Storage Networking Industry Association)RAID標準規格
・Backblaze Drive Stats 2024(再構築時間・故障率データ)
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自宅やオフィスでのNAS活用をもっと身近に、わかりやすく伝えることを目指して「ありがとNAS」を運営しています。IT企業でサーバー・ストレージの導入や運用を経験し、現在は趣味と実務を活かして記事を執筆。初心者でも安心してNASを使いこなせるよう、最新機種レビューからトラブル解決まで実際に検証した情報を発信しています。
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